見どころ・戦評
[J1第9節]川崎2-0大分/8月8日/等々力
【チーム採点・寸評】
川崎 7
前からの果敢なプレスで相手を押し込むと、ミスを誘発させて前半で2点のリード。シュート数は14対1と圧倒し、特に後半は相手のシュートは0本と、まさにワンサイドゲームを展開。強さを改めて証明する内容でリーグ8連勝を飾った!!
MOMはゴールと技術力、守備でも走った三笘、チャンスをキッチリ決めたL・ダミアンも候補も、大分をシュート1本に抑え込んだ守備陣のリーダーを選出したい。
【川崎|採点・寸評】
GK
1 チョン・ソンリョン 6
ピンチらしいピンチはなし。前半に一本、登里に合わないフィードはあったものの、次の展開を考えたパスも多く、冷静にゴールを守った。
DF
17 ジオゴ・マテウス 6
新助っ人SBは嬉しいJリーグデビュー。前半は抑え気味だったが、プレースキッカーも務めた後半は積極的に前へ。後半開始早々に同胞L・ダミアンに送ったセンタリングはあったが、自慢のクロスを今後はより味方に合わせたい。
4 ジェジエウ 6.5
快足を活かしたカバーリングは、もはや川崎の“新名物”! 危機察知能力も高く、相棒の谷口と堅固な壁を築いた。フィジカル勝負でも圧巻の強さ。
MAN OF THE MATCH
5 谷口彰悟 7
ディフェンスリーダーとして出色の出来。ファウルを取られるシーンはあったが、力強く相手に対応し、自由を奪い続けた。誰よりも声を出していた姿も印象的で、キャプテンとしてチームを牽引した。チームとして前線からの守備の意識の高さはあったとはいえ、試合を通じて主導権を握れたのは、ジェジエウ、登里、田中らとともにこの男がピンチの芽を的確に摘んだからこそ。
2 登里享平 6.5(87分OUT)
谷口とともに周囲に声をかけながら“影の司令塔”としてチームをコントロール。パスを受けて捌きながらリズムを作り、粘り強い守備も。リーグ戦初先発の三笘を後方から支えた。
MF
25 田中 碧 6.5
力強い前へのディフェンスで大分にプレッシャーをかけ続けた。球際の強さも光り、中盤の強度をグッと引き上げた。66分に大島のヒールパスに抜け出して放ったシュートは惜しくもクロスバーに嫌われるも躍動感があった。
10 大島僚太 6.5(77分OUT)
トラップ、パスの精度はこの日も抜群で、周囲と連係しながら守備組織も機能させた。後半の途中からはより前でプレーし、チャンスを演出。特に前出の66分に田中に送ったヒールパスは秀逸!! 視野の広さも相変わらずだった。
MF
8 脇坂泰斗 6.5(62分OUT)
動きを止めずに周囲に絡み、三笘のゴールをアシスト。ボールを奪い返した瞬間に巧みにポジションを取って攻撃の起点になった。ただ62分の早めの交代はやや消化不良か。
FW
11 小林 悠 6(62分OUT)
動きにキレがあり、右ウイングでのプレーも、上手くゴール前に飛び込んだ。ただ得点は奪えず。ストライカーとしては不完全燃焼のはず。
18 三笘 薫 7(77分OUT)
リーグ戦での初先発を務め、開始5分に3日前のルヴァンカップ・鹿島戦に続くゴールをマーク。「ミスキック」だったと振り返るも、ルーキーながら公式戦3点目と“持っている”男ぶりを発揮。この日は課題と語っていた守備でもよく走った。
9 レアンドロ・ダミアン 7
24分に追加点。相手のパスミスを見逃さずに、エリア内に侵入すると、DFを冷静なキックフェイントでかわしてフィニッシュ。ゴールパフォーマンスはこの日が誕生日の息子に捧ぐダンス。
交代出場
FW
30 旗手玲央 6(62分 IN)
当初は小林との交代で右ウイングに入り、その後はインサイドハーフとしてもプレー。柔らかいボールタッチでキープして時間を作るなど、ルーキーFWはセンスの高さを改めて示す。右サイドで組んだD・マテウスに話しかけ、意思を擦り合わせるシーンも。
MF
6 守田英正 6.5(62分 IN)
86分にワンタッチで宮代へ出したパスなど、フィード力を大いにアピール。的確なポジショニングで相手に反撃のチャンスを与えず、クリーンシートにも寄与した。
FW
20 宮代大聖 ―(77分 IN)
83分には良いリズムで右サイドからカットインしてシュート。ボールはバーの上を越えるが、20歳のFWは徐々に“らしさ”を出せるようになってきた。
MF
19 齋藤 学 ―(77分 IN)
