見どころ・戦評
[J1リーグ21節]名古屋1-0C大阪/10月10日/パロ瑞穂
【チーム採点・寸評】
名古屋 6
相手にボールを握られ、支配される展開が続く中でも堅守は維持し続けた。そこから押し返しての決勝点までの流れは力強く、底力を見せつけての勝点3という印象。
【名古屋|採点・寸評】
GK
1 ランゲラック 6.5
ピンチは少なかったが序盤の決定機をしのいだ意味は大きい。守備をオーガナイズする中でのコーチングも非常に多く、ディフェンスリーダーの一人としての存在感を見せた。
DF
34 オ・ジェソク 6.5
右でスタメン、吉田豊の交代に従って左でプレーしたが、今日は対人守備だけでなくオーバーラップでも馬力を見せた。決勝点につながるボール奪取はMOMクラスの功績。
4 中谷進之介 6.5
空中戦、勝負パスへの勘の鋭さなど局面守備での貢献度が非常に大きかった。身体を張っての肉弾戦はチームの士気も上げ、テンションの高い試合を引き締めもした。
3 丸山祐市 6.5
ビルドアップの加速や縦へのフィード、鋭いグラウンダーパスなど攻撃の土台つくりでも目立った試合だった。B・メンデスとの対決も見応え十分の攻防が多かった。
23 吉田 豊 5.5(29分OUT)
序盤から持ち前の対人守備を見せていたが、セットプレーでの衝突がきっかけで負傷交代。その後の状態が気がかりだ。
MF
15 稲垣 祥 6
中盤の主導権争いの中で一歩引いた位置から布陣のバランスを取り、ビルドアップでは高い位置を取って前線を献身的にサポート。
2 米本拓司 6.5
ボールへのアプローチはいなされることも多かったが、それでも守備面での存在感は大きかった。サイドチェンジや縦パスなどでも見せ場を作り、攻撃面でも見どころは多かった。
MAN OF THE MATCH
MF
16 マテウス 6.5
チャンスメーカーとして常に仕掛ける姿勢を見せ続け、縦横無尽にピッチを駆けた。決勝点の場面は実に落ち着いたコントロールからの勝負強いシュートで、チームに久々の連勝をもたらした。
27 相馬勇紀 6(58分OUT)
縦への突破力は良いアクセントになっていたが、イージーなトラップミスが散見されたのは玉に瑕。ポジションを変えたオ・ジェソクとの連係は良く、次戦以降にも期待は持てる。
FW
25 前田直輝 6(58分OUT)
相手に支配される時間帯が多く、マイボールの時間を増やそうという意図はプレーの端々に見て取れた。ゴール前での勝負する場面はもっと見たかったが、交代策でピッチを後に。
44 金崎夢生 6
システマチックな相手の守備にクサビを打ち込むプレーで粘り強く攻撃を構築。身体を張ってボールを引き出したが、彼までの距離が長い時間がやや多すぎたか。
交代出場
DF
26 成瀬竣平 6(29分IN)
吉田豊の負傷により急きょの出番となったが、アグレッシブな守備を足掛かりにしっかり試合の流れに乗った。オーバーラップからのチャンスメイクなどでもチームに変化をつけた。
MF
11 阿部浩之 6.5(58分IN)
主導権を回復した流れの中でさらに押し込むべく指揮官がピッチへ送り出した。周囲へのコーチングの確かさで仲間の力を引き出し、チャンスメイクに今日は徹した印象。
FW
10 ガブリエル・シャビエル 6.5(58分IN)
阿部とともにボールを持って押し込む展開を作るべくピッチへ。ボールタッチの回数はそこまで多くはないが、常に動き回ってチームを鼓舞し、決勝点のアシストも実に冷静。きっちり仕事を果たした。
監督
マッシモ・フィッカデンティ 6.5
戦術的に高度なせめぎ合いの中、自分たちから崩れることなく勝機を窺い、交代策を実らせて決勝点。天候も考慮したメンバー選考からの変化もうまく使い、上位対決を制した。
※MAN OF THE MATCH=取材記者が選定するこの試合の最優秀選手。
※採点は10点満点で「6」を及第点とし、「0.5」刻みで評価。
※出場時間が15分未満の選手は原則採点なし。
