見どころ・戦評
[J1リーグ22節]柏1-1浦和/10月14日(水)/三協フロンテア柏スタジアム
【チーム採点・寸評】
柏 6
41分にカウンターで先制したが、全体的にミスが見受けられ59分に同点にされてしまう。システムを変えて守備の安定を図り、堅い守備と素早い攻撃で追加点を狙うも浦和の守備を攻略できなかった。
【柏|採点・寸評】
GK
17 キム ・スンギュ 6
11分には興梠との1対1を食い止め、49分には正面だったとはいえ武藤の決定的なヘッドをキャッチ。セットプレーから1失点こそ許したものの、好セーブでチームを救った。
DF
24 川口尚紀 5.5(67分OUT)
何度か攻撃参加は見せたが、守備の部分で汰木の対応に後手を踏み、ボールの処理でもミスが目立った。
25 大南拓磨 5.5
背後へ抜け出す武藤を潰せず、高い位置で起点を作られる。後半の立ち上がりにも興梠へのアプローチを剥がされたことで大ピンチを招くなど安定感に欠けた。
4 古賀太陽 6
大南とのマークの受け渡しではどちらが武藤と興梠を捕まえるのかがはっきりしなかった。ただ、長いボールで背後を狙う浦和の攻撃に対しては応戦した。
20 三丸 拡 6
イージーなパスミスも散見されたが、それでも41分には浦和の背後のスペースへ好パスを通して江坂の得点をアシストした。
MF
8 ヒシャルジソン 5.5
ボールを持ったときには要所で推進力を与えていたが、守備面ではライン間のスペースを埋めきれない場面があり、そこを何度か浦和に突かれる。
27 三原雅俊 6
セカンドボールボールを回収して攻撃陣につなげる役目を果たす。対人プレーでも終始激しいコンタクトを見せた。41分にはマルティノスの動きを止め、クリスティアーノがボールを奪う流れを作る。
9 クリスティアーノ 5.5
得意のダイナミックな突破はなく、オルンガを目掛けたロングボールにやや固執しすぎたか。ただ、先制点につながったマルティノスへのプレスバックは好プレーだった。
39 神谷優太 5.5(62分OUT)
左サイドの高い位置でボールを触る場面はあったが、橋岡のマークもあり狭いエリアでは打開策に欠けた。
FW
10 江坂 任 6.5
常にライン間や背後のスペースで味方からパスを引き出し、攻撃の変化を加え続けた。41分は岩波の動きを見極めて背後のスペースを取り、カットインから素晴らしい得点を決めた。
14 オルンガ 5.5
槙野の徹底マークに遭う。65分には岩波が処理しきれなかったボールを奪い取ったが、三原とクリスティアーノの攻め上がりで数的に上回ったにもかかわらず、判断ミスでビッグチャンスをフイにした。
交代出場
DF
50 山下達也 6(62分IN)
投入とともに3バックへシフトチェンジ。非常に良いカバーリングを見せ、安定感に欠けた守備を引き締めた。
FW
37 鵜木郁哉 5.5(67分IN)
ルーキーとしては同サイドのクリスティアーノに気を遣うのは致し方なし。得意のドリブルで見せ場を作れず。
監督
ネルシーニョ 6
後半、押し込まれると山下を投入して守備の安定を図る。攻撃面ではケガ人続出のためアタッカーの駒が少なく、カードを切りづらい状況だった。
※MAN OF THE MATCH=取材記者が選定するこの試合の最優秀選手。
※採点は10点満点で「6」を及第点とし、「0.5」刻みで評価。
※出場時間が15分未満の選手は原則採点なし。
【チーム採点・寸評】
浦和 6
前半からチャンスは多く、柏の倍近いシュートを放ちながらもCKから1点を返すだけにとどまった。90分を通じて決定機を生かし切れず1−1の引き分けに終わる。
【浦和|採点・寸評】
GK
1 西川周作 6
失点場面を除くと大きなピンチはほとんどなかったが、36分のクリスティアーノと65分のオルンガのシュートは冷静に対応をした。
DF
27 橋岡大樹 6
サイドに流れた江坂には翻弄されたが、神谷、三丸の攻撃に対してはスペースを埋めて対応した。柏がシステムを変えた後も相手のサイド攻撃には素早くスライド。
31 岩波拓也 5.5
江坂に逆を取られてスペースに抜け出されたことが失点の原因。65分にはバウンドボールの処理にもたつき、オルンガにボールを奪われたが大事には至らず。
MAN OF THE MATCH
5 槙野智章 6.5
オルンガ、クリスティアーノに対して果敢に体をぶつけて仕事をさせず。65分のピンチもよく戻って岩波をサポートした。相手のキーマンを封じたことから、この試合のMOMに。
3 宇賀神友弥 6
クリスティアーノとのマッチアップでは相手に自由を与えなかった。しかし65分のアバウトなバックパスは得点にはならなかったものの、オルンガがいるだけに軽いプレーだった。そこはマイナス点。
MF
11 マルティノス 6(90+3分IN)
前半のボールロストが失点の原因になったが、後半はサイドでの粘りが同点に追いつくCKの獲得につながり、前半のミスを挽回した。
7 長澤和輝 6
中盤でボールを散らし、機を見て高いエリアに入っていく積極性を見せた。守備面では江坂にスペースを与えず、もう少しケアできれば良かった。
8 エヴェルトン 6
中盤の底を主なプレーエリアとし、ビルドアップの入り口を作る役目を果たしながら、攻勢時にはゴール前に顔を出して厚みも加えていた。
24 汰木康也 6(76分OUT)
川口とのマッチアップを制し、左サイドで攻撃にアクセントを与える。11分と49分には決定機を演出。興梠と武藤が決めきれなかったが、お膳立ては完璧だった。
FW
30 興梠慎三 6.5(76分OUT)
59分に同点弾を決めたが、キックオフ直後と11分の2つのビッグチャンスを決めていれば、結果は変わっていたかもしれない。
9 武藤雄樹 6(71分OUT)
柏の最終ラインの背後を突き、前線で起点を作って柏の守備陣を翻弄。だが49分のヘッドは決めなければいけない決定機だった。
交代出場
FW
45 レオナルド 6(71分IN)
終盤は互いにオープンな展開になり、柏の最終ラインの背後を狙い続けたが、試合を決める大仕事まではできなかった。
MF
29 柴戸 海 ―(76分IN)
交代後はアンカーの位置で全体のバランスを取りながら、中央のスペースを消してオルンガに入る縦パスを遮断した。
FW
14 杉本健勇 ―(76分IN)
短い出場時間ながらボールに絡み、86分には自ら運んでシュートを狙うもDFに阻まれる。
DF
6 山中亮輔 ―(90+3分IN)
ドリブル突破と左足シュートが期待されたが、結果を残すには出場時間が短すぎた。
監督
大槻 毅 6
積極的に交代カードを切り、柏のシステム変更を準備段階で予測して迅速な対応を見せた。しかし勝ち切るためのもう一手が欲しかった。
※MAN OF THE MATCH=取材記者が選定するこの試合の最優秀選手。
※採点は10点満点で「6」を及第点とし、「0.5」刻みで評価。
※出場時間が15分未満の選手は原則採点なし。
取材・文●鈴木 潤(フリージャーナリスト)
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