見どころ・戦評
[J1リーグ2節] FC東京3-2C大阪/3月6日(土)/味の素スタジアム
【チーム採点・寸評】
FC東京 6
前線の助っ人選手たちが万全ではないなかで、しぶとく勝点3を取れたことは大きい。交代出場の選手たちが効果的な働きを示し、選手層に厚みが出てきた。
【FC東京|採点・寸評】
GK
13 波多野豪 5.5
2失点だったが、55分の攻め込まれたシーンなど、身体を張ったセーブで最後のところで踏ん張った。
DF
37 中村帆高 6
最後の部分の精度に課題を残すが、積極的に攻撃参加し、シュートも放つ。前半は対峙する清武に上手くやられていたが、運動量でカバー。
4 渡辺 剛 5.5
開始2分でFKを与え、大久保の先制点では自身の背後を突かれた。それでも空中戦では強さを発揮し、ビルドアップにも積極的に参加した。
MAN OF THE MATCH
3 森重真人 7
前半は押し込まれる展開に苦しんだが、アンカーにポジションを移した後半は持ち前の攻撃力を遺憾なく発揮し、ゲームを一変させた。パス捌きも秀逸で、最後には自ら決勝弾を決める。文句なしのMOM。
6 小川諒也 5.5
失点につながる大久保へのアシストを許すなど、C大阪攻撃陣のクオリティには手を焼いた。それでも高い位置まで攻め上がる姿勢も見せ、シュートも3本記録。
MF
10 東 慶悟 5.5(72分OUT)
アンカーの位置で落ち着いたボール捌きを見せ、劣勢の時間帯でのリーダーシップも発揮した。2失点目では清武に上手くスルーされ原川のシュートに間に合わず。
2 アルトゥール・シルバ 5.5(HT OUT)
持ち前のハードワークが上手くハマらず、イエローカードを受けて前半のみで交代に。機を見た攻め上がりなど可能性は感じさせた。
31 安部柊斗 6
上手く中盤で相手マークを受け渡し、43分のドリブル突破など効果的な仕掛けも。69分には素早い反応でファウルを誘いレアンドロの同点弾をお膳立てした。
FW
27 田川亨介 6(59分OUT)
消えている時間もあったものの、諦めないランニングを続けて、キム・ジンヒョンのミスを見逃さず、3日前のルヴァン杯徳島戦に続き公式戦2戦連続でゴール。
20 レアンドロ 6(90+4分OUT)
本調子とは言えないものの、調子に左右されないキックの技術でFKから1G1A。攻撃時の必要性を再確認させた。
9 ディエゴ・オリヴェイラ 5.5(72分OUT)
昨季の負傷も影響しているのか、存在感を発揮できなかった。指揮官も望む周りを生かすプレーも鳴りを潜めた。
交代出場
DF
32 ジョアン・オマリ 6.5(HT IN)
交代後に失点しているものの、対人守備には強さを発揮した。アバウトに蹴ったボールが田川のゴールへとつながった。
FW
15 アダイウトン 6.5(59分IN)
分かっていても止められない重戦車のようなドリブルは健在。決勝弾に繋がるFKも獲得した。
MF
7 三田啓貴 6.5(72分IN)
投入されてからチームの攻撃がより活性化。右サイドから相手ゴールに迫る回数も増え、78分にはカットインからシュートも放つ。
FW
11 永井謙佑 6.5(72分IN)
83分には強烈なヘッドを叩きつける。前線からのプレスも積極的に行ない、終盤に逆転への流れを作った。
FW
23 渡邊凌磨 ―(90+4分IN)
決勝弾が生まれた直後にクローザーとして投入。出場時間が短いため採点はなし。
監督
長谷川健太 6.5
調子の良い選手たちを先発で送り出していたら違った展開になったかもしれないが、5人交代枠を上手く活用し試合中に立て直した。特に後半から森重をアンカーに上げた采配は見事だった。
※MAN OF THE MATCH=取材記者が選定するこの試合の最優秀選手。
※採点は10点満点で「6」を及第点とし、「0.5」刻みで評価。
