見どころ・戦評
[J1リーグ15節]柏 3-0 G大阪/9月9日/三協F柏
【チーム採点・寸評】
柏 7.5
相手にポゼッションされて攻め込まれても、ゴール前で身体を張って無失点に抑えた。また、効率良く相手の裏を突いて3ゴール。敵が前がかりになったところで、カウンターで奪った3点目も、巧みな試合運びを象徴するダメ押し弾だった。
【柏|採点・寸評】
GK
17 キム・スンギュ 7
30分、果敢な飛び出しから1対1でビッグセーブし、31分のミドルシュートも見事に弾き出す。劣勢の時間帯に好守を連発した。
DF
6 高橋峻希 6
何度かドリブル突破を許すシーンもあったが、ゴール前ではきっちり身体を張り、無失点に貢献した。
2 鎌田次郎 6
相手のパスワークに翻弄されることなく、敵に食いつき過ぎない冷静な守備対応が光った。クロスもよく撥ね返していた。
4 古賀太陽 7
2分、絶妙なスルーパスでオルンガの先制ゴールをアシスト。この日も最終ラインからの正確なビルドアップが素晴らしかった。
20 三丸 拡 6
積極的に左サイドを駆け上がり、クロスをよく上げていたのは好印象。実際、40分には果敢なチャレンジからゴールにつながっている。
MF
27 三原雅俊 6.5
40分、右サイドでルーズボールを拾い、クロスで江坂の得点をアシスト。セカンドボールを拾ってからのチャンスメイクは、試合を通して際立っていた。
7 大谷秀和 6(62分OUT)
アンカーとして守備に奔走し、最終ラインへのサポートも素晴らしかった。セカンドボールも精力的に拾っていた。
28 戸嶋祥郎 6
運動量が豊富で、ポジショニングや2列目からの飛び出しも良かった。ただ、いざボールを受けてからのコントロールミスがもったいない。
MAN OF THE MATCH
MF
10 江坂 任 8
巧みなポジショニングでアンカーの両脇を突いてボールを集め、オルンガや呉屋が競り合ったこぼれ球も拾う。そこから何度もチャンスメイクし、相変わらずオルンガへのスルーパスも素晴らしい。また、苦しい時間帯には戦況に応じて前線でタメも作る。40分と62分には、どちらも右サイドからのクロスにヘディングで合わせて2ゴール。攻撃の組み立て、決定機の演出、得点と、多くのタスクをこなしたハイパフォーマンスだったためMOMに選んだ。
FW
19 呉屋大翔 6.5(88分OUT)
オルンガと2トップの良い距離感を保ちつつ、神出鬼没な動き出しで空いているスペースを突く。62分には右サイドを抜け出し、江坂のゴールをアシスト。得点がなかったのは残念でも、高評価を与えられる出来だった。
14 オルンガ 7
2分、巧みな動き出しから左サイドを抜け出し、左足を振り抜く。強烈なシュートを右サイドネットに突き刺し、貴重な先制ゴールを決めた。
交代出場
DF
13 北爪健吾 6(62分IN)
システム変更に伴い、3バックの右に入る。守備も最終ラインからの配給も安定していた。
MF
33 仲間隼斗 -(88分IN)
フリーランニングで前線をかき回したものの、得点にはつながらなかった。
監督
ネルシーニョ 7
前節からシステムを変更し、4-3-1-2の布陣を採用。この采配が見事にハマって前線のオルンガ、江坂、呉屋が躍動した。
【チーム採点・寸評】
G大阪 4.5
最終ラインの裏とアンカーの両脇を狙われて複数失点。遠藤が「チームとしてどのように戦い、どのように勝ちに持っていくのかをもう一度明確にする必要はあると思う」と的確に分析したように、強みが不明瞭なまま、弱みを突かれて完敗した。
【G大阪|採点・寸評】
GK
1 東口順昭 5
コースの良い強烈ショットと、クロスで振り回されたふたつの失点。どれもシューターには余裕があったことも加味すれば、GKとしてはノーチャンスだったか。
DF
5 三浦弦太 4.5
球際で精彩を欠く。確かにオルンガや呉屋も上手かったが、彼らに先に身体を当てられ、後手に回るシーンが目についた。
3 昌子 源 4.5(58分OUT)
1失点目はカバーリングが間に合わず、2失点目はクロスに届かず頭上を超されて失点してしまった。
19 キム・ヨングォン 4.5
62分には空中戦で呉屋に勝ち切れず。きっちり撥ね返せなかったのが痛恨で、そこからの流れで3失点目を喫した。
MF
29 山本悠樹 5(77分 OUT)
確かにアンカーの両脇を突かれてしまったが、それは個人の責任とは言えない。むしろシステムと戦術の穴というしわ寄せを背負わされたようで、江坂を捕まえきれなかったのはエクスキューズもある。
4 藤春廣輝 5
58分、ゴール前のこぼれ球に反応し、シュートを打ったが相手GKに防がれた。貴重な決定機はモノにしたかった。
8 小野瀬康介 5(77分OUT)
足もとの技術の高さは健在で、味方とのコンビネーションも良かった。だが、ゴールやアシストという数字を残すためのアイデアは不足していた。
15 井手口陽介 5.5
ピッチを幅広く動き回り、攻守両面で奮闘。チームが完敗したため評価はできないが、多くのボールに関わってはいた。
10 倉田 秋 5(58分OUT)
30分、ゴール前でビッグチャンスを得たものの、シュートは相手GKに防がれた。良い時間帯だっただけに、決め切りたかった。
FW
9 アデミウソン 5(58分OUT)
12分の反転シュートのほか、ボレーなども放ち、ゴールへの意識は高かった。しかし得点を奪えずに途中交代となった。
33 宇佐美貴史 5
58分には、味方との連係から右サイドを崩し、決定機を演出。鋭いミドルも放ったものの、結果は残せなかった。
交代出場
DF
27 髙尾 瑠 5(58分IN)
積極的に攻撃参加し、ビルドアップしつつクロスも上げたが、味方と上手く合わなかった。3失点目では、目の前で江坂に得点を許してしまった。
FW
18 パトリック 5(58分IN)
最前線で身体を張り、ターゲットになっていたものの、効果的な働きはできなかった。
FW
39 渡邉千真 5(58分IN)
起点を作って味方との好連係も見せたが、ストライカーとしての怖さはなかった。
MF
34 川﨑修平 ―(77分IN)
ドリブルで仕掛けようとしたものの、ビッグチャンスには絡めなかった。
MF
7 遠藤保仁 ―(77分IN)
巧みなパス捌きでポゼッションに寄与したが、ゲームをひっくり返すほどの活躍はできなかった。
監督
宮本恒靖 4.5
アンカーの両脇と最終ラインの裏を突かれたシーンを見ると、3-5-2のシステムでの戦術の落とし込みが不完全な印象。58分の3枚同時交代も奏功しなかった。
※MAN OF THE MATCH=取材記者が選定するこの試合の最優秀選手。
※採点は10点満点で「6」を平均とし、「0.5」刻みで評価。
※出場時間が15分未満の選手は原則採点なし。
取材・文●志水麗鑑(サッカーダイジェスト編集部)
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