見どころ・戦評
[J1リーグ8節]横浜FC 0-2 広島/8月1日/ニッパツ
【チーム採点・寸評】
横浜FC 5
自陣の守備で、マークの受け渡しの粗が目立つ。特に象徴的なのが2失点目で、左右に揺さぶられた流れで、誰もD・ヴィエイラをケアできていなかった。4バックに変更した後半に反撃したとはいえ、その優勢の時間帯にチャンスを決め切れず、劣勢の前半に耐えられないと苦しい。
【横浜FC|採点・寸評】
GK
18 南 雄太 5
どちらの失点も相手のシュートが上手かったか。欲を言えば、積極的な飛び出しでシューターに圧力をかけ、シュートコースを狭められれば良かったが……。
DF
5 田代真一 5(HT OUT)
先制点を許したシーンでは、味方への指示もなく、誰をマークすることもなく、曖昧なポジショニングだった。よって自身のゾーンから失点している。
4 小林友希 5
リベロに必要なカバーリングの意識が希薄だった。75分には永井との1対1で、フェイントでかわされていた。
26 袴田裕太郎 5.5
前半は左ストッパー、後半は左SBでプレー。後半の立ち上がりには果敢に攻め上がってクロスを上げ、シュートも狙った。DFとして失点は悔やまれるが、守備で致命的なミスもなかった。
MF
8 佐藤謙介 5(HT OUT)
1失点目の場面では、森島をマークしていたが身体を入れ替わられてゴールを許した。時間帯によっては2枚のシャドーをほぼひとりでケアしている状況だった影響もあり、苦戦しているようだった。
3 マギーニョ 5.5
球際をよく戦っていた。良いディフェンスもあったものの、自慢の攻撃力は影を潜めた。
37 松尾佑介 5.5(74分OUT)
14分のミドルシュートは惜しくも枠の外。その後もドリブルで果敢に仕掛けたが、絶好機につなげることはできなかった。
30 手塚康平 5.5
随所に高度なテクニックを魅せたものの、それは局面を変えたり、チャンスにつなげられたプレーではなかった。
7 松浦拓弥 5
対峙した佐々木のハードなディフェンスに苦しんだ印象。オフ・ザ・ボールの動きで工夫も少なく、存在感は薄かった。
FW
23 斉藤光毅 5(85分OUT)
前線で身体を張り、ドリブルも仕掛けたが、この日は広島の守備陣に抑えられた。守備時にサイドへ回った影響もあったか。
16 皆川佑介 5(HT OUT)
きっちりポストプレーをできたのは数回程度。荒木とのマッチアップにほぼ完敗で、最前線で起点を作れなかったことが前半の劣勢に大きく響いた。
交代出場
FW
9 一美和成 6(HT IN)
最前線で身体を張ってポストプレー。おかげでチームが前半より攻勢を強められた。
MF
6 瀬古 樹 5.5(HT IN)
ギャップに顔を出して面白いポジションを取っていたが、良いパスは出てこなかった。
DF
29 星キョーワァン 5(HT IN)
エアバトルで強さを発揮。しかし、パスミスもあり、判断力にはまだ課題が残る。
MF
40 レアンドロ・ドミンゲス 6(74分IN)
77分にはミドルを放ち、CKを獲得。そのセットプレーでキッカーを務め、精度の高いボールを供給してチャンスに絡んだ。82分のシュートも惜しかった。
FW
25 草野侑己 ―(85分IN)
87分には良い動き出しをしていたものの、相手に未然に防がれた。
監督
下平隆宏 5
ハーフタイムの3枚代えで反撃も、ゴールまでにはつながらず。選手交代の采配うんぬんよりも、ゲームでは劣勢の時間帯はつきものなので、自陣(特にゴール前)での守備の修正は必要だろう。
【チーム採点・寸評】
広島 7
前半はポゼッションで敵陣に押し込み、ボールロストしてもハイプレスで奪い返した。ゲームの主導権を握るなかで相手の裏を突くタイミングも良く、先制点も見事な崩しだった。後半は劣勢に立たされたものの、ゴール前で身体を張って耐え、無失点に抑えた。
【広島|採点・寸評】
GK
38 大迫敬介 6
