見どころ・戦評
[J1第4節]川崎3-1柏/7月11日/等々力
【チーム採点・寸評】
川崎 6.5
前節から先発を3人変え、試合開始早々のジェジエウの負傷というアクシデントもあり、守備を固めてきた柏を崩すには苦労するかと思われたが……。CKから2ゴールを奪うなど、セットプレーも活かして3ゴール。家長の2得点の活躍もあって、逞しく勝利を飾った。これでリーグ再開後、怒涛の3連勝! 久々にスタンドに入ったサポーターを歓喜させた。
【川崎|採点・寸評】
GK
1 チョン・ソンリョン 6
失点シーンは相手のクロスを弾き切れず。だが、それ以外には大きなピンチもなく、落ち着いてゴールを守った。
DF
13 山根視来 6
前節2アシストをマークした男は、一列前の家長と連係しながら攻撃をサポート。厚みを持たせた。ただし失点は自らのサイドから。
4 ジェジエウ 6(16分OUT)
相手のカウンターを自慢のスピードと強烈なスライディングで阻止。この日もスケールの大きなプレーを見せていたが、残念ながら16分に負傷交代となった。
5 谷口彰悟 6.5
相手の稚攻はあったとはいえ、前半はカウンターを的確に阻む出色の出来。後半、クロスをクリアし切れずに1点を失うも、最終ラインを牽引した。自身のJ1通算200試合出場に花を添えた。
7 車屋紳太郎 6
左SBで先発するも、ジェジエウの負傷交代を受けて、前半早々にCBへ回る。失点場面ではクリアが間に合わず。それでも読みを利かせた守備を見せ、家長の1点目のシーンではニアに飛び込んで注意を引きつけた。
MF
6 守田英正 6
最終ラインをプロテクトしながらシンプルにボールをつないだ。もっとも本来の能力を考えれば、もっとできたはず。次戦に期待!
22 下田北斗 6
トラップがやや乱れるシーンはあったものの、空いたスペースに上手く顔を出し、ボールを引き出してリズムを作った。あわよくば目に見える結果が欲しかったが、評価される出来であった。「6.5」に近い「6」というところ。
MF
8 脇坂泰斗 6.5(61分OUT)
ボールへの反応、切り替えの速さが素晴らしく、ドリブルも切れていた。まさに足を止めることのない“チームの潤滑油”。40分にはCKから家長のゴールを導き、52分にはL・ダミアンのゴールをアシスト。プレースキッカーとしても高い働きで、充実ぶりが窺えた。
FW
MAN OF THE MATCH
41 家長昭博 7(61分OUT)
右ウイングで躍動する男は、この日も違いを作る。40分にCKからヘッドを決めると、2分後には利き足ではない右足を一閃。2ゴールの活躍でチームを勝利に導き、観衆を魅了した。
16 長谷川竜也 6(86分OUT)
結果こそ残せなかったが、この日も好調ぶりを示す。前半の華麗な“ルーレット”、後半の3人抜きなど柏DFを翻弄したドリブルは素晴らしかった。
9 レアンドロ・ダミアン 6.5(86分OUT)
前線で身体を張り、起点になる。52分には脇坂のCKにニアで豪快に合わせてリードを3点に広げる貴重なゴールを奪った。
交代出場
DF
2 登里享平 6.5(16分 IN)
ジェジエウの負傷による急遽の出場にも動じず、質の高いプレーを披露。家長の2点目は彼のパスカットが起点だった。
FW
30 旗手玲央 5.5(61分 IN)
登里を除けば、最初の交代カードと指揮官からの高い信頼は感じられる。ただ、アピールとはいかなかった。
MF
10 大島僚太 6.5(61分 IN)
この日はベンチスタートだった司令塔は61分に登場。試合の流れを読みながらパスを蹴り分けた。
MF
19 齋藤 学 ―(86分 IN)
残り時間が少ないなかでピッチへ。必死にボールを追い味方を助けた。ただ敵陣で仕掛ける回数は限られた。
FW
20 宮代大聖 -(86分 IN)
3点をリードし、試合を締めにかかっていた時間での出場だっただけに、ボールがなかなか回って来ず。目指していたシュートも打てなかった。
監督
鬼木 達 6.5
中2日でのゲームとあって先発を3人入れ替え。ジェジエウの負傷交代にも見舞われた。それでもいつも口にしている“自分たちがやれることをやる”を徹底し、勝利につなげる。中断期間での周到な準備が好調につながっている。
※MAN OF THE MATCH=取材記者が選定するこの試合の最優秀選手。
