見どころ・戦評
[J1リーグ10節]柏 1-3 C大阪/8月15日/三協F柏
【チーム採点・寸評】
柏 5.5
猛攻を仕掛けながらも相手の守備を崩せず、一方で一瞬の隙を突かれて3失点。上位対決で「決定力」と「一瞬の隙」という課題が浮き彫りになった。確かに「相手よりも多くのチャンスを作った」(ヒシャルジソン)が、「結果は真摯に受け止めないといけない」(ネルシーニョ監督)だろう。
【柏|採点・寸評】
GK
23 中村航輔 5
B・メンデスのコースの良いシュートに手が届かず。87分には西川に鮮やかなループ弾を決められてしまった。
DF
6 高橋峻希 5(83分OUT)
31分にはオルンガへ精度の高いクロスを送って決定機に絡む。だが、54分にコントロールミスを取り返そうとしてファールし、そのFKで失点した。
3 高橋祐治 5.5
縦パスやロングボールが入れば、ハードなチャージで相手FWに自由を与えなかった。ロングフィードも正確だった。個人のパフォーマンスは悪くなかったが、最終ラインの一角として3失点は悔やまれる。
4 古賀太陽 5
立ち上がりにB・メンデスに翻弄されて失点し、55分のセットプレーではオウンゴール。主戦場ではないCBで前後半ともに立ち上がりが悪かった。
20 三丸 拡 5
何度も左サイドをスプリントし、高精度のクロスを送り続けた。3失点目のシーンでは、もっと危機察知能力を働かせて、西川を捕まえたかったか。
MF
8 ヒシャルジソン 5.5
前半はダブルボランチの一角として、後半はアンカーとしてプレー。特に後半は中盤のバランスを気にした立ち位置を取っていた。
7 大谷秀和 5.5(HT OUT)
ポジショニングに長けていて、読みの鋭さも抜群。24分に入れた仲間への縦パスも秀逸だった。システム変更もあり、ハーフタイムで交代した。
18 瀬川祐輔 5.5(84分OUT)
最終ラインの裏を突く動き出しは素晴らしかった。江坂との好連係から相手の守備を崩すシーンもあったが、欲を言えばゴールやアシストという結果につなげたかった。
10 江坂 任 6
縦横無尽に動き回りつつ、シンプルかつ判断の良いプレーで攻撃を組み立てた。クロスやスルーパスの精度も高く、何度もチャンスを作った。大いに観客が沸いた40分の際どいミドルシュートも決めていれば、なお良かったが……。
33 仲間隼斗 5(59分OUT)
26分、強烈なショットを打ち込むも相手GKに防がれ、31分のゴール前のビッグチャンスも相手GKにセーブされた。良い流れで最大の決定機を逃したのは痛恨だった。
FW
14 オルンガ 6
24分には味方とのコンビネーションから際どいシュートを放ち、31分にはポストプレーで仲間のビッグチャンスを演出。88分には相手のミスを見逃さずにゴールを決めた。C大阪の守備に苦しんでも、要所で能力の高さを見せつけた。
交代出場
FW
39 神谷優太 5.5(HT IN)
高度なテクニックでドリブルやパスというチャレンジが光ったものの、ゴールやアシストには絡めなかった。
FW
19 呉屋大翔 5.5(59分IN)
スペースを見つけて最前線でよくボールを呼び込んだものの、相手の堅守に手を焼いたか。
DF
13 北爪健吾 ―(83分IN)
87分には相手が狙っているところに楔のパスを入れてカットされ、そこから3失点目を喫した。
MF
28 戸嶋祥郎 ―(84分IN)
3失点目の前のシーンでは、潰し屋らしく柿谷のドリブルを止めたかったか。
監督
ネルシーニョ 5
ハーフタイムで大谷を下げて後半から神谷を投入し、4-3-3にシステムを変更。しかし攻撃的な采配が裏目に出て、後半に2失点した。
【チーム採点・寸評】
