見どころ・戦評
[J1リーグ2節] 柏2-1湘南/3月6日(土)/三協フロンテア柏スタジアム
【チーム採点・寸評】
柏 6.5
リズムを握った序盤に先制したが、その後は拙攻が目立った。前半終了間際に同点にされたものの、後半途中の選手交代とシステム変更でふたたびリズムを取り戻す。呉屋の2得点で今季初勝利を飾った。
【柏|採点・寸評】
GK
17 キム・スンギュ 6
枠内シュートが少なかったため、ビッグセーブでピンチを救う場面はなかった。クロスボールの処理では安定感を発揮し、後方からのコーチングでも存在感を示した。
DF
6 高橋峻希 6.5
ピンポイントクロスで呉屋の先制点をアシスト。果敢な攻撃参加でサイドに厚みをもたらした。
25 大南拓磨 6
高さを生かしてハイボールをはね返す強さを見せた。ただ同点に追いつかれた場面では、大橋を潰せなかったことが悔やまれる。54分の中村のシュートは、足を出して阻止した。
15 染谷悠太 6.5
石原直、大橋との激しいバトルにも、屈することなくフィジカルの強さを発揮。最終ラインからのコーチングでもチームを統率した。
4 古賀太陽 6
常にパスを受けられるポジションを取り、味方の逃げ道を作る。また湘南のプレスをかわし、ビルドアップの起点としてボールを動かした。
MF
8 ヒシャルジソン 6
球際で強さを発揮する一方、ポジショニングを誤り、守備のアプローチに遅れる場面も見られた。それでも、後半途中のシステム変更でインサイドハーフを務めると、決勝点に絡む。
26 椎橋慧也 6.5(67分OUT)
システムを変えた後、インサイドハーフに入って湘南の守備を撹乱。66分にはゴール前でヒシャルジソンのクロスをヘッドで反らし、呉屋の決勝点をアシストした。
18 瀬川祐輔 6(58分OUT)
ウイングバックでの起用だったため、ゴール前に入っていく回数よりも、プレスバックなどの献身的な守備が光った。ただ、失点場面では攻守の切り替えで岡本に上回られてしまう。
FW
10 江坂 任 6.5
システム変更で2トップの一角に入ってから本領発揮。呉屋のポストプレーを受けると、ヒシャルジソンに絶妙のパスを通して決勝点を演出した。
9 クリスティアーノ 6(55分OUT)
連戦の疲労からか普段のダイナミックなプレーは少なかった。それでも右サイドに大きく振ったサイドチェンジのパスで先制点に絡んだ。
MAN OF THE MATCH
19 呉屋大翔 7
14分に高橋峻のクロスを頭で合わせて先制。66分にも椎橋が頭で反らしたボールをワンタッチでゴールへ流し込み、チームに今季初勝利をもたらした。ポストプレーや守備も献身的にこなした。
交代出場
MF
7 大谷秀和 6.5(55分IN)
アンカーのポジションに入ると、全体のバランスを取りながらつなぎ役として停滞していた流れを変えた。66分には鋭い縦パスで攻撃のスイッチを入れ、決勝点へ繋げた。
DF
20 三丸 拡 6(58分IN)
左サイドの高い位置で起点を作り、湘南に傾きかけた流れを引き戻す。守備でも粘り強さを見せた。
MF
33 仲間隼斗 6(67分IN)
リードを奪った状況での投入だったため、攻撃よりも主に守備のタスクを献身的にこなした。
監督
ネルシーニョ 7
湘南に流れが傾きかけた後半、大谷の投入とシステム変更で流れを手繰り寄せる。さらにポジションを変えたヒシャルジソン、椎橋が決勝点に絡むなど、好采配で今季初勝利に繋げた。
※MAN OF THE MATCH=取材記者が選定するこの試合の最優秀選手。
※採点は10点満点で「6」を及第点とし、「0.5」刻みで評価。
※出場時間が15分未満の選手は原則採点なし。
【チーム採点・寸評】
湘南 5.5
