見どころ・戦評
[J1リーグ7節]柏 5-1仙台/7月26日/三協F柏
【チーム採点・寸評】
柏 7.5
序盤は攻め込まれたがゴール前で身体を張ってシュートブロックして防ぎ、しかも前がかりになった相手の裏を突いてカウンターで先制。失点後に仙台の勢いに押され気味になったかと思えば、逆に前からプレスをかけてきた相手の背後を攻略して加点した。ポゼッションでゲームをコントロールする時間帯もあって、まさに試合巧者だった。
【柏|採点・寸評】
GK
23 中村航輔 6
48分に味方のミスをカバーしきれず失点したが、その他のプレーは良かった。特に味方への指示の声を絶やさなかった点を称賛したい。おかげで守備が大崩れしなかった。
DF
4 古賀太陽 5.5(89分OUT)
48分の失点前のシーンでは赤﨑に対して詰める距離が甘く、簡単にクロスを上げさせてしまった。粘り強く守った場面もあったものの、一瞬の隙を突かれてしまった。
3 高橋祐治 6
ビルドアップが安定していて、クロスをよく撥ね返し、要所でのカバーリングも光った。
25 大南拓磨 5.5
48分に低弾道のクロスを頭で弾こうとしてクリアミス。すかさず、こぼれ球を西村に拾われ、失点してしまった。
20 三丸 拡 6.5
1対1でジャーメイン(前半で交代)を抑え、攻撃では果敢にオーバーラップ。敵将の木山監督が「(前半は)右サイドの攻撃でやりたいことができていなかった」と悔やむほど、特に前半は好パフォーマンスを見せた。
MF
27 三原雅俊 6.5
適材適所に局面を変える正確なサイドチェンジがかなり効いていた。73分にオルンガのゴールを演出した鋭い縦パスも秀逸だった。
7 大谷秀和 6.5
ポジショニングが常に良いため、何度もピンチの芽を摘んでいた。40分には少し強かったが右サイドの瀬川にスルーパスを送り、そこから2点目が生まれた。
39 神谷優太 6(38分OUT)
開始早々にFKで相手ゴールを脅かす。その後もアグレッシブにチャレンジ。34分には江坂のパスに反応してゴール前に飛び込むも、相手DFと接触して倒れ、そのままプレーを続行できず交代した。
MAN OF THE MATCH
10 江坂 任 7.5
20分、引き付けた相手DFふたりの間を射抜く浮き球のスルーパスで、仲間のゴールをアシスト。58分にはオルンガに絶妙なスルーパスを送って3点目を演出した。ネルシーニョ監督が「奪ってからカウンターやショートカウンターに出ていく際のターゲット。戦術的にも技術的にも非常に高いパフォーマンスを見せてくれた」と絶賛したとおり、アシストの他にも常に重要な働きをしていたのでMOMに選出した。
33 仲間隼斗 7(84分OUT)
20分に江坂のお膳立てに合わせた先制ゴールは、冷静なシュートはもちろんだが、斜めのランニングが素晴らしかった。守備でもよく走っていた。
FW
14 オルンガ 7.5
40分に瀬川のクロスを頭で合わせてネットを揺らし、58分には江坂のスルーパスに反応して2点目をゲット。73分にはゴール前で三原の縦パスを受け、巧みなタッチから3点目を奪う。62分のPKを決めていればMOMに選んでいたが、それでもハットトリックのハイパフォーマンスは大いに評価したい。
交代出場
FW
18 瀬川祐輔 7(38分IN)
途中出場後すぐにオルンガのゴールをアシスト。右サイド裏に出されたスルーパスが強くても、なんとか残してクロスを上げ、得点につなげたファインプレーだ。86分にはルーズボールを拾ってペナルティエリア手前までドリブルで持ち込み、コントロールショットをゴール右に決めた。
MF
28 戸嶋祥郎 ―(84分IN)
途中出場して常にアクティブに動き回り、84分にはバイタルエリアでパスを呼び込む。ここでは相手DFに潰されたが、こぼれ球が瀬川の得点につながった。
DF
24 川口尚紀 ―(89分IN)
短い時間のなかでも、1対1の守備で冷静な対応をしていた。
