見どころ・戦評
[J1・31節] 清水2-2川崎/12月5日(土)/アイスタ
【チーム採点・寸評】
清水 6.5
チーム全体で意思統一して良い守備から良い攻撃を見せ、王者・川崎をあと一歩のところまで追い詰めた。勝点3は取れなかったが、チームパフォーマンスは今季で最高クラス。
【清水|採点・寸評】
GK
39 大久保択生 6
2失点したものの好セーブも多く、クロスへの対応も良好。耐える時間が多かったなかで、勝点1の獲得に貢献した。
DF
18 エウシーニョ 7
7分に1度突破された以外は対面の三笘をほぼ封じ、攻撃での決定的なパスやシュート、執念のゴールカバーも見せた。古巣相手に気持ちの入ったプレーを続け、攻守両面で獅子奮迅の大活躍。
5 ヴァウド 6
1対1や空中戦の強さを存分に発揮し、個としてもハイパフォーマンスを披露。2失点はしたが、しっかりと最後の砦となった。
2 立田悠悟 5.5
辛抱強くラインを高く保っていたが、ファン・ソッコの裏のカバーに誰が行くか曖昧な面もあり、左サイドを攻略された。
3 ファン・ソッコ 5.5
1対1の対応は良かったが、金子との関係が不慣れな面もあったか、裏をとられるシーンが目立ち、チャンスを多く作られた。
MF
16 西澤健太 6.5
エウシーニョと連係して大学の後輩・三笘へのパスを封じたうえで、攻撃でも好機を増やして惜しいシュートもあり、2得点に絡む大きな働き。
MAN OF THE MATCH
22 ヘナト・アウグスト 7(83分 OUT)
1得点目はインターセプトで起点となり、2点目は自らゲット。前への強さだけでなく裏のカバーも破綻がなく、攻守両面でチームの躍動を牽引した。
6 竹内 涼 6.5(83分 OUT)
コンパクトな布陣から前にプレッシャーをかけていく守備をチーム全体に徹底させ、積極的な攻撃参加も見せて、1点目を絶妙なフリックでアシストした。
30 金子翔太 6(61分 OUT)
持ち場を左サイドに変えたなかで、守備でいつも通りハードワークしたうえで、ボールロストも減りパスを受けながらのターンも冴えた。
FW
14 後藤優介 6
守備のスイッチ役や裏への動き出しなど献身的な動きが多く、走行距離は両チームで最多。汗かき役としての貢献度は非常に高かった。
10 カルリーニョス・ジュニオ 6.5(66分 OUT)
今季10点目となる先制ゴールを決め、2点目にも絡んだ。ボールタッチも冴えていたが、右脚を痛めて交代。ケガの具合が心配される。
交代出場
FW
37 鈴木唯人 6(61分IN)
我慢の時間が多かったが、67分のカウンターなど前への推進力を随所で発揮。自らのシュートシーンは作れなかったが、役割は果たした。
23 ティーラシン・デーンダー 5.5(66分IN)
展開上なかなかチャンスが来なかったなかで、90+3分の西澤のクロスからのヘディングシュートを決められればヒーローだったが、今回は無念。
MF
28 西村恭史 ―(83分IN)
大胆なボランチの2枚替えとなったなかで気合の入った動きを見せたが、守り切るという面では役割を果たせなかった。
13 宮本航汰 ―(83分IN)
気持ちの入ったプレーを見せたが、最後の失点シーンでは危険な位置にいた山根を見張れなかったことが悔やまれる。
監督
平岡宏章 6.5
川崎対策を徹底させて奏功。西澤と金子のサイドを入れ替えたことも効いて、最強チームを倒すところまであと一歩。負傷者が複数出て思い描いた交代策ができず、勝ちきれなかったことに悔しさを滲ませた。
※MAN OF THE MATCH=取材記者が選定するこの試合の最優秀選手。
※採点は10点満点で「6」を及第点とし、「0.5」刻みで評価。
