見どころ・戦評
[J1リーグ2節]柏 0-1 FC東京/7月4日/三協F柏
【チーム採点・寸評】
柏 5.5
守備時の4-4-2をベースに、攻撃時は大谷がやや前に上がって4-3-3のシステムで挑んだ。オルンガが2度の決定機を掴んだが決め切れず、60分のヒシャルジソンの退場も響き、セットプレーに沈んだ。
【柏|採点・寸評】
GK
17 キム・スンギュ 5.5
26分、果敢な飛び出しでD・オリヴェイラとの1対1をビッグセーブ。しかし、62分のセットプレーでは左右に翻弄され、失点を喫した。
DF
6 高橋峻希 5
前半は自身の右サイドで目まぐるしい展開だったが、攻守で安定したプレーを披露。だが、失点シーンではアシストした森重に競り負けてしまった。
15 染谷悠太 5
球際に強く、良いシュートブロックもあった。しかし、26分にD・オリヴェイラに股を抜かれて決定機を与えたり、62分の失点では高橋とマークがかぶっていた。
2 鎌田次郎 5
62分のCKでは自らの目の前で失点。他の選手についていて対応が遅れたとはいえ、ならば味方へのマークの声掛けも、もっと徹底するべきだっただろう。
4 古賀太陽 4.5
失点時のセットプレーではボールウォッチャーになり、得点した渡辺のマークを外す。背後を取られてしまっていた。
MF
8 ヒシャルジソン 4
7分、相手のカウンターを防いだが、開始早々にイエローカードをもらう。60分にはアダイウトンにスライディングタックルし、2度目の警告でレッドカード。確かにピンチを防いだかもしれないが、退場となってしまっては元も子もない。
7 大谷秀和 5.5(70分OUT)
攻撃時はインサイドハーフ気味にプレーし、守備時はダブルボランチの一角として奮闘。攻守でバランスを保っていたが、結果にはつながらなかった。
22 マテウス・サヴィオ 5.5(63分OUT)
高度なテクニックを活かし、あまりボールを失わなかった点は評価に値。もっとも、ダイナミックさは足りず、チャンスに絡んだとは言い難い。
18 瀬川祐輔 5.5(78分OUT)
ピンチの際のプレスバックは素晴らしい。また、タイミングの良いスプリントで何度も最終ラインの裏を突いた。その動きを決定機につなげられれば良かったが。
10 江坂 任 6
立ち上がりは久しぶりのゲームのせいかもたつかなかったものの、すぐに試合勘を取り戻す。特に後半はアイデア溢れるスルーパスで、何度もオルンガの決定機を演出した。
FW
14 オルンガ 4.5
中断明けでまだトップフォームではない印象。5分に最終ラインの裏へ抜け出してビッグチャンスを得るも、シュートは枠を外れる。43分のクロスからのヘディングもミートせず。ふたつの決定機逸が試合展開と結果に大きく左右したため厳し目に評価。
交代出場
MF
28 戸嶋祥郎 6(63分IN)
ビルドアップに積極的に参加し、球際も激しく戦った。数的不利の難しい状況下でも、J1デビュー戦にしては悪くないプレーだった。
MF
39 神谷優太 5.5(70分 IN)
独特なドリブルで攻撃にアクセントを加えたものの、結果にはつながらなかった。
FW
33 仲間隼斗 ―(78分IN)
81分には、左サイドからカットインしてシュートを放ったものの、枠を外れてしまった。
監督
ネルシーニョ 4
ヒシャルジソンが7分に1度目の警告を受けたのならば、せめてハーフタイムに交代させるなど、リスクマネジメントをする必要があったのではないか。彼の激しいプレースタイルと、FC東京の選手が審判にジャッジへの抗議を続けていた状況を考えればなおさら。結果論ではあるかもしれないが、采配の遅れがゲームに響いた。
【チーム採点・寸評】
FC東京 6.5
4-3-3→4-4-2→4-2-3-1と目まぐるしくシステムを変化。この柔軟性が守備のバランスを生み、4-4-2を敷いた以降はいくつかピンチがあったとはいえ、“絶好機”は与えていない。セットプレーで1点を奪い、したたかに勝点3を得た。
【FC東京|採点・寸評】
GK
33 林 彰洋 6
5分に訪れたシステム変更前の最大のピンチでは、果敢な飛び出しでオルンガにプレッシャーを与え、1対1でシュートミスを誘った。
DF
2 室屋 成 6
22分にミドルシュートを放つも、これは相手DFにブロックされた。53分にも敵陣の深いエリアでドリブルを仕掛けるなど、積極的な攻め上がりが光る。守備時の1対1もあまり負けていなかった。
4 渡辺 剛 7
62分のセットプレーでは、森重からの折り返しのボールを押し込み、決勝ゴールを奪う。守備でもオルンガを抑え、攻守で大きく勝利に貢献した。
3 森重真人 7
決勝ゴールのシーンでは、打点の高いヘディングで渡辺の得点をアシスト。守備でも渡辺とのチャレンジ&カバーの連係が素晴らしかった。クリーンシート(無失点)の立役者だ。
6 小川諒也 6.5
高精度のCKで決勝弾を演出。攻撃だけでなく、マッチアップしたM・サヴィオに対する守備の対応も良かった。
MF
10 東 慶悟 6
インサイドハーフ→右サイドハーフ→ボランチと、複数ポジションをこなす。柔軟なシステム変更を可能にした功労者のひとりだ。
31 安部柊斗 6.5
長谷川監督も「非常にアグレッシブにプレーしていて良かった」と評価したとおり、攻守で運動量を発揮して献身的に働き、好パフォーマンスを披露していた。
8 髙萩洋次郎 5.5
パスやトラップの微妙なズレが散見。大きく悪い影響が及ぶほどでもなかったものの、攻撃のリズムを崩したシーンが多々あったのはもったいなかった。
FW
9 ディエゴ・オリヴェイラ 6(28分OUT)
26分、ペナルティエリア内で巧みなタッチから相手DFの股を抜いてシュートに持ち込んだが、相手GKにセーブされた。このプレーの直後に負傷交代した。
15 アダイウトン 6.5(78分OUT)
“ゴリゴリ”のドリブルは相手にとって脅威。しかもボールの置き所が良いので、ことごとくファールをもらえる。60分にヒシャルジソンを退場に追いやった仕掛けもファインプレーだ。
20 レアンドロ 6
推進力あるドリブルで攻撃の起点になった。敵陣に攻め込むうえで、貴重なピースのひとつだった。
交代出場
FW
27 田川亨介 6(28分IN)(90+4分OUT)
自慢の俊足を活かしてサイドから果敢に仕掛けた。守備でもプレスバックして奮闘し、まずまずのプレーを披露していた。
FW
38 紺野和也 ―(78分IN)
独特なタッチのドリブルは目を引くものがあったが、目立ったチャンスにはつながっていないので高評価は与えられない。
MF
45 アルトゥール・シルバ ―(90+4分IN)
試合終了間際に出場し、逃げ切りに貢献した。
監督
長谷川健太 6
立ち上がりの4-3-3から、すぐに4-4-2へシステム変更し、後半から4-2-3-1へシフトした采配は見事。「中盤のハマりが良くなった」と胸を張るとおり、おかげで守備が安定した。
※MAN OF THE MATCH=取材記者が選定するこの試合の最優秀選手。
※採点は10点満点で「6」を平均とし、「0.5」刻みで評価。
※出場時間が15分未満の選手は原則採点なし。
取材・文●志水麗鑑(サッカーダイジェスト編集部)
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