監督
ネルシーニョ 7
神谷のアクシデントにより急遽、投入した瀬川が1ゴール・1アシストを決め、84分に途中出場した戸嶋も5点目に絡む。交代カードがきっちり活躍した見事な采配だった。
【チーム採点・寸評】
仙台 3.5
最終ラインで意思疎通ができていない。例えば1失点目は数的優位だったのにもかかわらず、江坂へのマークが被っている。4失点目では、4バックの位置がバラバラでラインが揃っておらず、空いたスペースを使われた。統率なき緩い守備では大量失点も当然だろう。
【仙台|採点・寸評】
GK
24 小畑裕馬 3.5
62分のPKセーブもかすむ大量5失点。どれもセービング能力が及ばず、相手のシュートスキルのほうが上回っていた。
DF
4 蜂須賀孝治 3(HT OUT)
1失点目のシーンでは仲間のランニングについていけていなかった。23分にはバックパスを相手にカットされてピンチになるなど、精彩を欠いていた。
16 吉野恭平 3
20分には先制点をアシストした江坂に寄せる距離が甘く、40分にはオルンガのマークを見失って失点。58分には、またもオルンガに今度は股を抜かれて得点を許した。
39 金 正也 3
40分と73分に瀬川のマークを見失って対応が遅れ、どちらもそのシーンの流れから失点につながってしまった。
36 柳 貴博 5.5
前半は左SB、後半は右SBでプレー。26分には鋭いミドルシュートで相手ゴールを脅かすなど積極性を見せたが、決定機には絡めなかった。
MF
5 椎橋慧也 4
江坂を自由にさせすぎだっただろう。58分に激しくチャージしたかと思えば、逆に当たり負けして倒れてフリーにさせ、3失点目へとつながった。
18 道渕諒平 5(67分OUT)
積極的にギャップに顔を出してパスワークを円滑にしていたが、決定的な仕事はできなかった。
37 中原彰吾 5(63分OUT)
特に序盤は多くのボールに絡んでいたものの、そのプレーエリアが低い位置だっため、相手にとっては脅威ではなかっただろう。
FW
19 ジャーメイン良 4(HT OUT)
マッチアップした三丸のハードなチャージに苦しみ、徐々に存在感を失って前半で交代となった。
11 赤﨑秀平 5.5(79分OUT)
48分には左サイドの裏に抜け出し、クロスから西村のゴールを演出。得点に絡んだものの、“消えている”時間も長かった。
29 アレクサンドレ・ゲデス 4.5
6分、右サイドからのクロスを頭で合わせるも、シュートは枠の外。オフ・ザ・ボールの動きの量が少なく、その他に目立ったチャンスは少なかった。
交代出場
FW
15 西村拓真 6(HT IN)
途中出場してすぐにゴールをゲット。ゴール前のこぼれ球に素早く反応した、ストライカーらしい得点だった。
DF
14 石原崇兆 5(HT IN)
守備時の1対1では軽率な対応が目についた。攻撃では効果的な攻め上がりをできていなかった。
MF
7 関口訓充 5(63分IN)
高い技術を見せつけたものの、ゲームの流れを変えることはできなかった。
FW
20 長沢 駿 5(67分IN)
巧みな動き出しからゴールに迫ったが、相手DFの対応に手を焼いていた。
DF
13 平岡康裕 -(79分IN)
86分のシーンでは、戸嶋との球際のバトルでスライディングする必要があったのか疑問符が付く。結果的にはこぼれ球を瀬川に拾われて、そこから失点している。
監督
木山隆之 4
交代カードの西村がゴールと采配が的中したが、統率が取れていない最終ラインの修正は必要だろう。
※MAN OF THE MATCH=取材記者が選定するこの試合の最優秀選手。
※採点は10点満点で「6」を平均とし、「0.5」刻みで評価。
※出場時間が15分未満の選手は原則採点なし。
取材・文●志水麗鑑(サッカーダイジェスト編集部)
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