見どころ・戦評
[J1リーグ32節]名古屋0-0横浜FC/12月12日/パロ瑞穂
【チーム採点・寸評】
名古屋 5.5
今季16試合目の無失点試合も攻撃陣がふるわず。後半にはPKの判定が覆る不運もあったが、それまでに決められる決定機は多かった。退場者も出し、後味が少し悪い試合に。
【名古屋|採点・寸評】
MAN OF THE MATCH
GK
1 ランゲラック 6
全体としては仕事の少ない試合も、後半に相手が勢いづいた時間帯をきっちり防ぎきった。在籍3年間で100試合出場達成は素晴らしい記録で、その安定感あっての勝点1でもある。
DF
34 オ・ジェソク 6
斉藤光毅のドリブルにしっかり対応し、相手の速攻にも壁となって立ちふさがった。攻撃面でのフォローの数も多く、自分のサイドからのチャンスメイクはさせなかった。
4 中谷進之介 6
前節で左手を負傷も問題なくプレー。守備でなかなか捕まえきれないところもあったが丸山とともにゴール前を固め、ディフェンスラインの突破は許さなかった。
3 丸山祐市 6
対人、カバーリングともにアベレージ高くプレー。PK判定の場面では自チームのスタッフたちも制して審判とのコミュニケーションを取るなど毅然とした態度を見せた。
23 吉田 豊 6
マギーニョの突破にはやや手を焼いたが、それ以外では流石の攻守を見せた。ボール運びもスムーズだったが、引いて守っていたぶん前線が遠かったか。
MF
16 マテウス 6
チーム全体の重心が低い試合でやや孤立するところが目立った。セットプレーでも普段の精度が出せず、FKのチャンスも外し続けた。
15 稲垣 祥 6
敵将も唸った絶妙な守備の間合いで横浜FCの攻撃を寸断し、時にそのまま前へ出るダイナミックさを見せた。高い位置でのインターセプトはお見事。
MF
2 米本拓司 6(75分OUT)
インテンシティの高さはいつも以上で、ラスト瑞穂に気合が入ったか。しかしギリギリの接触プレーも多く、警告をもらう前に交代させた印象も残る。
27 相馬勇紀 6
前節でつけた勢いを生かして先手を取るプレーが多かったが、後半の決定機は決めておきたかったところ。その直後に交代したのはたまたまだが、プレーのキレが今日は結果にはつながらなかった。
FW
10 ガブリエル・シャビエル 5
前半から細かくポジショニングを修正されつつ前線の起点となってプレーしていたが、PK判定の取り消し直後にあまりに軽率なラフプレー。82分に一発レッドで試合の流れを壊した。
11 阿部浩之 5.5 (HT OUT)
守備から攻撃の切り替えが遅く、相手のセットされた守備を相手にする中ではなかなかボールが入ってこなかった。
交代出場
FW
25 前田直輝 6(HT IN)
後半頭からFWの位置に入ってプレー。相手の守備がセットされていることが多い中では、サイドチェンジや縦への突破を増やすなど模索したが、決定的な仕事には至らず。
FW
17 山﨑凌吾 6(66分IN)
負傷は完治していないが気合の復帰。フィードに対してはほぼ競り勝てていただけに、そのこぼれや落としをチームがもっと活用したかったところ。
MF
8 ジョアン・シミッチ 6(75分IN)
やや入れ込みすぎていたように見えた米本に代わってピッチイン。ゲームメイクの方ではそれほどの効果が出せず、空中戦では幻のPKを演出するなど強さを見せた。
監督
マッシモ・フィッカデンティ 6
横浜FCの良さはほぼ消していたが、その分だけ名古屋の攻撃力が犠牲になっていた嫌いも。決定機を決めていれば……という試合でもあるが、守れているぶん攻撃にもっと強さを出したかった。
※MAN OF THE MATCH=取材記者が選定するこの試合の最優秀選手。
※採点は10点満点で「6」を及第点とし、「0.5」刻みで評価。
※出場時間が15分未満の選手は原則採点なし。
【チーム採点・寸評】
横浜FC 6
