見どころ・戦評
[J1リーグ5節] 柏3-2湘南/7月18日(土)/三協フロンテア柏スタジアム
【チーム採点・寸評】
柏 6.5
ボールを奪ってから前へ出ていく意識が強く、前半で2点を連取。後半は押し込まれる時間帯もあり湘南の追撃を受けたが、3-2で逃げ切り再開後初勝利を飾った。
【柏|採点・寸評】
GK
23 中村航輔 6
最後尾から絶え間ないコーチングでチームを鼓舞するとともに、陣形に指示を出す。2失点こそ許したが、石原直のヘッドを食い止めるなど驚異的なセーブも見せた。
DF
4 古賀太陽 5.5
マッチアップした鈴木のドリブルの対応に苦しむ。さらに1失点目は石原直のマークを外してしまい、2失点目ではジャンプのタイミングを誤るなど、2つの失点に絡んでしまった。
3 高橋祐治 6
空中戦の強さや、対人の部分では安定したプレーを見せていた。ただ、最初の点目では古賀との連携が合わず、最後は松田を掴み切れなかった。
25 大南拓磨 6
今季初出場だったが試合勘の問題は感じさせず、湘南の背後へ抜けるプレーにしっかり対応。潰しも早く、ビルドアップでは高橋、中村と連携してハイプレスをいなす。
20 三丸 拡 6
最後の精度こそ欠いたものの、積極果敢な攻め上がりとクロス供給でチームの攻撃に縦の推進力を与えた。CKで石原直のマークを放してしまったことだけがマイナス点だ。
MF
7 大谷秀和 6(81分OUT)
気の利いたポジショニングで味方からパスを引き出し、的確な予測で相手の攻撃の芽を摘むなど、冷静な舵取りを見せた。
8 ヒシャルジソン 6
球際の激しいコンタクトで何度かファウルを取られたが、中盤での潰しは効果的だった。ボールを持てば積極的に縦に仕掛け、攻撃の推進力を生んだ。
39 神谷優太 6.5
オルンガの先制点と仲間の決勝点をアシストした2本のピンポイントクロスでチームの勝利に貢献。判断ミスからのボールロストがなければ、より多くのチャンスを作れていたはず。
MF
10 江坂 任 6.5(76分OUT)
様々なエリアでボールを収め、攻撃の起点として抜群の存在感を発揮した。得点・アシストはなかったが、決勝弾は江坂のランニングがCB2枚を引き寄せたことで仲間がフリーになった。
MAN OF THE MATCH
33 仲間隼斗 7
球際の攻防では泥臭くボールを奪い取り、守備の献身性と前に出ていく攻撃の意識も高かった。44分にはボックス内で仕掛けてPKを獲得し、70分には冷静かつ鮮やかなシュートで決勝弾を決めた。
FW
14 オルンガ 7
後半は決定機を外してハットトリックは逃したものの、3連敗中よりも明らかにアクションが増え、開幕戦以来の2得点で復活を印象づけた。
交代出場
FW
19 呉屋大翔 ―(76分IN)
運動量が落ちてきた終盤、前線の動き出しで湘南の守備陣を撹乱。86分に坂からボールを奪って抜け出した場面はパスを選択したが、シュートを狙っても良かったか。
MF
27 三原雅俊 ―(81分IN)
投入後に1点差に詰め寄られたが、中盤でバランスを取り試合をクローズさせるミッションを遂行した。
監督
ネルシーニョ 6.5
初スタメンに抜擢した仲間が決勝点を決めるなど、前節から6選手を入れ替えた采配が奏功。3連敗を見直して戦術の修正を図り、再開後初勝利に結びつけた。
※MAN OF THE MATCH=取材記者が選定するこの試合の最優秀選手。
※採点は10点満点で「6」を及第点とし、「0.5」刻みで評価。
※出場時間が15分未満の選手は原則採点なし。
【チーム採点・寸評】
湘南 5.5
前半は攻め手がなく、2点を失う苦しい展開も、後半は選手交代で息を吹き返した。ただ、終盤の決定機を生かせず、追撃はあと一歩及ばなかった。
