見どころ・戦評
[J1第26節]川崎0-2札幌/11月3日/等々力
【チーム採点・寸評】
川崎 5
動きがどこか重く、いつものような躍動感が見られず。中村憲剛が今季限りでの引退を発表した怒涛のような2日間を経て、13連勝とはいかなかった。試合は札幌のマンツーマン気味で前からのプレスをかける積極的なスタイルに苦戦。アンカー、インサイドハーフがボールを持ったところを狙われて2失点し、リーグでは悔しい2敗目。2位とは差が付いているものの、修正が必要だろう。鬼木監督は試合後、「切り替えることが大事」とコメント。
【川崎|採点・寸評】
GK
1 チョン・ソンリョン 6
2失点は悔しい結果。ただともに味方がボールを奪われてカウンターを食らった形で、逆に序盤を含め、数度の好セーブを見せた点は評価したい。
DF
13 山根視来 5.5
85分のD・オリヴェイラの突破をスライディングで食い止めたシーンのように、力強い守備は披露。一方でパスミスも少なくなかった。
4 ジェジエウ 5.5(69分OUT)
空中戦の強さを活かしてボールを撥ね返す。ただ前からプレスをかけてくる相手に対してフィードがずれる場面も。
5 谷口彰悟 5.5
ジェジエウ同様に相手の高い位置からの守備に、パス出しで苦戦した印象。中盤のボールロストから失った2点もカバーしきれなかった。
7 車屋紳太郎 5.5
金子に振り切られるなど序盤は札幌の勢いを止められず。試合終盤には三笘のヘッドがGKにセーブされたところに詰めるも、決められなかった。
MF
6 守田英正 4.5
相手に狙われた部分があり、苦しいゲームに。1失点目は低い位置でボールを奪われてカウンターから決められた。
8 脇坂泰斗 5(HT OUT)
相手の厳しいプレスもあり、なかなか前を向いて良い形でボールを持てず。ハーフタイムで交代となった。
MF
30 旗手怜央 5(HT OUT)
試合の入りはインサイドハーフを務め、途中から家長とスイッチして右ウイングへ。周囲を見ながらプレーしたが、アピールはできず。
FW
41 家長昭博 5
ウイングやインサイドハーフとポジションを変えながらプレー。札幌守備陣の穴を探したが、2失点目は相手のプレッシャーを受けてパスがズレでしまった。
19 齋藤 学 5(69分OUT)
前半にシュートを1本放ったが、得意のドリブルで札幌の守備を切り崩すことはできず。不完全燃焼でピッチを後にした。
9 レアンドロ・ダミアン 5(69分OUT)
パスを呼び込む動きを繰り返すも、札幌ディフェンスの裏をなかなか取れず。「今日は自分たちのミスで上手く試合をできなかった」と振り返る。
交代出場
MF
25 田中 碧 5(HT IN)
チームのエンジンがかからないなかで、後半頭から登場。攻守に動き、宮代へのラストパスなど崩しの面でも貢献。ただ2失点目は家長からのパスがズレたところを相手に奪われてカウンターを許してしまった。
MF
18 三笘 薫 5.5(HT IN)
厳しいマークと、ドリブルで抜いてもすぐに次のDFに迫られる対応で、上手く流れを変えられず。仕掛ける意識は高かったが、この日は不発だった。
MF
14 中村憲剛 5.5(69分IN)
2日前に今季限りで現役引退を発表していた司令塔はこの日もピッチへ。後半アディショナルタイムのクロスなどらしさは見せたが、ゴールには導けず。
DF
2 登里享平 5.5(69分IN)
三笘との連係で左サイドを崩しにかかった。左足でシュートを狙うもジャストミートはせず。
FW
20 宮代大聖 5(69分IN)
80分のビッグチャンスを仕留められなかったのは至極残念。あれを決めていれば流れは変わったはずだが……。
監督
鬼木 達 5
難しいチームマネジメントだったことが窺え、マンツーマン気味でくる札幌への対策を上手くピッチで示せなかった。13連勝には導けず、次節へどう立て直すか。
※MAN OF THE MATCH=取材記者が選定するこの試合の最優秀選手。
※採点は10点満点で「6」を及第点とし、「0.5」刻みで評価。
※出場時間が15分未満の選手は原則採点なし。