最後まで勝利を目指して攻撃に出ていった姿勢は清々しく、巧みなポジショニングからのパスのつなぎ方もまた爽快だった。あとは決定機の作り方、その精度か。
【横浜FC|採点・寸評】
GK
44 六反勇治 6
クロスをはじめ相手の突破には常に冷静な対応でピンチを免れる。GKなどではCB顔負けのパスを披露し、良いビルドアップを支えていた。
DF
3 マギーニョ 6 (88分OUT)
序盤こそ引いた相手の守備網に飛び込めずにいたが、時間経過とともに持ち味を発揮。後半になるとマテウスの突破に蓋をする活躍を見せ、足をつっての退場が残念だった。
5 田代真一 6
細かな指示でディフェンスラインから中盤のバランスまで守備を統率し続け、後半にはさらに前進して攻撃参加も。PKになりかけた場面は危なかったが、判定が覆って命拾い。
26 袴田裕太郎 6
田代よりもプレー範囲を広くとり、ボールに対するアプローチに力を見せた。後半もセーフティなプレーを続け、相手の攻撃を跳ね返した。
14 志知孝明 6
攻撃に転じれば左サイドを一人でカバーするポジショニングとスピードを見せた。後半も高い位置を取る果敢さは薄れず、チームの推進力になった。
MF
7 松浦拓弥 6(88分OUT)
右サイドからやや中寄りのポジショニングでボールの中継点に。マギーニョの攻撃力を引き出す巧みさも見せ、後半はさらに中央で軽快なボールさばき。
6 瀬古 樹 6
ボックス・トゥ・ボックスの運動量で攻守にボールを追い続けた。常に冷静なパフォーマンスで攻撃を前に進める役割を担い、後半には決定機も。
MF
30 手塚康平 6
低めの位置取りでCBたちと連係をとり、ビルドアップに変化をつけた。コーナーキックでも好機を演出し、瀬古とともにチームを牽引し続けた。
15 齋藤功佑 6(90+5分OUT)
攻撃では志知のプレーエリアを空けながら中央で起点をつくった。守備にも精力的に参加し、目立たないところチームの安定した戦いを支えていた。
FW
23 斉藤光毅 6 (60分OUT)
彼にボールが入ると横浜FCの攻撃は加速した。ドリブルとパスのバランスも良く、シュートに鋭さも。早い段階での交代で持ち味は出し切れなかったが、見せ場はつくったか。
9 一美和成 6(60分OUT)
斉藤が加速させる攻撃の中で、中央でCBたちとの駆け引きを続けた。決定機は少なかったが献身的なプレーも多く、シュートがもっと打てていれば、という印象。
交代出場
FW
13 瀬沼優司 6(60分IN)
泥臭くも馬力を感じるプレーでカウンターの勢いを出した。マギーニョが治療でいない時間にはサイドバックに入るなどチームに徹する姿勢も良かった。
FW
16 皆川佑介 6(60分IN)
風上に立った後半に投入され、前半より増えたフィードに高さを生かして優位性を確保。ポストプレーでチャンスを作るなど前線の起点となった。
MF
28 安永玲央 -(88分IN)
終盤に攻めの姿勢を打ち出すべく投入され、中盤から臆せず前へとボールを運んでいった。
MF
27 中山克広 -(88分IN)
サイドハーフに入って好クロスもひとつ。勝点1に満足しないチームの気持ちを汲むように、サイドからの仕掛けを狙った。
FW
25 草野侑己 -(90+5分IN)
プレー時間はほとんどなかったが、最後までチームが攻めにかかることを意識させるような、メッセージ性のある交代だった。
監督
下平隆宏 6
巧みなポジショニングによって名古屋の堅守に的を絞らせず、相手が10人になってからはさらに攻撃性を増して試合を進めた印象。アウェーでも勝点1を良しとしなかった。
※MAN OF THE MATCH=取材記者が選定するこの試合の最優秀選手。
※採点は10点満点で「6」を及第点とし、「0.5」刻みで評価。
※出場時間が15分未満の選手は原則採点なし。
取材・文●今井雄一朗(フリーライター)
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