見どころ・戦評

[J1リーグ34節]鹿島1-1C大阪/12月19日(土)/カシマ
【チーム採点・寸評】
鹿島 5.5
ACL出場の可能性をつなぐには勝つしかなかった。83分に先制されたものの、その7分後にエースの一発で振り出しに戻す。終了間際の猛攻も叶わず、負けに等しい引き分けに泣く。
【鹿島|採点・寸評】
GK
31 沖 悠哉 6
鮮やかなシュートによって失点したが、ハイラインの背後のスペースを適時カバーしつつ、79分の1対1のピンチでは身体を投げ出して止めた。
DF
6 永木亮太 5.5(64分OUT)
右SBとして高い位置取りをしながらクロスを供給するなど、積極的に攻撃に絡んでいく姿勢を見せたが、なかなか実を結ばなかった。
39 犬飼智也 6
攻撃時のセットプレーでは虎視眈々とゴールをねらった。こぼれ球に反応した後半アディショナルタイムのシュートは惜しくもGKの正面を突き、値千金の逆転弾とはならず。
28 町田浩樹 5.5
立ち上がりから天を仰ぐようなパスミスを繰り返してしまった。ドリブル対応も後手を踏むケースが散見され、“自分の間合い”で勝負できていなかった印象だ。
5 杉岡大暉 5.5
およそ2か月ぶりの公式戦。しかも試合直前のスタメン変更に伴い、急きょピッチに立った。実戦感覚を呼び覚ますまでに時間がかかるも同点ゴールへの足掛かりとなるロングフィードを送った。
MF
20 三竿健斗 5.5(78分OUT)
32分、ビルドアップ時のミスを挽回しようと手が出てしまい、警告を受ける。前半のうちに“2枚目か”と思われるような微妙なコンタクトもあり、その後、持ち前のアグレッシブさがトーンダウン。
4 レオ・シルバ 6
攻撃に有効なスペースを見つけられずに苦慮。業を煮やしたのか、自らドリブルで持ち込み、相手選手と正面衝突し、ヒヤリとするシーンも。
MF
7 ファン・アラーノ 5.5(78分OUT)
右サイドで縦関係になる永木が前に出ていくぶん、自身のスタートラインはやや後ろめになったか。効果的な攻撃アクションを披露できないまま、ベンチに下がった。
8 土居聖真 5.5(78分OUT)
低調というわけではないが、何かを巻き起こすほどの起爆剤にもなりきれず、不完全燃焼か。モヤモヤを残した。
FW
9 エヴェラウド 6.5
前節の負傷のためにフェースガードを着用しての登場。同点ゴールを決める直前、バイシクルシュートを放ち、スタジアムを沸かせた。
36 上田綺世 5.5
この日は「彼の日ではなかった」ということか。ポストを叩いたり、GKの好セーブに阻まれたり、シュート6本も空砲に終わる。
交代出場
DF
22 広瀬陸斗 5.5(64分IN)
右サイドの攻撃を活性化するために投入されたが、得点に直結するようなイキイキとしたクロスは上げられなかった。
MF
25 遠藤 康 ―(78分IN)
82分、左サイドからのロビングがクロスバーギリギリに飛び、相手GKを慌てさせた。少ない時間のなかで、好機を探り続けた。
MF
26 荒木遼太郎 ―(78分IN)
土居に代わって、左MFに入る。いつだって全力プレーは変わらず、公式記録上、シュートも1本打った。
MF
27 松村優太 ―(78分IN)
スピードを生かしたドリブルで、右サイドを疾走。追いすがる相手をものともしなかったが、決定的なシーンまでは至らなかった。
監督
ザーゴ 5.5
「相手は引き分け狙いであることは分かっていた。“焦らないように”と選手たちに伝えていたのだが」と、望む結果を得られず、指揮官は悔しさをにじませた。
【チーム採点・寸評】
C大阪 6
掲げた目標に向かって現実的な戦いに終始。組織的な守備からのカウンターアタックに徹し、ACL出場権を得るうえで、必要な勝点1をきっちり積み上げた。