【チーム採点・寸評】
札幌 7
マンツーマンに近い守備、そして前線3枚の機動力を活かした高い位置からのプレスで、12連勝中の川崎に挑み、手応えの得られる勝利を掴む。ブラジル人ふたりの投入を機に勝負に出るゲームプランも成功した。川崎にはリーグ戦で初勝利だ。
【札幌|採点・寸評】
GK
1 菅野孝憲 6.5
前半に一度、パスミスでピンチを迎える。しかし後半はより集中力を高め、特に終盤に好セーブを連発した。
DF
32 田中駿汰 6.5
力強い対人守備はお手の物で、奪ってシンプルに周囲につないだ。同じ大卒ルーキーの三笘とも激しくマッチアップ。
20 キム・ミンテ 6.5
L・ダミアンとのフィジカル勝負でも引かず、粘り強く川崎の攻撃を撥ね返した。クリーンシートに寄与。
5 福森晃斗 6.5
終盤にゴール前で荒野とお見合いをしてボールを逸らしたプレーは反省材料も、古巣を相手に気持ちのこもったプレー。等々力で凱歌を聞いた。
MF
30 金子拓郎 6(77分OUT)
積極的にドリブルで仕掛け、サイドからの攻撃を構築しようと奮闘。もっともクロス精度は上げたい。
10 宮澤裕樹 6.5(89分OUT)
ポゼッション時は最終ラインからサイドにフィードを送り、守備になればタイトに相手に当たる。指揮官の考えを体現。
31 高嶺朋樹 6.5(61分OUT)
勢い余って行きすぎた面もあったが、それだけ気合いが入っていたということだろう。中盤の強度を上げた。
7 ルーカス・フェルナンデス 6.5(89分OUT)
この日は左サイドで自慢のドリブルワークを示す。試合序盤のシュートチャンスなど好機に絡んだ。
MF
MAN OF THE MATCH
27 荒野拓馬 7
スタートはゼロトップとして守田の対応に走りつつ、奪えば絶妙な走り込みで相手ゴールを襲う。後半、ボランチに下がってもプレスの激しさは変わらず、1点目は守田からのボールカットに貢献し、2点目も田中にプレッシャーをかけて、そのままオーバーラップし、貴重な追加点を決めた。終盤の福森とのゴール前のお見合いはこちらも反省材料も、攻守での躍動を加味してMOMに選出。
14 駒井善成 7
1点目は彼が高い位置でボールを奪ったからこそ生まれたモノ。ファールすれすれのプレーもあったが、それだけボールへの想いが強く、荒野、チャナティップらと連係して前からのプレスを機能させた。
18 チャナティップ 6.5(61分OUT)
重心が低く、小回りが利くドリブルで相手陣内を進攻。チャンスも演出した。ただしシュート精度は高めたい。
交代出場
FW
11 アンデルソン ロペス 7(61分IN)
出場から1分後に駒井が奪ったボールを受け、横から迫ってくる谷口をいなしながらGKの動きも確認して先制ゴールをマーク。2点目も起点になった。
FW
33 ドウグラス・オリヴェイラ 6.5(61分IN)
A・ロペスとともに投入されると、チームにさらなる勢いをもたらす。荒野のゴールにつながるクロスは素晴らしかった。
MF
19 白井康介 ―(77分IN)
右サイドで田中らと協力しながら、川崎の三笘、登里らの仕掛けに対応。得点を与えなかった。
DF
2 石川直樹 ―(89分IN)
L・フェルナンデスに代わってクローザーとして登場。左サイドで相手の攻撃を迎え撃った。
MF
26 早坂良太 ―(89分IN)
石川とともに守備に気を使い、無失点で試合を締める。タスクを遂行した。
監督
ペトロヴィッチ 7
試合を通じて素晴らしいプレーを継続させ、前からのプレス、マンツーマン気味の激しい守備というふたつの側面を両立。リーグでは今季2チーム目となる川崎撃破に成功。A・ロペス、D・オリヴェイラが試合を動かすなど、交代策もズバリ。
※MAN OF THE MATCH=取材記者が選定するこの試合の最優秀選手。
※採点は10点満点で「6」を平均とし、「0.5」刻みで評価。
※出場時間が15分未満の選手は原則採点なし。
取材・文:本田健介(サッカーダイジェスト編集部)
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