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J1 第25節

10月31日(土) 18:00 Kick off

2 - 1

川崎F

試合終了

FC東京

見どころ・戦評

記事提供:SOCCER DIGEST WEB

【警告】川崎=なし FC東京=渡辺(23分)<br />
【退場】なし<br />
【MAN OF THE MATCH】中村憲剛(川崎)


[J1第25節]川崎2-1FC東京/10月31日/等々力
 
【チーム採点・寸評】
川崎 7
「質のところにこだわってきた」(鬼木監督)と、ここ2週間のトレーニングの成果を示す。ルヴァンカップ準決勝で敗れたFC東京の、固いディフェンス組織を崩してリベンジを果たす。決定力を欠いてFC東京に一時、同点に追い付かれた面は反省材料も、“川崎らしさ”を大いに披露して観衆を魅了。中村の決勝弾で勝った点もサポーターを大いに喜ばせた。
 
 これでリーグ12連勝。シーズンを跨いだ他クラブとの成績と比べても歴代4位の記録で、充実ぶりを改めて誇示。魅了して勝つという点でも評価に値する勝利だった。
 
【川崎|採点・寸評】
 GK
1 チョン・ソンリョン 6.5
好セーブを連発するなど、失点がなければMOM級の働き。ただしD・オリヴェイラにニアサイドを抜かれて決められたのは残念。
 
DF
13 山根視来 6.5
献身的な守備に加えて、豪快なオーバーラップでチャンスを演出。失点は自らのサイドからだったが、攻守でよく頑張った。
 
4 ジェジエウ 6
相手を押し込む時間が長かった前半は、2ゴールを奪った名古屋戦のようにボールを持ち運んで攻撃を後方支援。相手に勢いが出た後半も身体を張ったが、失点シーンではD・オリヴェイラに対応しきれなかった。
 
5 谷口彰悟 6
前半は珍しくパスミスがあり、相手にチャンスを与えてしまう場面も。それでも後半は特にキャプテンとして周囲を鼓舞し、勝利につなげた。
 
2 登里享平 6.5(90+5分OUT)
前半には意表を突いたシュートでFC東京ゴールを脅かすなど、攻撃にリズムを加えた。後半もバランスよくプレーした。左サイドの潤滑油としてやはり欠かせない存在だった。

MF
6 守田英正 7
またしても目指していた今季初ゴールは奪えず。それでも中盤のコンダクターとして攻撃を操り、前半には絶妙なループパスでL・ダミアンのPK獲得をアシスト。後半立ち上がりには素晴らしいアウトサイドパスで決定機を演出。守備でも効いていた。ただし、失点場面では安部への対応が甘くなった。
 
25 田中 碧 6
中村、守田とバランスを取りながら攻撃に寄与。相手エリア内への走り込み、強烈なミドル、プレースキックと見せ場を作った。一方、失点シーンでは安部にスルーパスを通された。
 

 
MF
MAN OF THE MATCH
14 中村憲剛 8(77分OUT)
「役者が違う」。そんな感嘆の声が漏れるほどの印象度抜群のプレー。大怪我から復帰し、40歳の誕生日に絶妙なポジショニングから決勝ゴール!! ドラマよりもできすぎた筋書きでこの日のヒーローとなった。家長の「フロンターレそのものが憲剛さん」との言葉も言い得て妙。レジェンドは眩い輝きを放ち、インサイドハーフとしても素晴らしいパフォーマンスだった。インパクト、試合の趨勢を決めた働き、そして“努力は決して裏切らない”という感動をもたらした面も加味。複数得点、フル出場ではなかったとはいえ、尊敬の念も含めて高採点としたい。
 
FW
41 家長昭博 6.5(90+5分OUT)
前半には冷静なPKで先制点をマーク。シンプルなパス、キープ力を活かしてこの日も攻撃の基準点として機能した。
 
18 三笘 薫 6.5
序盤こそ大学時代にもマッチアップした中村帆の守備を抜き切れなかったが、徐々に自慢のドリブルワークが加速。トリッキーなプレーも秀逸で、74分には中村の決勝弾をアシストした。
 
9 レアンドロ・ダミアン 6.5(90+5分OUT)
あと3点ほど取れるシーンはあったが、先制点につながるPKを獲得した場面を含めてFC東京の脅威となった。ポスト役としても大いに貢献。
 
 
交代出場
MF
8 脇坂泰斗 ―(77分IN)
中村との交代で投入される。アピールの時間は限られたが、プレースキッカーも担い、ゴールを目指した。
 
MF
19 齋藤 学 ―(90+5分IN)
後半アディショナルタイムに家長に代わってウイングとしてピッチへ。サイドからの崩しを図った。
 
MF
34 山村和也 ―(90+5分IN)
前節と同じくこの日もL・ダミアンとのチェンジでCFを務める。戦術の幅を広げる存在だ。
 
DF
7 車屋紳太郎 ―(90+5分IN)
齋藤、山村とともに試合を締めるために登場。オーバーラップも仕掛けた。
 
監督
鬼木 達 7
後半頭からの相手のシステムチェンジを受けて同点には追い付かれたが、トレーニングで落とし込んできた攻撃の質の向上をしっかりピッチで示し、ルヴァンカップ準決勝で敗れた相手にリベンジ。チャンスの数のわりにゴールを奪えなかった点が今後への課題だろう。
 