味方とあと一歩、合わない場面があったが、運動量豊富に左サイドを動き回った。本領発揮は次戦以降に期待。
DF
7 車屋紳太郎 ―(87分 IN)
2-0の状況でピッチへ。左SBとして無理をせず、試合を締める任務を遂行。無失点勝利に貢献した。
監督
鬼木 達 7
大分のビルドアップをしっかりスカウティングし、指示を送りながら主導権を握る。7連勝中の勢いを活かしつつ、後半はワンサイドゲームを展開。手応えのある勝利を掴んだ。
※MAN OF THE MATCH=取材記者が選定するこの試合の最優秀選手。
※採点は10点満点で「6」を及第点とし、「0.5」刻みで評価。
※出場時間が15分未満の選手は原則採点なし。
【チーム採点・寸評】
大分 4
連戦の疲れからか大分らしい後方からのビルドアップを見せられず、ミスも重なり2失点。後半はシュート0本と非常に苦しい戦いだった。
【大分|採点・寸評】
GK
22 ムン・キョンゴン 4
1失点目は逆を突かれたか。三笘が「ミスキックだった」と話したシュートをセーブできず。めげずにその後もゴールを守るも、危なっかしいパスもあった。
DF
3 三竿雄斗 5(62分OUT)
マッチアップする機会の多かった小林、脇坂らの動きに後手を取った印象。空中戦や対人の強さは見せた。43分にはCKから島川のチーム唯一のシュートにつないだ。
5 鈴木義宜 5
24分にはカバーリングに走るも、スライディングをかわされてL・ダミアンに決められた。守備リーダーとして相手の攻撃を撥ね返せず。
41 刀根亮輔 5
先制点を奪われた場面では脇坂につり出され、小出とともに三笘に寄せるも目の前で決められた。もう少し縦パスも送りたかった。
MF
15 小出悠太 4(62分OUT)
相手のプレスを受けながらボールが回ってきた面もあったが、パスミスを奪われて相手に追加点を許す。上下動してパスコースを作るも挽回するまではいかなかった。
2 香川勇気 5
左ウイングバックで推進力を生み出したかったが、奏功せず。自陣に押し込まれる時間が長かった。
4 島川俊郎 5(85分OUT)
ビルドアップ時は最終ラインに落ちてパス回しに参加し、守備時はバイタルエリアを埋める。難しい役回りを消化しきれなかった印象。CKからヘッドでチーム唯一のシュートは放った。
MF
40 長谷川雄志 4.5
ポゼッション時はアンカーのような立ち位置でボールを引き出すもリズムを作れず。もっと思い切ったパスを狙いたかった。システム上のキーマンだけに彼を起点にボールが回らないと辛い。
11 田中達也 5.5(85分OUT)
シャドーながら巧みにポジションを変えてボールを受け、得意のドリブルで前への意識は感じさせた。ただ、単騎では川崎の守備陣を崩すことはできなかった。
16 渡 大生 4(55分OUT)
2点目を奪われた場面では小出のパスを後方にスルーするも、L・ダミアンに奪われた。42分の髙澤のクロスにも合わず、アタッカーとして悔しい出来。
FW
31 髙澤優也 4.5
ジェジエウ、谷口の激しい守備を受けてボールを収められず。見せ場は42分に渡りに送ったクロスくらいか。
交代出場
MF
25 小林成豪 5(55分 IN)
1枚目の交代カードとしてピッチへ。攻撃を活性化させたかったが、敵陣でなかなかボールを持てなかった。
MF
23 高山 薫 5(62分 IN)
右ウイングバックとしてプレー。タッチライン際でトラップをミスするなど、チームを落ち着かせられなかった。
FW
27 三平和司 5(62分 IN)
精力的にボールを追うも、攻撃にはつなげられず。本来ならもっと高い位置でプレーしたかった。
FW
18 伊佐耕平 ―(85分 IN)
残り5分少々では決定機的な仕事はできず。0-2のまま試合終了のホイッスルを聞いた。
MF
26 佐藤和弘 ―(85分 IN)
ボールを奪い、反撃の糸口を見つけたかったが、出場時間が短かった。アピールできず。
監督
片野坂知宏 4
連戦で厳しい台所事情を強いられる。これでリーグ戦は5連敗。しかもその5試合で計15失点。立て直しの策を見つけたい。
※MAN OF THE MATCH=取材記者が選定するこの試合の最優秀選手。
※採点は10点満点で「6」を及第点とし、「0.5」刻みで評価。
※出場時間が15分未満の選手は原則採点なし。
取材・文:本田健介(サッカーダイジェスト編集部)
Jリーグ各クラブの最新情報はアプリで!