【チーム採点・寸評】
C大阪 5.5
試合終了間際まで勝点1を握っていたが、一瞬の隙でそれはゼロになってしまった。全体としての出来は悪くなかったが攻撃の迫力はやや物足りなく、勝ち筋を先に見つけておきたい試合だった。
【C大阪|採点・寸評】
GK
21 キム・ジンヒョン 5.5
ビルドアップでも冷静な対応を見せ、相手のプレッシャーにも影響なし。少ないピンチもきっちりさばいていたが、最後の最後で踏ん張りきれなかった。
DF
2 松田 陸 5.5(76分OUT)
前の坂元との分厚いサイドアタックで名古屋の左サイドを攻め立てた。相馬とのマッチアップも五分以上の出来。後半はより攻撃での存在感を増したが、得点には絡めなかった。
22 マテイ・ヨニッチ 6
安定感あふれるパフォーマンス。焦りなど微塵もない局面のさばき方は見ていて隙がなかった。失点の場面はわずかに脚が届かなかったが、それがすべてをマイナスにする要素にはしにくい。
15 瀬古歩夢 5.5
積極的な上下動で攻撃面での関わりも大きく、空中戦での勝率もハイアベレージを確保した。後半はより後方支援の趣を増してプレーしたが、最後の失点が悔やまれる。
16 片山瑛一 5
中寄りのポジションをとる清武の空けたスペースで攻守に多くの役割を担った。後半は右サイドに回って堅実にプレーしたが、失点につながるボールロストは大きな減点対象。
MF
6 レアンドロ・デサバト 5.5
落ち着き払ったパスさばきとボールを失わない技術でビルドアップの質を高めた。ただし中央を固める名古屋の守備を崩すには至らず。
5 藤田直之 6
デサバトに比べて前のポジションを取り、前線のサポート役としてボールの流れを整然としたものに。自らのシュート意識など、攻撃に変化をつけたかったところだが。
17 坂元達裕 5.5(76分OUT)
得意のドリブル、カットインを見せる機会は前半は少なかったが、攻撃の流れの中には確かな存在感。欲を言えばもっと仕掛ける姿勢が見せたかったところ。
10 清武弘嗣 5.5(86分OUT)
サイドを問わない流動的なポジショニングからボールを引き出し、前進。味方にも時間をつくって分厚い攻撃の起点となった。質の高さは見えたが決定機の少なさには反省点も。
FW
20 ブルーノ・メンデス 5.5
前線の高さを確保しつつも裏のスペースをつけ狙い、ボールの出しどころを常に作らんと走り続けた。シュートの意識も高かったが、あと少しゴールとの距離を近づけたかった印象。
8 柿谷曜一朗 5.5(67分OUT)
清武の鋭い縦パスを軽々と収める高い技術力は相手ディフェンスラインにとって脅威だったはず。運動量も多く、守備でのタスクもしっかりこなした。
交代出場
MF
25 奥埜博亮 5.5(67分IN)
柿谷に代わって前線の起点となるべく投入されたが、ボールタッチはそれほど多くなく、持ち前の起点となるプレーの質は出せずじまい。
DF
14 丸橋祐介 5.5(76分IN)
正確なキックでサイドアタックの厚みを増すことが期待されたが、名古屋の中央守備の堅さには手を焼いた。
FW
13 高木俊幸 5(76分IN)
右サイドハーフの位置で登場したがボールタッチも少なく、プレー機会も相応に少なく何かを残すことはできなかった。
FW
18 鈴木孝司 -(86分IN)
試合終盤に投入されたがプレー機会は限られた。入って5分で決勝点が入り、腕の見せ所ではあったが…。
監督
ロティーナ 5.5
自身が言うようにシュートやクロスの少なさが致命的だった展開を変えることができなかった。全体的な支配力は維持できていただけに、相手守備を崩す一手を授けたかったところ。
※MAN OF THE MATCH=取材記者が選定するこの試合の最優秀選手。
※採点は10点満点で「6」を及第点とし、「0.5」刻みで評価。
※出場時間が15分未満の選手は原則採点なし。
取材・文●今井雄一朗(フリーライター)
Jリーグ各クラブの最新情報はアプリで!