※出場時間が15分未満の選手は原則採点なし。
【チーム採点・寸評】
川崎 5.5
前半にらしくないミスが目立ったことは、優勝決定後の緩みが出たと言われても仕方ないところ。だが、後半はエンジンがかかって多くのチャンスを作り、同点ゴールで王者の意地を見せた。
【川崎|採点・寸評】
GK
1 チョン・ソンリョン 6
2失点したものの好セーブも多かったところは清水の大久保と同様。彼の働きがなければ勝点1は得られなかった。
DF
13 山根視来 6.5
危ない場面で好守を見せつつ、後半は多くのチャンスに絡んで、最後は素晴らしいファーストタッチからチームを救う同点ゴールを決めた。
4 ジェジエウ 5.5(77分OUT)
ピンチで良い対応を見せたシーンもあったが、パスミスからピンチを招くシーンが目立ち、それが1失点目につながった。
5 谷口彰悟 6
2失点はしたものの、個人としては守備もビルドアップも安定し、危ないシーンでのゴールカバーも見せた。
2 登里享平 5.5(18分OUT)
通常通りの落ち着いたプレーを見せていたが、試合前から不安のあった腰を痛めて早い時間に交代。
MF
6 守田英正 6
ボールを失うシーンもあったが、チャンスにつながる裏へのパスも多く、終盤は左SBに移って攻守両面で仕事人ぶりを発揮した。
25 田中碧 6.5
小気味良いパス交換から見事なゴールを決め、その後も惜しいシュートを放った。後半アンカーに下がった後も好パスを多く供給。
8 脇坂泰斗 5.5(58分 OUT)
攻守両面で運動量は多かったが、チャンスに関わる仕事は増やせず、十分なアピールはできなかった。
FW
41 家長昭博 5.5(77分OUT)
いつも通りの揺るぎないキープ力や冷静さを見せたが、決定的な仕事は少なく、彼のレベルからすればやや物足りない内容。
18 三笘 薫 6
左サイドでは西澤とエウシーニョに封じられ、77分から経験の少ない右サイドに移動。そこでドリブルよりもパスで多くの好機を作り、同点ゴールをアシストした。
9 レアンドロ・ダミアン 6(58分OUT)
7分の決定機やCKからのヘディングは決めきれなかったが、巧みなポストプレーから1点目をアシスト。
交代出場
FW
30 旗手怜央 5.5(18分IN)
登里の負傷により急きょ左SBに。不慣れなポジションで力を発揮できなかったが、終盤はインサイドハーフに上がってチャンスメイクに絡んだ。
MF
14 中村憲剛 6(58分IN)
小林との同時投入で期待通り試合の流れを変え、66分にはさすがのスルーパスも披露。アイスタではラストプレーとなり、試合後は清水サポーターにも挨拶に向かい大きな拍手を受けた。
FW
11 小林 悠 6(58分IN)
80分の決定機を決めきれなかったのは悔やまれるが、清水の守備陣を慌てさせる動き出しやシュートを随所に見せ、流れを引き寄せた。
MF
19 齋藤 学 5.5(77分IN)
左ウィングに入り、押し込む展開のなかでシュートチャンスも多かったが、決めきれなかったのは残念。
34 山村和也 6(77分IN)
86分の西澤の好機をきっちり止めるなど、安定したプレーで終盤の守りを引き締め、セットプレーでチャンスにも絡んだ。
監督
鬼木 達 5.5
優勝決定直後のホッとしたなかで、前半は良い形で試合に入らせるのが難しかったが、後半は修正に成功。ただ、勝点3には届かなかった。
※MAN OF THE MATCH=取材記者が選定するこの試合の最優秀選手。
※採点は10点満点で「6」を及第点とし、「0.5」刻みで評価。
※出場時間が15分未満の選手は原則採点なし。
取材・文●前島芳雄(フリーライター)
Jリーグ各クラブの最新情報はアプリで!