クロス対応や飛び出しで積極性を出し、この日はそれが効いていた。指示の声もよく響いていた。
DF
2 野上結貴 6
積極的に攻め上がり、守備でも1対1で強さを発揮した。危機察知能力や球際でのフィジカル勝負でも、さすがの実力を見せていた。
23 荒木隼人 6.5
マッチアップした皆川(前半で交代)にほとんど仕事をさせなかった。おかげでチームが2点先取した前半に守備の時間を短くし、長く攻撃できた。
19 佐々木翔 6
前節は精彩を欠いていた印象だったが、この日はハードなディフェンスを取り戻した。ビルドアップも安定していて、攻撃面のパフォーマンスも評価できる。
MF
MAN OF THE MATCH
6 青山敏弘 7
ショートパスで細かくつないで敵を引きつけ、正確なロングフィードでサイドチェンジ。攻撃を組み立てるセンスは抜群だった。37分にはペナルティエリア手前の右側からピンポイントクロスでD・ヴィエイラのゴールをアシスト。ゲームの主導権を握れた最大の立役者で、ゴールにも絡んだためMOMに選んだ。
8 川辺 駿 6.5
2列目からの飛び出しで相手の守備を崩しにかかった。その後のパスも冴えていて、チャンスメーカーとして躍動した。最終ラインをサポートして守備でも貢献。まさに無尽蔵のスタミナだった。
25 茶島雄介 6(74分OUT)
15分には味方とのワンツーから敵陣深くまで抉った。アグレッシブな仕掛けで右サイドの攻撃を活性化した。
50 藤井智也 6(60分OUT)
左サイドの裏を積極的に狙い、足もとでパスをもらえばスピードを活かしてドリブルでチャレンジした。味方とのコンビネーションも良かった。
MF
10 森島 司 7(74分OUT)
22分、右サイドから斜めに走り、左サイドの裏を突く。ブロックにきた相手DFと巧みに入れ替わり、相手GKとの1対1も冷静に制した。得点はもちろんだが、チームとしてショートパスをつないでいるなかで、3人目の動き出しを狙った判断が素晴らしかった。
24 東 俊希 6.5
8分、ゴール前で絶好機を得るも、シュートはミートせず。18分のCKからのヘディングシュートもバーの上へ。もっとも、22分には絶妙な浮き球のスルーパスで森島のゴールをアシストした。48分にはハーフウェイライン付近から、バー直撃の超ロングシュートで会場を沸かせた。
FW
9 ドウグラス・ヴィエイラ 7(51分OUT)
最前線で縦パスやクリアボールなど多種多様なボールをほとんど収めた。チームのポゼッションが機能したのは、このポストプレーヤーのおかげだ。さらに38分には右サイドからのクロスを胸でトラップし、綺麗なハーフボレーをゴール右に叩き込んだ。51分には足を痛めて交代。怪我さえなければMOM級のパフォーマンスだった。
交代出場
FW
20 永井 龍 6(51分IN)
前線からプレスをかけ、また、多くのボールを呼び込んだ。75分には秀逸なフェイントで右サイドを突破し、クロスからチャンスを演出した。
MF
18 柏 好文 6(60分IN)
怪我から復帰して30分プレーし、81分には正確なサイドチェンジもあった。
MF
44 ハイネル 5.5(74分IN)
80分には鋭いクロスを上げるも、相手DFに弾かれた。85分には守備が遅れて警告を受ける。
MF
14 エゼキエウ 5.5(74分IN)
技術の高さは見せたものの、守備時のポジショニングでまだ迷いがある印象だった。
監督
城福 浩 6.5
「ドウグラス(・ヴィエイラ)が(足を)痛めたことはちょっと計算外」だったようだが、交代カードを切りつつ、見事に2点のリードを守り切った。
※MAN OF THE MATCH=取材記者が選定するこの試合の最優秀選手。
※採点は10点満点で「6」を及第点とし、「0.5」刻みで評価。
※出場時間が15分未満の選手は原則採点なし。
取材・文●志水麗鑑(サッカーダイジェスト編集部)
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