見どころ・戦評
[J1リーグ30節]名古屋0-0大分/11月28日/パロ瑞穂
【チーム採点・寸評】
名古屋 5.5
大分の準備の前になかなか攻撃が回っていかず、風下に回った後半には押し込まれる時間帯も長かった。引いた相手に対するFW不在の攻撃が不調で、今後の戦い方にどう影響するかが懸案事項に。
【名古屋|採点・寸評】
GK
MAN OF THE MATCH
1 ランゲラック 6.5
前半にピンチはほぼなかったが、後半になって大分の大攻勢に遭った。しかし冷静なプレーを続け、相手の決定機の前に立ちはだかること数度。クラブ記録の14試合無失点に大きく貢献した。
DF
34 オ・ジェソク 6
インテンシティの高さと読みの鋭さ、ボールを失わないという点でもディフェンスラインの安定に一役買った。相手の強みであるサイド攻撃に蓋をした意味は大きい。
4 中谷進之介 6
豊富なコーチングと守備範囲の広さで大分の攻撃に歯止めをかけた。後半は押し込まれる中でもFWに対する当たりの強さを見せ、ゴール前の壁となった。
3 丸山祐市 6
前線に蹴るボールはフィード、クリアともに質が高く、相手との接触で倒れ込むも歯を食いしばって戦線に復帰。14試合目の無失点試合に、キャプテンとして気合を乗せた。
23 吉田 豊 5.5
なかなか押し上がっていかない攻撃にはボールの運び人として苦しんでいた節もあったが、持ち前の対人守備で大分の縦への速さをシャットアウト。
MF
25 前田直輝 5.5
サイドハーフとしてダイアゴナルな動きでボールをエリア付近に引き出し、後半の交代の最中には最前線で身体を張ったが、なかなか成立しない攻撃の流れの中では持ち味は出ず。
15 稲垣 祥 6
相手の2シャドーへの見張りは完璧で、前半から数々の危険の芽を摘んで回った。サイドチェンジやミドルシュートでも攻撃を支援したが、この日は実らなかった。
MF
2 米本拓司 6(90+5分OUT)
ボール奪取、ボール保持者へのアプローチと運動量豊富に守備を締めて回り、前線へのパス供給という面でもソツなくプレーした。相手の堅守の前にはやや苦慮していたが。
16 マテウス 5.5
存在感は相変わらずも、この日は決定的な仕事はお預けに。自陣に堅陣を築き上げた大分を崩す飛び道具にもなれず、悪くはないが本来の力を考えるとマイナス感が強い。
FW
10 ガブリエル・シャビエル 6(64分OUT)
名古屋にとって窮屈な守り方をしてきた相手に対し、安定したボール保持で攻撃の基礎作りに励んだ。チャージをいなしつつ味方に時間と動く場所を与える器用さは見事でもあった。
11 阿部浩之 5.5 (73分OUT)
かなり高い位置でプレーし、相手GKへのプレッシングも精力的に敢行。FWとしても惜しい場面はつくったが、大分の分厚い守りの前にことごとく阻まれた。
交代出場
MF
27 相馬勇紀 5.5(64分IN)
流れを変えたい後半の中で一番に起用されたが、スピードを生かすスペースは少なく見せ場はそれほど多くなかった。
DF
26 成瀬竣平 5.5(73分IN)
右のサイドハーフで起用されるのはFW不在のチーム状態でのオプションとなってきた印象。守備での貢献だけでなく、一列前でパスセンスをよりチャンスメイクに生かしていた。
MF
8 ジョアン・シミッチ ―(90+5分IN)
監督が最後の好機と見たコーナーキックの際に急きょ投入され、ゴール前に飛び込んでいった。セットプレーは不発に終わり、そのまま無難にプレー。
監督
マッシモ・フィッカデンティ 5.5
堅く締められる試合になるという予想もあったが、そこを崩しきるアイデアはなかなか出てこなかった。失点はせず、試合はコントロール下に置いたが、攻撃での処方箋を出したかったところ。
※MAN OF THE MATCH=取材記者が選定するこの試合の最優秀選手。
※採点は10点満点で「6」を及第点とし、「0.5」刻みで評価。
※出場時間が15分未満の選手は原則採点なし。
【チーム採点・寸評】
大分 5.5