※出場時間が15分未満の選手は原則採点なし。
【チーム採点・寸評】
C大阪 5.5
開幕から3試合続けて複数得点を奪うなど良い面もあったが、後半途中からチームの意識が揃わず前線と守備陣が大きく間延びしてしまう悪い面も見られた。テクニカルな選手が多い一方で劣勢時にチームを奮い立たせるようなピッチ上のリーダーの必要性も感じた。
【C大阪|採点・寸評】
GK
21 キム・ジンヒョン 4.5
西尾のバックパスの処理を誤り、田川に詰め寄られて失点。相手がギアを変えてきた時間帯だっただけに、その後の試合展開も左右する痛恨のミスとなってしまった。
DF
2 松田 陸 5.5
攻撃時は相手の脅威になり、守備でも悪くなかったが、アディショナルタイムにアダイウトンを倒してしまい、決勝弾に繋がるFKを献上。
14 丸橋祐介 6
清武、原川という攻撃の起点となっていた同サイドを助け、51分のクロスなど回数こそ少なかったが攻撃にも参加した。
15 瀬古歩夢 5.5(59分OUT)
前半のうちにイエローカードをもらう。フィードで見せ場を作る場面もあったが、トータルでは可もなく不可もなくという印象。後半早々に交代となった。
33 西尾隆矢 5.5
1失点目につながるバックパスはそこまで責任があるものではなかった。狙われた場面も多かったが、83分のレアンドロのシュートを顔面ブロックするなど気持ちの入ったプレーも披露。
MF
4 原川 力 6
相手ペースの時間帯に見事な連係から、移籍後初得点を決めた。個人としては悪くなかったが、狙いの定まらないチームの守備にリーダーシップを発揮してピッチ上で解決策を示したかった。
10 清武弘嗣 6
攻撃時には違いを作り出した。原川のシュートに繋がった58分のゴール前でのスルーも流石だった。
17 坂元達裕 6
守備にも貢献し、早くも大久保との連係が大きな武器となっている。先制弾をアシストし、2点目も二人の連係から生まれた。
25 奥埜博亮 5.5
前半はいたるところに顔を出し、チームの潤滑油として高いテクニックを見せた。だが相手ペースになった後半はしりすぼみに終わる。
FW
20 大久保嘉人 6.5(59分OUT)
得点のみならず、アシストも記録。さらに前線からのプレスやボールの収め方などこの試合のキーマンだった。結果が引き分け以上で終わっていれば間違いなくMOM。
32 豊川雄太 5.5(77分OUT)
豊富な運動量で大久保の周囲を広くカバー。丸橋のクロスボールに55分には飛びこむ場面もあったが、シュートは0本で交代となる。
交代出場
DF
3 進藤亮佑 5.5(59分IN)
守り切るために投入されたはずだが、攻め込んでくる相手を弾き返せず。個人の責任ではないが、不完全燃焼の出来に。
FW
22 松田 力 5.5(59分IN)
大久保との交代で出場。前線からの守備にも奔走するが、周囲との連係が今ひとつだった。85分の攻撃時には高木へスルーパスを通すが、得点には繋がらなかった。
FW
13 高木俊幸 ―(77分IN)
85分にペナルティエリアに侵入した場面が唯一の見せ場。出場時間も少なく、ボールにあまり絡めなかった。
監督
レヴィー・クルピ 4.5
大久保の抜擢や複数得点を奪った攻撃の構築に手腕を発揮した。しかし、2試合続けて逆転負けを喫した、耐え切れない守備は早急に改善が必要だ。交代策でも相手の対応にことごとく後手を踏んでしまった。5人交代枠の使い方も改善が必要か。
※MAN OF THE MATCH=取材記者が選定するこの試合の最優秀選手。
※採点は10点満点で「6」を及第点とし、「0.5」刻みで評価。
※出場時間が15分未満の選手は原則採点なし。
取材・文●渡邊裕樹(サッカーダイジェストWeb編集部)
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