女子五輪
2月24日(土)
戦評
パリへの切符を懸けた北朝鮮との最終予選。中立地サウジアラビアでの開催となった第1戦は、両チームが暑さを気にしながらの戦いとなる。
前半の日本は多くの時間帯でボールを握るも、過酷な移動によって万全なコンディションではなかったか、はたまた気候の影響からか、ピッチ内での流動性に乏しく、無難なパス回しが続く。作り出したわずかなチャンスも決め切れず、反対に北朝鮮のタイトな守備とカウンター攻撃に脅かされる場面が散見され、戦況は五分といえる状態で試合を折り返す。
後半は一転して北朝鮮に保持され、クロスやミドルシュートを用いたシンプルな攻撃を自陣深くではね返し続ける展開に。解決策が見えず、失点は時間の問題かと思われたが、谷川萌々子の投入によって日本は息を吹き返す。長短のパスで攻撃にリズムを生み出す谷川の躍動により、試合の終盤にかけて幾度かチャンスを創出。だが、いずれもゴールには至らず、スコアレスで「前半90分」を終えた。
開催地をめぐる混乱によって難しいゲームを強いられた中、最低限の結果を持ち帰った「なでしこ」。絶対に勝利が必要な「国立決戦」は中3日で行われるが、一丸となって結果をつかみ、この戦いを意味のあるものとしたい。