前半終了間際に鋭いカウンターから同点に追いつくと、そこから主導権を握る。しかし、再三の決定機を仕留めきれなかったことが最後まで響き、1-2で敗戦。開幕2連敗となった。
【湘南|採点・寸評】
GK
1 谷 晃生 5.5
37分のクリスティアーノのFKでは、リフレクトした難しいボールを確実に処理。それでも2失点は悔やまれる。
DF
22 大岩一貴 5.5
セットプレーでは大南に競り勝ち、流れのなかではクリスティアーノに自由を与えなかった。しかし、2失点目の場面では瞬間的に呉屋のマークを放してしまう。
3 石原広教 5.5
43分には、クリスティアーノを挟み込んだ守備から、ワンタッチパスで同点弾に繋がるカウンターを発動。しかし1失点目は呉屋に競り負け、2失点目ではニアサイドの椎橋を捕まえきれなかった。
32 田中 聡 6
2失点目のシーンでは味方のボールの失い方が悪く、自分が前に出ていってしまったことで空けたスペースをヒシャルジソンに使われた。それでもビルドアップでは適切なポジショニングでテンポを生み出し、機を見て効果的な縦パスも入れた。
MF
6 岡本拓也 6.5
43分、長い距離のフリーランニングでカウンターからの好機をしっかりと仕留める。75分のボレーは惜しくもバーを叩いたが、存在感はあった。
14 茨田陽生 5.5(HT OUT)
序盤、柏のカウンターを遅らせた守備対応は良かった。しかし攻撃で狙い通りのリズムを出せず、前半だけで交代となる。
25 中村 駿 6(90+5分OUT)
巧みなポジション取りでパス回しの潤滑油となり、長短のパスで好配球を見せた。54分のシュートは大南が出した足に阻まれた。
10 山田直輝 6(74分OUT)
高橋との連携で左サイドからチャンスを創出。30分に決定機を生み出した大橋へのパスは見事だった。
42 高橋 諒 5(67分OUT)
1失点目は高橋峻への寄せが甘く、さらに守備から攻撃へ切り替わった直後の自身のパスミスが2失点目の引き金に。全失点に絡んでしまった。
FW
17 大橋祐紀 6.5
30分の決定機は外したが、43分のカウンターでは大南のマークを振り切り、岡本の得点をアシスト。ポストプレーでも存在感を示した。
13 石原直樹 5.5(67分OUT)
染谷のタイトなマークに苦しむ。51分の決定機を外したのは、その後の試合展開に大きな影響を及ぼした。
交代出場
MF
20 名古新太郎 6(HT IN)
後半から出場し、背後への抜け出しで相手守備陣に脅威を与えた。また51分にもビッグチャンスを作った。
MF
5 古林将太 6(67分IN)
左サイドの敵陣深い位置で攻撃の推進力となる。75分には、得点にこそ繋がらなかったものの、突破とクロスでチャンスを作った。
MF
18 平松 昇 5.5(67分IN)
アンカーの両脇のスペースを狙う意図はうかがえたものの、大谷のクレバーな守備に阻まれ起点にはなり切れず。ニアサイドを狙ったシュート性のクロスもキム・スンギュに抑えられた。
MF
29 三幸秀稔 5.5(74分IN)
ビハインドの状況で投入。終盤は縦に速い攻撃が多かったため、ボールに絡む回数は少なく持ち味を出し切れなかった。
MF
30 柴田壮介 ―(90+5分IN)
負傷した中村に代わって、試合終了間際に急遽出場した。
監督
浮嶋 敏 5.5
後半から名古を入れて攻撃にパワーを出した。リードされた後も次々と交代のカードを切り、数多くのチャンスを作るなど采配は悪くなかったが、勝利にはあと一歩届かなかった。
※MAN OF THE MATCH=取材記者が選定するこの試合の最優秀選手。
※採点は10点満点で「6」を及第点とし、「0.5」刻みで評価。
※出場時間が15分未満の選手は原則採点なし。
取材・文●鈴木潤(フリーライター)
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