見どころ・戦評
[J1リーグ34節]柏2-3川崎/12月19日(土)/三協フロンテア柏スタジアム
【チーム採点・寸評】
柏 5.5
前半は守備が機能し、出足鋭いインターセプトからカウンターでチャンスを作った。一時は2点をリードしたが、徐々にペースを握った川崎の圧力に耐えきれずに後半は3失点。逆転負けを喫した。
【柏|採点・寸評】
GK
17 キム・スンギュ 5
好セーブも見られたが、55分のイージーなキックミスが2失点目につながる。試合の流れを大きく左右した痛恨のプレーだった。
DF
13 北爪健吾 6
前半から積極的な攻撃参加を見せた。2得点目は登里への執拗なチェイシングでボールを奪い取り、セカンドボールにも反応して瀬川の得点をアシストした。
25 大南拓磨 5.5
ゴール前に入ってきたクロスに対するクリアや、身体を張ったシュートブロック、カバーリングで存在感は見せた。81分の失点は、チームとしてボールの失い方自体が問題だったが、大南が前に出ていったことで生じた背後のスペースを家長に突かれてしまった。
50 山下達也 6
後方から絶え間ないコーチングで守備陣とボランチを動かし、川崎の攻撃に応戦。L・ダミアンとは球際で激しいバトルを繰り広げた。
4 古賀太陽 5.5
ビルドアップでは配球役になり、守備でも前半は出足の良いカットが見られたが、後半は家長の対応に苦しんだ。後半アディショナルタイムのビッグチャンスのシュートは惜しくもサイドネットへ逸れた。
MF
7 大谷秀和 5.5(79分OUT)
前半は三原とともにフィルターの役目を果たすも、川崎がペースを握ると、ともに守備に追われ奪ったボールを展開できなくなっていった。
27 三原雅俊 5.5
セカンドボールへの対応は早かったが、相手の素早いプレッシャーを受けたことで何度か引っかかる場面も見られた。
10 江坂 任 5.5(64分OUT)
ボールを持って前を向いた際には守田や田中の激しい潰しに遭い、普段のアクセントとなる効果的な攻撃を繰り出せなかった。川崎のCKでは、先に跳ばれた家長に反撃の1点を返された。
18 瀬川祐輔 6(79分OUT)
守備では食いついて背後を取られる場面もあったが、前半までのウィングバックからサイドハーフにポジションを移し、46分には鮮やかな追加点を決めた。
FW
9 クリスティアーノ 6
オルンガへの背後のパスで先制点をアシスト。北爪とのコンビで右サイドからのカウンターで攻撃を活性化した。ほかにも得点には至らなかったが、ゴール前へ際どいボールを供給していた。
14 オルンガ 6.5(75分OUT)
14分に圧倒的なフィジカルとリーチの長さを生かして先制弾を挙げる。また、ジェジエウとのフィジカルコンタクトでは相手を吹き飛ばすなど規格外の力を誇示。しかし追加点の決定的チャンスではGKの正面を突く。
交代出場
MF
33 仲間隼斗 6(64分IN)
球際の激しいコンタクトでマイボールにする場面が多く、攻撃のアクセントになる。90分のミドルシュートは惜しくもバーに阻まれた。
FW
19 呉屋大翔 5.5(75分IN)
幅広い動きだしで味方からボールを呼び込み、ボックス内に入る場面はあったが、シュートまでは打たせてもらえず。
DF
6 高橋峻希 ―(79分IN)
難しい体勢でのキープから味方に出した横パスを奪われ、3失点目に直結する川崎のカウンターを浴びる原因を作ってしまった。
MF
5 小林祐介 ―(79分IN)
積極的にボールに絡み、自らボールを運んでチャンスへ結びつけるなど、短い時間ながら光るプレーも見られた。
監督
ネルシーニョ 5.5
前半は準備してきたプラン通りの展開に持ち込んだ。2−2にされてからは仲間、呉屋を投入して勝ち越しを狙うも、川崎ペースの流れを変えるまでには至らなかった。
※MAN OF THE MATCH=取材記者が選定するこの試合の最優秀選手。
※採点は10点満点で「6」を及第点とし、「0.5」刻みで評価。
※出場時間が15分未満の選手は原則採点なし。