【湘南|採点・寸評】
GK
1 富居大樹 5.5
3失点を許したが責任は問えず。むしろ前半最初のピンチではあわやオウンゴールという場面をストップし、オルンガの抜け出しにも素早く反応し、しっかりと対応していた。
DF
6 岡本拓也 5.5(84分OUT)
スペースを支配してボールを収める江坂と、そこに運動量の多い仲間が絡むことで、マークを掴みきれない様子だった。
4 坂 圭祐 6
オルンガの対応に手こずりはしたが、フィジカル面で勝る相手に対しては駆け引きをしながら、流れの中からの得点を許さなかった。
8 大野和成 5.5
19分にはオルンガに一瞬でマークを剥がされたことが原因で失点を献上。しかし、それ以外では攻守において安定しており、反撃の1点は大野のパスが起点だった。
MF
38 石原広教 5(HT OUT)
前半は仲間と三丸の攻撃に後手を踏み、何度も背後を取られた。44分には仲間を倒してPKを与えてしまい、前半のみで交代となった。
16 齊藤未月 6
後半は幅広いポジショニングで攻撃に流動性を生む手助けに。63分の得点に繋がる、中盤のターンで大谷を外したプレーは見事と言わざるを得ない。。
23 茨田陽生 5.5(HT OUT)
江坂、仲間、大谷の素早いプレスによって、アンカーポジションで期待されたパス供給は鳴りを潜めた。
18 松田天馬 6
後半はゾーンの間に顔を出し、味方からのパスを引き出すことで攻撃にリズムを与える。63分にはクロスに対してゴール前へ飛び込み、中村の弾いたボールをヘッドで詰めた。
28 鈴木冬一 6
左サイドでの仕掛けは前半から際立ち、マッチアップした古賀を翻弄。83分にはCKから石原直の得点をアシストした。
FW
11 タリク 5.5(59分OUT)
攻撃では良い形でボールを受けられず、守備でも前からスピードに乗ったプレスを見せるも、柏のビルドアップに剥がされてしまった。
14 中川寛斗 5.5(77分OUT)
猛烈なるハイプレスで守備のスイッチを入れただけでなく、味方からボールを引き出す動きは攻撃に円滑さをもたらした。足を取られてカウンターを浴び、3失点目を許したことは悔やまれる。
交代出場
MF
2 金子大毅 6(HT IN)
後半から入ると柏の中盤守備に的を絞らせず、パスの供給源として機能。劣勢だった前半の流れを変えた。
MF
5 古林将太 6(HT IN)
前半はイニシアチブを握られていたサイド攻撃だったが、三丸を牽制して主導権を握り返す。63分の左足のピンポイントクロスで得点にも絡んだ。
FW
13 石原直樹 6.5(59分IN)
力強いプレーと、マークを外す駆け引きの上手さを見せ、2ゴールに絡んだ。89分には同点のチャンスを迎えるも、難しい体勢でのシュートはGKの正面を突いた。
MF
10 山田直輝 ―(77分IN)
85分の指宿の落としを狙ったシュートは、フリーで放っただけに決めて欲しかった場面だった。
FW
9 指宿洋史 ―(84分IN)
出場時間は限られていたが、それでも85分には高橋と古賀に挟まれながらも、山田にボールを落としてビッグチャンスを作った。
監督
浮嶋 敏 5.5
ハーフタイムの2枚替えと、59分の石原直の投入でそれまでの劣勢だった流れを一変させた。それでも追い付くには至らず、開幕から未勝利が続く。
※MAN OF THE MATCH=取材記者が選定するこの試合の最優秀選手。
※採点は10点満点で「6」を及第点とし、「0.5」刻みで評価。
※出場時間が15分未満の選手は原則採点なし。
取材・文●鈴木 潤(フリージャーナリスト)
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