見どころ・戦評
[J1リーグ27節]柏1-1大分/12月9日(水)/三協フロンテア柏スタジアム
【チーム採点・寸評】
柏 6
前半は大分にボールを握られる時間帯もあったが、ハーフタイムの修正によって後半はリズムを掴み、セットプレーから先制点を挙げた。しかし追加点のチャンスでは決め切れず、逆に試合終盤には一瞬の隙を突かれて同点を許し、1−1のドローに終わった。
【柏|採点・寸評】
GK
17 キム・スンギュ 6
大分のシュートが正面を突いたこともあるが、いくつかあった危ない場面では冷静なシュートストップを見せた。
DF
25 大南拓磨 6
大分のプレッシャーを受けて展開できない場面こそあったが、ディフェンスラインの背後のスペースを狙う大分に対し、持ち前のスピードとカバーリング力を活かして対応した。
2 鎌田次郎 5.5
約3か月ぶりの出場だったせいか、対人守備で剥がされる場面が見受けられ安定感に欠けた。
4 古賀太陽 6
大分の前線からのプレスを受けても矢印を折るプレーでビルドアップの入り口を作る。自ら持ち運ぶ場面もあり、瀬川へのサポートも良かった。
6 高橋峻希 6
前半終了間際のピンチでは高澤によく付いていった。後半は積極的にクリスティアーノ との連係で攻撃の意識も強く、チャンスにも絡んだ。
MF
8 ヒシャルジソン 6
マッチアップした前田を牽制し続け、ボールを持った際には攻撃の起点となるばかりか、自ら運んで推進力を与えていた。
27 三原雅俊 6
中盤でのボールへのアプローチが早く、攻守のつなぎ役として存在感を発揮。状況を見て最終ラインに落ちてビルドアップにも加わった。
18 瀬川祐輔 6
背後のスペースを狙う高山への対応や、田中との1対1など守備面で貢献度の高いプレーが多かった。
MF
9 クリスティアーノ 6
呉屋の頭にピンポイントで合わせたCKの精度は抜群だった。また、強烈なシュートを狙うなど得点こそなかったが大分に脅威を与えていた。
FW
33 仲間隼斗 6(82分OUT)
後半はネルシーニョ監督の指示どおりにライン間でパスを引き出し、チームがリズムを掴む要因になる。ただ、50分の場面は決めなければならない決定機だった。
MAN OF THE MATCH
19 呉屋大翔 6.5(85分OUT)
21分のFK獲得につながる抜け出しを含め、駆け引きをしながら前線で起点となる。47分には自ら創出したチャンスで獲得したCKから、鮮やかなヘディングを決めて先制点を挙げる。
交代出場
MF
39 神谷優太 −(82分IN)
出場時間が短く、攻撃では爪痕を残せず。失点場面では小林へアプローチに行ってしまったため、岩田をフリーにしてしまった。
FW
14 オルンガ −(85分IN)
連戦のためスタメンを回避し終盤に登場。わずかな出場時間の中でも得点の雰囲気を漂わせた。
監督
ネルシーニョ 6
6連戦の真っ只中ということもあり、前節からスタメン4人を変更。いずれも久々に出場した選手たちだったが、戦術的なプランは狙いどおりの展開に持っていくことができた。
※MAN OF THE MATCH=取材記者が選定するこの試合の最優秀選手。
※採点は10点満点で「6」を及第点とし、「0.5」刻みで評価。
※出場時間が15分未満の選手は原則採点なし。
【チーム採点・寸評】
大分 6
前半は優勢に進めていたがチャンスでは決定力に欠けた。後半になると柏に主導権を奪われ先制を許したが、再び盛り返した終盤に岩田のミドルシュートが決まって引き分けに持ち込んだ。
【大分|採点・寸評】
GK
1 高木 駿 6
CKから1失点こそ許したが、クリスティアーノの強烈なシュートや仲間の決定機を食い止めるなど90分を通じて安定。
DF
5 鈴木義宜 6
46分に呉屋の折り返しを、ゴール方向を向いた状態でクリアしたプレーは見事だった。後方からのビルドアップでも冷静に配給役をこなす。
19 星 雄次 6
序盤から高い位置へ出ていく意識が見られた。後半も三竿、町田と高い位置で起点となる。ただ、18分のチャンスはフリーだったのでせめて枠は捉えたかった。
29 岩田智輝 6.5
後方からパスを配るほか、柏のプレスが緩いときには攻撃にも出ていった。85分には相手のアプローチの甘さを突いて右足を振り抜き、チームとして4試合ぶりの得点を挙げた。
41 刀根亮輔 5.5(62分OUT)
裏抜けを狙う呉屋に対応に後手を踏み、47分のCKでは前に入られた呉屋を掴み切れずに先制点を献上した。
MF
4 島川俊郎 6
中盤でボールに何度も関わりパスワークの潤滑油となった。85分の同点場面でも町田に縦パスを入れる。
23 高山 薫 6(62分OUT)
立ち上がりこそ瀬川の背後を取ってボックス内に侵入したが、その後は瀬川に背後への抜け出しを消されてしまう。しかし同時に瀬川の攻撃参加も許さなかった。
32 前田凌佑 6(72分OUT)
マッチアップしたヒシャルジソンの守備の網にかからないように、ポジションに気を遣いながらビルドアップの経由視点として島川とともに攻守のつなぎ役を果たす。
FW
18 伊佐耕平 6(77分OUT)
後方からのフィードに対し、柏のハイラインの背後を取りにいく。鎌田のタイトな守備を受けながら、ボールを収めて前線で起点にもなった。
27 三平和司 6(72分OUT)
ハイラインの柏の背後のスペースを狙い、守備でも果敢なプレスを見せた。後半は左のシャドーに入り、ライン間のスペースを取りにいった。
36 髙澤優也 6.5
前半アディショナルタイムのクロスに合わせた場面では、高橋の執拗なマークもあってシュートはGKの正面を突いた。85分にはフリーで入ってきた岩田に落として同点弾をアシスト。前線からのプレッシングも良かった。
交代出場
DF
3 三竿雄斗 6(62分IN)
投入以降、自分で仕掛ける場面もあれば、早いタイミングでクロスを入れこともあり、明らかに左サイドが活性化された。
MF
11 田中達也 6(62分IN)
ドリブル突破が直接結果に表れたわけではないが、仕掛ける姿勢を見せた後に右のワイドにポジションを取っていたことで瀬川の注意を引きつけ、同点弾を決めた岩田がフリーになる状況を作った。
MF
6 小林裕紀 6(72分IN)
85分には絶妙のポジショニングで三原と神谷のアプローチを引き受け、さらに髙澤に付けた縦パスが同点弾につながる。
MF
8 町田也真人 6(72分IN)
ライン間に顔を出し、攻撃にアクセントを与えた。85分の同点の場面も、町田のポジショニングが柏のズレを引き起こした。
FW
9 知念 慶 −(77分IN)
短い出場時間の中でもポストプレーと前線からのプレッシングで、終盤のチームに勢いをもたらした。
監督
片野坂知宏 6
前半から良い展開に持ち込みながら柏に先制を許す形になったが、早いタイミングで次々と交代選手を投入して流れを引き戻す。勝利は逃したものの、4試合ぶりの得点でドローに持ち込む。
※MAN OF THE MATCH=取材記者が選定するこの試合の最優秀選手。
※採点は10点満点で「6」を及第点とし、「0.5」刻みで評価。
※出場時間が15分未満の選手は原則採点なし。
取材・文●鈴木潤(フリーライター)
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