REPORT 日本代表レポート
日本代表レポート:第7回6/8(金)
「なんでもできる」万能型FWレバンドフスキはポーランドの“蒸気機関車”
ロベルト・レバンドフスキの特徴を一言で表すとすれば、「なんでもできる」になるだろうか。
まず、FWに最も求められる決定力は当然高いが、ゴールのバリエーションがとても多いのも強みになっている。右足、左足、頭といろんな部位から強烈で、精度の高いシュートが打てる。ゴールに至る流れも、スルーパスに抜け出す形、クロスに合わせる形、ドリブルでかわして振り抜く形、抜け目なく守備者の死角を取る形、強引に競り勝って決める形、エリア外からパワフルな一撃を見舞う形など実に多彩だ。
身体能力も非常に高い。セネガルのサディオ・マネのような爆発的なスピードがあるわけではないが、大型FWとしては十分な走力は持っている。恵まれた体格でフィジカルコンタクトにも強く、空中戦の強さは圧倒的だ。
だが、本当にすごいのは、そういった身体能力には決して依存しないことだ。レバンドフスキは相手にダメージを与える最適のポジショニングを取ろうとするクレバーな選手でもある。位置的優位に立った上で、持ち前の技術と身体能力も生かしてくるから手に負えない。
パスレシーバーとして極めて有能で、ファーストタッチの精度が高い。狙い通りのところにボールを置けるから、次のプレーが簡単になる。その高い技術はゲームメークでも生かされるので、ポストプレーの質も世界屈指のレベルにある。そして、パス出しも水準以上である。
「ストライカーに求められる技術を全て持っている。特に身体的強さと決定力だ。しかし、彼は才能あるMFのテクニックも備える。中盤で受けてウィングに展開する流れはプレーメーカーを見ているようだ」
これは、かつてドルトムント時代にともに戦ったユルゲン・クロップ監督の言葉だが、レバンドフスキは文字通り「なんでもできる」のだ。
実際、なんでもできるので、ポーランド代表ではなんでもやっている。DFのロングフィードやゴールキックのターゲットは決まってレバンドフスキであり、この万能戦士が空中戦の競り合いで勝ってくれるので、ポーランドはアバウトな放り込みでもチャンスを作れる。
ポーランドはスピーディーなサイドアタックが得点パターンの一つになっているが、ウィングにボールを入れるのもレバンドフスキの役割だ。クロップ監督が評価したように、楔のパスを受けてサイドに展開する形もあるし、ヘディングで競り勝って、ウィングに落とすこともある。自分がサイドに流れてボールをキープし、味方が攻め上がる時間を作ることもする。そしてもちろん、最終局面でサイドからのクロスに合わせるのは、レバンドフスキの最も重要な仕事である。
ワールドカップ欧州予選では、チームの全28得点の半分以上である16ゴールを決めている。得点だけを見ても、ポーランドがいかにレバンドフスキのチームであるかわかるだろう。アダム・ナバウカ監督が「我々にとって非常に大切な選手。彼はチームの蒸気機関車だ」と絶大なる信頼を寄せているように、レバンドフスキはまさにポーランドの動力源なのだ。
text by 神谷正明
STANDINGS順位表
RANKING得点ランキング
順位 | 選手 | 得点 | ||
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1 | キリアン エムバペ | 8 | ||
2 | リオネル メッシ | 7 | ||
3 | オリヴィエ ジルー | 4 | ||
3 | フリアン アルバレス | 4 | ||
5 | コーディ ガクポ | 3 | ||
5 | ブカヨ サカ | 3 | ||
5 | リシャルリソン | 3 | ||
5 | ゴンサロ ラモス | 3 | ||
5 | アルバロ モラタ | 3 | ||
5 | マーカス ラッシュフォード | 3 | ||
5 | エネル バレンシア | 3 |