REPORT 日本代表レポート
日本代表レポート:第15回6/25(月)
日本はもやは柴崎のチーム!W杯の大舞台で才能が完全に覚醒
西野ジャパンは柴崎岳のチームだ。もはやそう言っても過言ではないほどのキープレーヤーになっている。2-2の引き分けで貴重な勝ち点1を上積みしたセネガル戦では、改めてそれを証明する格好となった。
前任者のヴァイッド・ハリルホジッチ体制下でも攻撃のカードとして有用なところを見せていたが、西野体制では一選手以上の重要な存在になっている。ワールドカップという初の大舞台、緊張で普段どおりのプレーができなくなってもおかしくない状況で急激な成長を遂げている感すらある。
初戦のコロンビア戦でも相手の急所を突くような配球をしていた柴崎だが、セネガル戦でも決定的な仕事をしてみせた。0-1のビハインドで迎えた前半34分、乾貴士が左45度からのシュートで鮮やかに同点ゴールを決めたが、それを演出したのは柴崎の右足だった。
ハーフウェーライン手前の右エリアでボールを受けた柴崎は、オーバーラップしてセネガルの右サイドバックの背後を狙う長友佑都の動きをルックアップで確認。「佑都さんがいい飛び出しをしてくれたので」とタイミング、精度ともドンピシャのミドルレンジフィードを長友に送り込んだところから、乾のミドルシュートにつながった。
それは決してたまたま生まれたチャンスではなく、柴崎の的確な観察眼がもたらしたものだった。
「基本的にはしっかりとつなぎながら、連携を取りながらというイメージをしていたのですが、予想以上に裏への配球への対応が良くなかったので、ロングボールも織り交ぜながらと切り替えた部分は個人的にはあります」
リスクを追うべき局面か否かも的確に判断できている。ミドルゾーンでボールを引き出したり、ゲームを組み立てたりするときは危ない橋は渡らない。DFラインからのパスを受ける時はハーフスペースにポジションを取り、そこからサイドに散らす。次のプレーでミスが出ても、まだ致命傷になりにくい選択だ。
ただ、ファイナルサードまでプレーが進んでいきそうな時は、躊躇なく勝負の一手を打つ。決定打を打てると見れば、ボランチの位置から思い切って2列目に飛び込み、ボールに絡む。
柴崎らしい思い切ったプレーが飛び出したのは後半16分だ。相手のパスミスから日本が高い位置でボールを奪うと、柴崎は思い切って右サイドのスペースにフルスプリント。原口元気がそこにパスをつけると、柴崎はダイレクトでスピードのあるグラウンダーパスを折り返し、あとは大迫勇也が押し込むだけという決定的な場面を演出した。ちなみに、この場面でも柴崎の観察眼が生きている。
「ダイレクトであまり見えてはいなかったんですけど、走り込んでくれることをイメージして。前半に大迫選手がニアを狙っているというのがよく見えていたので、そこを狙っているだろうなと。うまくクロスをあげられたかなと思います」
本人はセネガル戦の出来について「自分に対してもっとできるだろうという気持ちが強いので、試合のパフォーマンスに関しては個人的に全然納得してはいないです」と辛口の評価だが、裏を返せば、さらに質の高いプレーができるという自信の表れでもある。決勝トーナメント進出をかけて臨むことになったポーランド戦でも、ゲームメークで違いを生み出せる選手として柴崎が担う役割は重要になってくるはずだ。
text by 神谷正明
STANDINGS順位表
RANKING得点ランキング
順位 | 選手 | 得点 | ||
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1 | キリアン エムバペ | 8 | ||
2 | リオネル メッシ | 7 | ||
3 | オリヴィエ ジルー | 4 | ||
3 | フリアン アルバレス | 4 | ||
5 | コーディ ガクポ | 3 | ||
5 | ブカヨ サカ | 3 | ||
5 | リシャルリソン | 3 | ||
5 | ゴンサロ ラモス | 3 | ||
5 | アルバロ モラタ | 3 | ||
5 | マーカス ラッシュフォード | 3 | ||
5 | エネル バレンシア | 3 |