【チーム採点・寸評】
川崎 7
オルンガの個の能力に圧倒され、2点を先行される難しい展開になったが、後半から家長と三笘を投入したことで主導権を握り、3点を連取して逆転勝利を飾る。
【川崎|採点・寸評】
GK
1 チョン・ソンリョン 6
失点はオルンガの強烈な個の力と自陣でのボールロストが原因なので責任は問えず。むしろ23分にはオルンガとの1対1で冷静に対応し、決定機を防いだ。
DF
13 山根視来 5.5
攻撃面ではインナーラップで柏の守備を翻弄。ただ、14分にはオルンガとの浮き球の競り合いに負けて失点に絡む。
4 ジェジエウ 6
オルンガとのバトルでは吹き飛ばされる場面もあったが、それでもボックス内ではタイトなマーキングで自由を与えなかった。
34 山村和也 6
カウンターを狙うクリスティアーノと北爪のサイドをカバー。とくにスペースへの飛び出しを狙うクリスティアーノへの素早い対応で、後半は危なげないプレーを見せた。
2 登里享平 5.5(90+7分OUT)
クリスティアーノとのマッチアップでは、フィジカル面で勝る相手に果敢に挑んだ。後半立ち上がりは北爪にボールを奪われ、2失点目のきっかけを作ってしまった。
MF
6 守田英正 6
中盤の底でバランスを取り、パスを散らすだけではなく、守備では江坂へのタイトなマークで柏のキーマンの持ち味を封じた。
25 田中 碧 6.5
後半は柏のボランチに捕まることなく、様々なゾーンに顔を出してはパスの出し入れに関わり、潤滑油的な役割を果たした。CKでは家長の得点をアシストした。
30 旗手怜央 6(78分OUT)
ライン間でパスを引き出す。とくに後半は三笘、登里との連係で柏に守備の的を絞らせず、試合を優勢に進めた。
FW
19 齋藤 学 5.5(HT OUT)
幅を取ってポイントを作ったが、古賀のスライドも早く柏の守備を翻弄することはできなかった。14分の失点前のプレーは、フリーだったが精度に欠け、柏にカウンターのチャンスを与えてしまった。
16 長谷川竜也 5.5(HT OUT)
20分に抜け出してクロスを上げた場面のように、何度か相手ゴールに襲いかかった。ただ、三笘投入のため前半だけで交代となる。
9 レアンドロ・ダミアン 6.5(78分OUT)
常に山下と大南のタイトな守備を受けながらも、55分には相手のミスを見逃さずに同点弾。この1点を機に川崎が試合の流れを掌握した。
交代出場
MF
18 三笘 薫 6.5(HT IN)
55分にはキム・スンギュのキックミスを誘い、81分のカウンターではドリブルで相手守備陣を引きつけて家長をフリーにするとともに決勝点をアシスト。カットインのドリブルも柏守備陣に脅威を与えた。
MF
MAN OF THE MATCH
41 家長昭博 7(HT IN)
2点差にされた直後の48分にはCKからチームを勢いづかせる反撃の1点を挙げ、81分にはカウンターからキム・スンギュの動きを見切って主君の決勝点を決める。
MF
8 脇坂泰斗 ―(78分IN)
短い時間のプレーだったが、投入直後に小林の奪ったボールをダイレクトで三笘につなぎ、決勝点につながるカウンターを発動させた。
FW
11 小林 悠 ―(78分IN)
決勝点は小林のプレスバックによるパスカットが起点。勝負を分けるビッグプレーだった。
DF
5 谷口彰悟 ―(90+7分IN)
負傷した登里に代わって試合終了間際に出場した。
監督
鬼木 達 6.5
前半は柏の堅い守備とカウンターでプランを崩される形になった。しかし、流れを変えた家長と三笘の交代も含め、78分に投入した小林と脇坂も得点に絡むなど、的確な采配で逆転勝利を呼び込んだ。
※MAN OF THE MATCH=取材記者が選定するこの試合の最優秀選手。
※採点は10点満点で「6」を及第点とし、「0.5」刻みで評価。
※出場時間が15分未満の選手は原則採点なし。
取材・文●鈴木潤(フリーライター)
Jリーグ各クラブの最新情報はアプリで!