見どころ・戦評
[J1第16節]横浜1-2C大阪/9月13日/日産スタジアム
【チーム採点・寸評】
横浜 6
何人もが一斉にゴール前へと入り込む雪崩のようなアタックを序盤から展開し、ゴールを狙うも1得点に留まる。伊藤が退場した後に逆転されリーグ3連敗を喫したが、迫力のある攻撃は実に見応えがあった。
【横浜|採点・寸評】
GK
21 梶川裕嗣 5
前方に位置取り過ぎ、清武のループシュートを止められず。3分と57分のファインセーブだけではチームを勝利に導けなかった。
DF
13 チアゴ・マルチンス 5.5
幅広いエリアを動き回り、鋭いタックルでピンチの芽を摘んでいた。しかし決定的な場面で、ポジショニングが中途半端に。
15 伊藤槙人 4.5
痛恨の退場で、チームの勢いを削いでしまった。清武のテクニックと片山のオーバーラップに戸惑い、安定感を欠いた。
44 畠中槙之輔 5.5
丁寧な散らしのパスと味方を動かす指示が光る。ただティーラトンがかわされた場面でカバーリングに入るのが遅れがちだった。
MF
5 ティーラトン 5.5
再三のクロスを供給した攻撃面は評価できるが、最後に坂元のキックフェイントにつられ、決勝点につながるクロスを上げられた。
25 小池龍太 5
1失点目のシーンでは戻り切れず、2失点目のシーンでは対応が遅れた。運動量は目を見張るものがあっただけに、肝心な局面での失態が尾を引く。
26 渡辺皓太 6(72分OUT)
和田とともに運動量豊富に中盤を奔走。時に相手ペナルティエリア付近まで駆け上がり、チャンスと見れば果敢にミドルシュートを放った。
33 和田拓也 6.5(72分OUT)
中盤の後方で献身的に働いた。攻撃時には精力的にパスを受けて左右に散らし、守備となれば素早くスペースを埋めた。
FW
9 マルコス・ジュニオール 6(84分OUT)
巧みな位置取りでボールを受けると、鋭いスルーパスでチャンスを演出。引き出しの多さを発揮し、相手の脅威となった。
17 エリキ 6.5(72分OUT)
強引なカットインやシュートに迫力を感じさせた。相手のマークを外して決めた52分のヘディングゴールは見事。
37 ジュニオール・サントス 5.5(72分OUT)
4分の絶好機は相手に止められ、54分のヘディングは枠外に。フィニッシュの精度を欠き、2試合連続ゴールとはならず。
交代出場
FW
23 仲川輝人 5.5(72分IN)
ボールを持てば持ち前のスピードを活かして、相手の守備陣に割って入る。しかし結局ゴールにはつながらなかった。
MF
6 扇原貴宏 5(72分IN)
退場者を出し、ひとり少なくなった展開に、やや焦りを感じていたのか、無理な縦パスが少なくなかった。決定機は作れず。
MF
8 喜田拓也 5.5(72分IN)
こぼれ球にいち早く反応し、相手のカウンターを警戒。ただリスクマネジメントに気を遣っていた分、ビルドアップにはなかなか関われなかった。
FW
38 前田大然 ―(77分IN)
84分の力強い突破からのシュートなど得点の可能性を感じさせたが、枠を捉えられず。途中起用に応えられなかった。
MF
18 水沼宏太 ―(82分IN)
3トップの中央に入るも、これといった見せ場を作れないままタイムアップの笛を聞く。もう少しアピールの時間が欲しかった。
監督
アンジェ・ポステコグルー 5.5
数的不利な状況でも攻撃的なカードを次々と切り、攻めの姿勢を貫いた采配には好感が持てる。ただ結果的に勝点にはつながらなかった。
※MAN OF THE MATCH=取材記者が選定するこの試合の最優秀選手。
※採点は10点満点で「6」を及第点とし、「0.5」刻みで評価。
※出場時間が15分未満の選手は原則採点なし。
【チーム採点・寸評】
C大阪 7
際立っていたのが、組織的な守備とサイドハーフの個人技。猛攻を受けながらも最少失点に抑え、清武と坂元の個人技で見事に逆転を収めた。リーグ5連勝を達成。
【C大阪|採点・寸評】
GK
21 キム・ジンヒョン 6.5
押し込まれる展開にも焦らずに対応。1失点したものの、冷静にシュートを弾き返していた印象が残る。ビルドアップも安定していた。
DF
2 松田 陸 7
終盤になっても豪快なオーバーラップを繰り返すスタミナは激賞に値。攻守にダイナミズムをもたらしていた。同点ゴールにつながる好パスも。
15 瀬古歩夢 6
52分にエリキのマークを外し、失点に関与したのが悔やまれる。ただ、それ以外の場面では身体を張ったシュートブロックなど貢献した。
16 片山瑛一 6.5
相手DFのファウルを誘った65分の抜け出しはお見事。それ以外のシーンでも精力的に上下動を続け、チームを助けた。
22 マテイ・ヨニッチ 6.5
ゴール前の要塞となり、クロスをことごとく撥ね返し続けた。このCBがいなければ大量失点もあり得た。
MF
3 木本恭生 6(66分OUT)
ロングパスが乱れ、味方につながらないことがしばしば。それでもピンチとなればゴール前に素早く帰陣し、守備の強度を上げた。
6 レアンドロ・デサバト 6
リーグ4試合ぶりに先発復帰。目立たないながらも、気の利いたプレーで中盤に安定感をもたらしていた。
10 清武弘嗣 7.5(83分OUT)
鮮やかなループシュートで同点ゴールを決めれば、相手の一発退場を誘発する絶妙なスルーパスを披露。ため息が出るような異次元のスキルでチームを勝利に導いた。
17 坂元達裕 7
切れ味鋭いドリブルは手を付けられないレベルになってきた。十八番のキックフェイントから決勝ゴールをアシスト。
FW
9 都倉 賢 5.5(72分OUT)
57分の渾身のヘディングは相手GKに阻まれる。ターゲット役としてはそこそこ機能したとはいえ、2試合連続で無得点に。
25 奥埜博亮 6.5
ファーストディフェンダーの役割をまっとうし、相手に圧力をかけ続けた。後半途中からはボランチもそつなくこなした。
交代出場
FW
13 高木俊幸 6(66分IN)
機を見て相手の背後に抜け出してゴールを狙った。86分に決めた値千金の勝ち越し点は、自身にとって嬉しい今季初得点に。
FW
18 鈴木孝司 5.5(72分IN)
何度かクロスに飛び込みチャンスを得たものの、なかなかミートせず。冷静なフィニッシュワークが求められる。
MF
14 丸橋祐介 6(83分IN)
終盤に投入されると、攻守のバランスを丁寧にはかりながら、プレーしていた印象。大きなミスもなく試合を危なげなく終えた。
監督
ロティーナ 6.5
19本のシュートを浴びせられながらもじっくりと我慢して凌いだ前半に、守備戦術の積み上げが表われていた。最後は坂元を交代させず残していたことが奏功。
※MAN OF THE MATCH=取材記者が選定するこの試合の最優秀選手。
※採点は10点満点で「6」を及第点とし、「0.5」刻みで評価。
※出場時間が15分未満の選手は原則採点なし。
取材・文●多田哲平(サッカーダイジェスト編集部)
Jリーグ各クラブの最新情報はアプリで!