FIFAワールドカップ・アジア予選
2月1日(火)
戦評
「天下分け目の戦い」とでも言うべきビッグゲームを迎えた日本。ワールドカップ出場を勝ち取るべく、そしてアウェイでの屈辱的な敗戦の借りを返すべく、「サムライブルー」は強い思いを持って臨んだ。
実際に、その魂はプレーとなって現れる。ここまでは存在感を示せない試合が続いていた長友佑都が全身で勝利への執念を見せて味方を鼓舞し、ゴールから遠ざかっていた南野拓実のシュートはネットの中へ転がる。思うように攻め込めず、次第に焦りを見せる相手をよそ目に、日本はき然と立ち向かって試合を支配。相手の技術の高い攻撃も防ぎ切り、リードを得て前半を締めた。
後半立ち上がりには、いまや「絶対的なエース」にまで上り詰めた伊東純也が目の覚めるようなミドルシュートを突き刺して追加点を獲得。これで日本はさらに余裕を持つと、以降は機を見た前からのプレスと、自陣での堅いブロックを併用して見事に完封勝利を飾った。
主力が欠け、さまざまな不安要素が指摘された今回のシリーズ。だが、結果的に首位との勝点差を1に縮め、内容面でも「急造センターバック」ながら安定した守備を見せるなど、花も実もともに手にした日本。充実した2連戦だったと評せるだろう。