※採点は10点満点で「6」を及第点とし、「0.5」刻みで評価。
※出場時間が15分未満の選手は原則採点なし。
【チーム採点・寸評】
柏 4.5
手堅い守備から相手の隙を突くゲームプランを練っていたはず。しかしネルシーニョ監督が試合後に振り返ったように、奪ったあとのクオリティが足りず。後半のサッカーを前半から見せたかった。
【柏|採点・寸評】
GK
17 キム・スンギュ 5
悔しい3失点も、どれもマークが甘くなったところを打たれており、セーブは難しいもの。それよりもフィードがズレる場面があったのが気になった。
DF
13 北爪健吾 4(HT OUT)
序盤こそ粘り強く守ったが、時間を経るごとに長谷川や登里の対応に苦慮。42分にはパスを奪われ、失点につながった。
15 染谷悠太 4.5(64分OUT)
42分には家長のシュートをブロックし切れず、股の間を通ったボールはネットに吸い込まれた。苦しい対応が目立ち始めた64分にベンチに下がった。
2 鎌田次郎 5
対人の強さを示し、L・ダミアンをマークしたが、1失点目の場面では相手に上手く身体をぶつけられてしまったか。試合後には「今日は川崎のほうが一枚上だった」と悔しさを滲ませた。
4 古賀太陽 5
前半は本職の左SB、後半は逆サイドの右SBでプレー。後半は不慣れなポジションだったこともあるが、試合を通じてフィードが安定しなかった。
MF
28 戸嶋祥郎 4.5(HT OUT)
よく走って相手に食らい付いた。それでも奪ったボールを効果的に攻撃につなげられず、前半のみで交代に。
8 ヒシャルジソン 5
“潰し屋”という言葉がピッタリのガツガツしたディフェンスで相手にアタック。ただ上手くいなされるシーンも少なくなかった。攻撃のスピードを上げる縦パスも入れられず。
MF
18 瀬川祐輔 5(73分OUT)
インサイドハーフでプレーし、守備に追われる時間が長かった。推進力のある持ち上がりは鳴りを潜めたまま。3失点目の場面はL・ダミアンの動きに反応し切れず。
FW
10 江坂 任 5
攻撃のキーマンも守備に戻り、深い位置からのスタートでは期待された仕事をできず。2失点目は北爪からのパスを目の前でカットされ、ゴールにつなげられた。呉屋のゴールの場面はニアに飛び込んでDFをかく乱させる。
14 オルンガ 4(HT OUT)
パスが前線に回ってこなかったのは大きなエクスキューズだ。もっともコンディションが悪いのか可動範囲が非常に狭く、精彩も欠いた。
39 神谷優太 5.5
ボールを引き出し、自ら仕掛けようとする意識は感じられた。その意味ではポジティブな印象も受けた。呉屋のゴールの起点にも。
交代出場
DF
20 三丸 拡 6(HT IN)
好クロスで呉屋のゴールをアシスト。積極的にオーバーラップした姿は、今後の明るい材料に映った。
FW
33 仲間隼斗 5.5(HT IN)
インサイドハーフとしてドリブルで持ち上がり、局面を打開しようと模索。しかし奏功しない場面も見られた。
FW
19 呉屋大翔 6(HT IN)
三丸のクロスに詰めて一矢報いるゴールを決める。その後もフリーランを繰り返すも、ボールが出てこなかった。一方、3失点目のシーンではL・ダミアンに上手く前に入られた。
DF
3 高橋祐治 5.5(64分 IN)
周囲に指示を送りながらチームを鼓舞。ビハインドを負うチームを盛り立てようとしたが、結果にはつながらず。
MF
22 マテウス・サヴィオ 5.5(68分IN)
左サイドからゴールを目指す。シュート1本も放ったが、川崎守備陣を攻略するには時間が足りなかった。
監督
ネルシーニョ 4
試合後には「ボールを奪った後のクオリティが足りなかった」とコメント。ハーフタイムに3枚替えという荒治療に出て1点を返すも、川崎対策が機能したとは言い難かった。リーグ再開後はまさかの3連敗。中断期にトレーニングマッチを組まなかった選択が裏目に出たか。チームを浮上させる策を講じたい。
※MAN OF THE MATCH=取材記者が選定するこの試合の最優秀選手。
※採点は10点満点で「6」を及第点とし、「0.5」刻みで評価。
※出場時間が15分未満の選手は原則採点なし。
取材・文:本田健介(サッカーダイジェスト編集部)
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