女子代表国際親善試合
6月25日(土)
戦評
ヨーロッパ遠征の初戦でセルビアと対戦したなでしこジャパンは、見事なゴールラッシュで完勝を収めた。
大勝の要因として、挙げるべきはそのハイプレスと高速トランジションだろう。選手同士の距離間を短くしつつ前線から制限を掛け、セルビアに攻撃の選択肢を与えない。相手のターンになっても敵陣で人数を増やしてボールホルダーを素早く囲み、すぐさまマイボールに変えるシーンを幾度となく作った。身体能力で勝てなくてもチームでスクラムを組んで立ち向かう、「池田ジャパン」なりの「対ヨーロッパ」への最適解が垣間見えた90分だったのではないだろうか。
また、後半から投入されたプレーヤーが軒並み活躍を見せた点も、この試合のうれしいトピックスだ。後半15分からともにピッチに立った猶本光と宮澤ひなたが2人のコンビネーションで崩して追加点を奪い、宮澤は持ち味のスピードを生かして独力で3点目を獲得。その直後に代表初出場の千葉玲海菜がストライカーらしいゴールで「アピール」に成功すれば、成宮唯も負けじとネットを揺らす。終わってみれば、後半の4得点はすべて途中出場の選手が獲得。今後のメンバー選考を懸けた競争がより一層楽しみとなった。