FIFAワールドカップ・アジア予選
6月10日(火)
戦評
前半に輝きを放ったのは鎌田大地と久保建英だった。中央を強固に締める相手のブロックをものともせず、縦横無尽に動いてパス回しの中心となる。組み立てからフィニッシュまで全てをこなしたかと思えば、守備でも献身的に身を投げ出すなど、まさに主力たるゆえんを披露。前半の45分で3得点を奪えたことで、今回の本題である「テスト」の舞台が整った。
実際に、後半のピッチは「アピール合戦」の様相を呈する。森保一監督は続々とカードを切り、選手たちもそれに応えるようにゴールを量産。最終的に4人が代表デビューを飾っただけでなく、相手に1本もシュートを打たせず、文字通りの完封勝利となった。
また、攻撃面にスポットライトが当たりがちなこの試合で、相手をはね返し続けた高井幸大の存在も忘れてはならない。持ち場を捨ててチャレンジすることを恐れず、ほとんど全てのデュエルで勝利。ボールを持てば積極的に前進させるなど、冷静で堅実な仕事ぶりは今後に大きな希望を抱かせた。
険しい道のりが予想された最終予選だったが、終わってみれば7勝2分け1敗と、圧倒的な成績で駆け抜けた日本。本大会までは約1年と、残された時間は少ないが、どこまで進化を遂げられるだろうか。