【C大阪|採点・寸評】
MAN OF THE MATCH
GK
21 キム・ジンヒョン 6.5
試合終了間際の猛攻を凌いだことに目がいきがちだが、90分を通して最後尾から的確なコーチングでチームを鼓舞。ドロー決着の原動力となった。
DF
3 木本恭生 6
強烈2トップにひるまず、果敢に挑んだ。「伝統のある鹿島に対してアウェーでの引き分けは満足できる結果」と胸を張った。
15 瀬古歩夢 6.5
21分、自陣ゴールに戻りながらスルーパスをカットし、ピンチの芽をつんだ。危機察知能力の鋭さを垣間見せた。
22 マテイ・ヨニッチ 6
失点シーンの直前に相手に若干押されていた感があったが、すぐさま切り替えて自身のやるべき任務に戻った。集中を切らさない振る舞いは、まさにディフェンスの鑑だ。
MF
5 藤田直之 6
65分に右スペースにふわりとしたパスを清武に出し、チャンスメーク。ピッチを幅広く使う展開力も合わせ、中盤の組み立て役を担った。
16 片山瑛一 6
左アウトサイドでスタートし、69分に丸橋投入後はボランチにポジションを変えた。ゲームプランに基づく汎用性の高さを示した。
17 坂元達裕 5.5(69分OUT)
51分、右サイドからなかにドリブルで持ち込み、ゴール右に流れた豊川に絶妙スルーパス。キラリと輝きを放つも“らしいシーン”はこのくらいだったか。
25 奥埜博亮 6.5
ちょっとしたミスが少なくなかったが、それを補ってもあまりあるほどのハードワークで、チームの屋台骨を支えた。終盤になってもなお足を止めないタフさは驚嘆に値する。
FW
10 清武弘嗣 6(89分OUT)
65分、ゴール前に走り込む柿谷にドンピシャのアーリークロス。シュートがバーを越えた瞬間、「決めろや!」という内なる声が聞こえた気がした。
13 高木俊幸 5.5(HT OUT)
33分、およそ35メートルのFKをブレ球でねらったが、枠をとらえることはできなかった。攻撃の突破口になりきれないまま前半で交代。
32 豊川雄太 5.5(60分OUT)
重心が後ろにあったチームの戦略上、前線で孤立する状況が続くのは致し方ない。51分、坂元からのスルーパスを受け、迷わず右足を振り抜いたが、相手GKに阻まれた。
交代出場
DF
2 松田 陸 6.5(HT IN)
83分、先制点となる見事なコントロールショットに本人もビックリ。「左足でのゴールは記憶にない。初めてじゃないかな」とご満悦だった。
FW
8 柿谷曜一朗 5.5(60分IN)
ピッチに立つとやはり華があり、何かを起こしそうな雰囲気を醸し出す。3回のビッグチャンスに絡んだが、ノーゴールに終わったのもまた事実。
DF
14 丸橋佑介 5.5(69分IN)
やや精彩を欠く坂元に代わり、ピッチに送り出され、左アウトサイドに入る。攻撃的な持ち味を抑えつつ、守備に意識を置きながらプレーした。
FW
9 都倉 賢 ―(89分IN)
疲れの見える清武に代わって入り、1-0のリードを堅持し、試合を終わらせるはずだった。
監督
ロティーナ 6
2年間にわたりC大阪の監督を務めてきたが、この日がラストゲーム。天皇杯の結果次第とはいえ、リーグ4位に入り、ひとまずACL出場の可能性を残した。
※MAN OF THE MATCH=取材記者が選定するこの試合の最優秀選手。
※採点は10点満点で「6」を及第点とし、「0.5」刻みで評価。
※出場時間が15分未満の選手は原則採点なし。
構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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