※MAN OF THE MATCH=取材記者が選定するこの試合の最優秀選手。
※採点は10点満点で「6」を及第点とし、「0.5」刻みで評価。
※出場時間が15分未満の選手は原則採点なし。
 
【チーム採点・寸評】
FC東京 5.5
勝利したルヴァンカップ準決勝同様に堅守速攻から序盤はチャンスを作る。しかし15分過ぎからは自陣に貼り付けにされ、PKで失点。後半はルヴァンカップ準決勝に向けて準備していたという3バックを採用し、同点に追いついて息を吹き返すも、逆に守備面で綻びが出た。この敗戦でリーグ優勝の可能性が消滅。
 
【FC東京|採点・寸評】
GK
13 波多野豪 6
ひとつはPKとはいえ、2失点しているため残念ではあるが「6.5」にはできず……。それでも中村の至近距離からのシュートをファインセーブするなど、好反応を連発し、大きな存在感を放った。

DF
37 中村帆高 5.5(89分OUT)
大学時代にも対峙してきた三笘に粘り強く対応。ただ相手の連係もあり、ルヴァンカップのように勢いを止め切れたとは言えなかった。後半からは左のウイングバックに移り、D・オリヴェイラのゴールに絡む。

4 渡辺 剛 5.5
対人の強さ、気持ちのこもったディフェンスは評価できる内容で、後半立ち上がりにはL・ダミアンのシュートをすんでのところでブロック。だが微妙な判定も1失点目につながるPKを献上し、2失点目のシーンは目の前で決められた。
 
3 森重真人 5.5
この日も読みを利かせたシュートブロックでチームをピンチから救った。しかし、後半の3バックの右でのプレーを含め、川崎の攻撃を抑えきれなかったシーンも。

6 小川諒也 5.5
前半は左SB、後半は3バックの左を務める。中村帆とともにチームの戦い方の幅を広げる存在も、目立った活躍とはいかず。

MF
7 三田啓貴 5(HT OUT)
序盤は2度の決定機を迎えるなど良い入り。どちらかを決めていれば、試合の流れも変わったはずだが……。その後はパスミスもあり、ハーフタイムで交代に。

45 アルトゥール・シルバ 5.5
安部とともに中盤のプレスを上手くハメられなかった。ボールを奪う力強いプレーもあったが、その後をつなげられず。2失点目のシーンも背後に中村に入られた。

31 安部柊斗 6
川崎のパス回しを追う時間が長く、なかなか“らしさ”を出せず。それでもD・オリヴェイラのゴールにつなげたスルーパスは素晴らしかっただけに「6」に。一方で2失点目の場面は中村への対応に走ろうとしたところで決められた。
FW
11 永井謙佑 5.5(76分OUT)
カウンターの先導役となりたかったが、切り替えの早い川崎守備陣に捕まった。守備でよく走ったが、PKにつながったシーンでは守田に自由を与えすぎた。

9 ディエゴ・オリヴェイラ 6.5(76分OUT)
前半は左サイドハーフとして献身的なプレーを続け、ボールを持てば前へ。苦しい時間も長かったが、システム変更でより攻撃に力を割けるようになると、57分には巧みな仕掛けから相手GKのニアを抜く強烈な一発。個の力を十分に示した。

20 レアンドロ 5.5(90+2分OUT)
ルヴァンカップで川崎を沈めたプレースキックもこの日は不発。試合立ち上がりこそチャンスに絡むも、その後はドリブルで仕掛けても決定機にはつながらず。
 
 
交代出場
DF
22 中村拓海 5.5(HT IN)
後半頭から右ウイングバックとして溌溂とプレー。しかし、決勝弾を決められたシーンでは三笘の突破を許した。
 
FW
15 アダイウトン ―(76分IN)
同点の場面でピッチに立っていれば快足を活かすスペースがあったはずだが、リードを許すシチュエーションでは相手にケアをされた。試合終盤に放ったシュートもチョン・ソンリョンにセーブされる。

FW
27 田川亨介 ―(76分IN)
勝ち越しを許した直後にアダイウトンとともにピッチへ。アダイウトンのシュートチャンスはお膳立てしたが、自らは上手くフィニッシュまで持ち込めなかった。
 
MF
28 内田宅哉 ―(89分 IN)
攻撃にリズムを加えようとする意識は感じられた。だが、時間が限られていた。
 
FW
24 原 大智 ―(90+2分IN)
最後の交代カードとして投入される。シュートを放つには時間が足りなかった。

監督
長谷川健太 6
ルヴァンカップの川崎戦へ準備していたという“秘策”3バックを後半に採用。同点に追いついた采配はさすがだ。もっともそこからのもう一手が足りなかった。試合後にはリーグ優勝の可能性が消滅し、ルヴァンカップへの切り替えを口に。

※MAN OF THE MATCH=取材記者が選定するこの試合の最優秀選手。
※採点は10点満点で「6」を平均とし、「0.5」刻みで評価。
※出場時間が15分未満の選手は原則採点なし。
 
取材・文:本田健介(サッカーダイジェスト編集部)
 

 

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