C大阪 6.5
統制された4-4-2の守備ブロックは滅多に崩れなかった。相手の攻撃を受け続けて、さすがに何度かピンチがあったが、それはキム・ジンヒョンがビッグセーブで防ぐ。勝因は堅守で、ワンチャンスをモノにしたアタッカー陣も称賛に値する。
【C大阪|採点・寸評】
GK
21 キム・ジンヒョン 6.5
88分にはパスカットされて軽率なミスで失点。とはいえ、それまでの好守連発は称えられるべきで、特に31分のビッグセーブは劣勢を乗り切った意味でも評価できる。ミスさえなければMOMに選んだハイパフォーマンスだ。
DF
2 松田 陸 6.5
5分にはB・メンデスへスルーパスを送り、先制点に絡んだ。隙を見逃さない見事なワンプレーだった。
22 マテイ・ヨニッチ 6
31分のビッグピンチのシーンなどオルンガに競り負けることもあったが、それ以外ではクロスをよく撥ね返していた。
15 瀬古歩夢 6
オルンガにも臆せずに競り合い、またチャレンジと我慢という守備の判断も的確だった。
14 丸橋祐介 6
最終ラインのバランスを崩さず、攻撃では左サイドハーフの清武をサポートしていた。
MF
5 藤田直之 6
54分、高橋峻のタッチが大きくなったところを見逃さず、ボールを奪いにかかり、ファールをもらってFKを獲得。そのセットプレーで追加点が決まった。
6 レアンドロ・デサバト 6
無駄な動きをせずに、常に的確なポジショニングで危険なバイタルエリアを埋めていた。ゆえにオルンガへのパスコースをよく消せていた。
MF
17 坂元達裕 5.5(75分OUT)
34分のミドルシュートは惜しくもゴール左に外れた。その見せ場以外は、三丸のハードなチャージに苦しんでいた印象だった。
10 清武弘嗣 7(83分OUT)
5分には相手を引きつけてからのパスでB・メンデスの先制点をアシストし、55分にはFKでゴール前に絶妙なボールを送り、オウンゴールを誘発。劣勢のゲームで2得点を演出した価値は大きく、MOMに選んだ。
FW
20 ブルーノ・メンデス 6.5(75分OUT)
開始早々の5分に先制ゴールをゲット。裏への抜け出しから冷静なコントロールシュートまで、素晴らしい一撃だった。
25 奥埜博亮 6(66分OUT)
前線からのプレスを怠らず、攻撃ではフリーランで相手の守備陣をかき回した。
交代出場
FW
13 高木俊幸 5.5(66分IN)
74分のインターセプトは良かったが、その後のプレーに精彩を欠いた。高橋祐に抑えられていた。
FW
8 柿谷曜一朗 6.5(75分IN)
87分のカウンターではドリブルで持ち込み、西川へ浮き球のスルーパスを送り、見事なピンポイントのアシストを決めた。
FW
18 鈴木孝司 5.5(75分IN)
81分に綺麗な反転シュートを打ったものの、惜しくもゴール左に外れた。
MF
49 西川 潤 6.5(83分IN)
87分には相手の背後を突いて抜け出し、ダメ押しの3点目をゲット。期待値の高いルーキーのプロ初得点は、相手GKの頭上を越す美しいループシュートだった。
監督
ロティーナ 6.5
守備ブロックのバランスを崩さないスタメンで堅守を構築させ、相手が前がかりになったところで、創造性あふれるプレーが得意な柿谷と西川を投入してダメ押し弾をゲット。素晴らしい采配だった。
※MAN OF THE MATCH=取材記者が選定するこの試合の最優秀選手。
※採点は10点満点で「6」を平均とし、「0.5」刻みで評価。
※出場時間が15分未満の選手は原則採点なし。
取材・文●志水麗鑑(サッカーダイジェスト編集部)
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