名古屋の堅守をこじ開けるのは難しかった。前半は攻撃が停滞し、ギアを上げた後半はペナルティエリア内に入る回数は格段に増えたが、最後までゴールは遠かった。
【大分|採点・寸評】
GK
1 高木 駿 6
DFかと思うほどにボールに触る回数が多く、相手のプレスにも動じずフィードを飛ばしていった。後半終了間際のピンチにも、冷静かつ堅実なセービングを披露。
DF
3 三竿雄斗 6
3バックの一角ながら攻め上がりも豊富。セットプレーのキッカーとしても良いボールを蹴り、試合終了間際には決定機も巡ってきたが仕留められず。
5 鈴木義宣 6
オフェンシブなストッパーたちを巧みに操り、DFラインを堅くまとめた。流動的な名古屋の攻撃にも自らのポジションを保ち、ピンチを未然に防ぐ着実な働き。
19 星 雄次 5.5 (64分OUT)
対面の前田にマッチアップすることも多く、攻撃面での攻め上がりは序盤は少なかった。後半のビッグチャンスを決めていれば、という無念さは残る。
29 岩田智輝 6
高山との右サイドを常に強度高く構築。攻め上がりも徐々に顕著になり、オーバーラップの力強さを見せた後半には決定機の演出も。
MF
4 島川俊郎 6
中盤守備の主導権は相手に奪われることも多かったが、運動量豊富に自由にはさせなかった。後半になって展開がオープンになると、より伸び伸びとゲームメイクに躍動。
11 田中達也 6
2シャドーとしては激しくフォアチェックに動き回り、後半の交代を境にウイングバックとしてチャンスメイクに関わること多々。試合の流れをポジションチェンジから変えた。
MF
23 高山 薫 5.5(85分OUT)
岩田とともに右サイドの攻撃を盛り立てたが深い位置まで侵入することは少なかった。後半は前線を生かすパスでも貢献したが、スコアを動かすには至らず。
40 長谷川雄志 5.5(85分 OUT)
コンビを組む島川に比べて低めの位置から試合をコントロールし、後半になってその動きは活発になった印象。長めの縦パスを通しながら、反撃の流れを生み出した。
FW
18 伊佐耕平 5.5 (64分OUT)
1トップとして身体を張り、縦パスにもクリアにも飛び込んで味方に時間を作る作業に没頭していた。フォローも少ない中で孤軍奮闘の感もあったが、チームのために仕事をした。
9 高澤優也 5
2列目で高さを発揮し空中戦では強みを見せたが、稲垣祥とのマッチアップではやや分が悪かった印象。プレーに少し雑なところもあり、チャンスにしきれない場面も多かった。
交代出場
MF
10 野村直輝 6 (64分 IN)
彼が入って大分の攻撃は加速した。深い位置でのボールレシーブ、そこからのチャンスメイクでも相手に脅威を与え、後半の攻勢に大きく貢献した。
FW
9 知念 慶 6(64分IN)
伊佐よりも深い位置でボールに絡み、シュートを打つ姿勢でも相手DF陣にプレッシャーを与え続けた。パワーのある動きはあと一歩でゴール、という期待を抱かせた。
MF
6 小林裕紀 5.5 (85分IN)
最終盤に投入され、守備のポイントを押さえつつビルドアップを下支え。試合終了間際のピンチにも良いポジショニングで対応し、無失点の試合を締めた。
MF
7 松本 怜 5.5 (85分IN)
投入時間は遅かったが、数本のクロスでチャンスを演出。あとわずかで勝ち越す流れをつくった一人で、岩田との連係でも名古屋を脅かした。
監督
片野坂知宏 6
前節からわずかな時間を最大限に活用し、名古屋の強みを抑え込むことに成功した。得点が奪えなかったのは残念なところだが、アウェーという条件を考えても勝点1は上々の結果。
※MAN OF THE MATCH=取材記者が選定するこの試合の最優秀選手。
※採点は10点満点で「6」を及第点とし、「0.5」刻みで評価。
※出場時間が15分未満の選手は原則採点なし。
取材・文:今井雄一朗(フリーライター)
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