REPORT 日本代表レポート
日本代表レポート:第5回6/6(水)
ハメスによって刻まれた4年前の苦い記憶…日本はダイナミズムを備える10番を封じ雪辱なるか
前回のブラジル大会では1次リーグ最終戦で対戦したコロンビアが、今回は初戦の相手となる。キーマンはその大会で最大の旋風を巻き起こしたハメス・ロドリゲスだ。
4年前、コロンビアは日本と戦う前に1次リーグ突破を決めていたこともあり、主力を温存した。当時22歳の若さで背番号10を託されていたハメスもスタメンから外れたが、後半の45分間でワールドクラスの実力をまざまざと見せつけた。
後に、ハメスは決勝トーナメント1回戦のウルグアイ戦で決めた一撃がFIFAの年間最優秀ゴールに選ばれるのだが、それ以上に個人的に気に入っているとしたのが日本戦で決めたビューティフルゴールだった。
スルーパスに抜け出したハメスはペナルティーエリア内で吉田麻也と対峙。鋭い左右の切り返しで吉田の逆を完璧に取って尻もちをつかせると、すぐさま距離を詰めてシュートコースを消したかに見えたGK川島永嗣を嘲笑うかのようなループシュートでゴールネットを揺らした。この試合、ハメスは1ゴール2アシスト。日本は次世代スターの引き立て役になった。
一気にスターダムの階段を駆け上がった若武者は、ワールドカップ後に天文学的な移籍金額でスター軍団のレアル・マドリードに移籍。瞬く間に超一流の仲間入りを果たした。もっとも、3年を過ごすことになるレアルでは周囲の期待ほどの活躍は見せられなかったが、キャリア再建を誓って新天地に選んだバイエルンで再び輝きを放った。チャンピオンズリーグ、ブンデスリーガ、ドイツカップのトレブルという偉業を成し遂げたユップ・ハインケス監督をして「ハメスは神から授かりしもの」と言わしめたほどだ。
ハメスはまさに「背番号10」のプレーヤーだ。圧倒的なボールスキルと非凡なプレービジョンを兼備し、ボールに触って攻撃で違いを生み出す。実際、コロンビアがチャンスを作る時、その多くにハメスは絡んでいる。
もっとも、コロンビアのかつての英雄カルロス・バルデラマのような古典的なプレーメーカータイプではなく、ダイナミズムを持ち合わせている。ビルドアップの局面でDFライン付近でボールを捌いたかと思えば、その流れから最前線まで駆け上がって自らシュートも放つ。スルーパスで局面をがらりと変えられるだけでなく、卓越した得点感覚でゴールも狙える。
そしてなにより「背番号10」が似合う理由は、そのプレーもアイデアも美しいからだ。多くの人間を魅了する「何か」を持っているのがハメスなのだ。だから自然とボールが集まる。ボールが集まるから、華のあるプレーが生まれる。そして、華があるプレーは大概ゴールに直結するプレーだ。つまり、日本はこの男に生き生きとプレーさせてはいけない。
text by 神谷正明
STANDINGS順位表
RANKING得点ランキング
順位 | 選手 | 得点 | ||
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1 | キリアン エムバペ | 8 | ||
2 | リオネル メッシ | 7 | ||
3 | オリヴィエ ジルー | 4 | ||
3 | フリアン アルバレス | 4 | ||
5 | コーディ ガクポ | 3 | ||
5 | ブカヨ サカ | 3 | ||
5 | リシャルリソン | 3 | ||
5 | ゴンサロ ラモス | 3 | ||
5 | アルバロ モラタ | 3 | ||
5 | マーカス ラッシュフォード | 3 | ||
5 | エネル バレンシア | 3 |