見どころ・戦評
[J1リーグ3節]柏 0-1 名古屋/3月10日/三協フロンテア柏スタジアム
【チーム採点・寸評】
柏 5
後半に押し込む時間帯があったとはいえ、相手が先制して受けに回った影響もあるだろう。むしろダイナミズムに欠く攻撃が気がかり。目立った決定機はほとんど作れなかった。
【柏|採点・寸評】
GK
17 キム・スンギュ 5.5
柿谷のヘッドを防いだセービングは見事で、その後に稲垣のシュートに素早くしたのもさすが。2度弾いても押し込まれてしまったのだから、失点は相手を称えるべきかもしれない。
DF
24 川口尚紀 5
大きなミスはないが、攻撃面で決定打に欠く。右サイドのオフェンスを活性化させたとは言い難い。
25 大南拓磨 4.5
失点シーンでは柿谷のマークを外し、こぼれ球へのリアクションも遅い。その場面はポジショニングが悪く、相手に背後を取られたのがまずかったか。その他に軽率なミスも散見。身体能力を生かした守備力が魅力だが、それ以前に集中力を欠き、立ち位置の粗雑さが足枷になっている印象がある。
44 上島拓巳 5
35分には素早いカバーリングで宮原の突破を防ぐ。一方で37分には柿谷に華麗なターンを許す。良い面も悪い面も両方出た出来だった。
4 古賀太陽 5
マテウスとマッチアップ。ドリブル突破をあまりさせなかったとはいえ、反面、1対1で距離を空けて対応してしまったため、決勝点につながるクロスを安易に上げさせてしまった。
MF
26 椎橋慧也 6
32分、プレスバックして柿谷からボールを奪取。攻撃面では積極的にボールを受けてパスを捌いた。
8 ヒシャルジソン 6
25分にはマテウス、38分には相馬のドリブルをブロック。守備時の危機察知能力に長けていた。
10 江坂 任 5.5
スタートポジションが右サイドだった影響で消える時間帯もあったが、機を見て中央に立ち位置を移せば、攻撃の中心として機能。特に後半途中からが顕著で、やはり10番はトップ下でこそ輝く。
18 瀬川祐輔 5.5(62分OUT)
57分にボールロストし、そこから決勝点を奪われてしまった。オン・ザ・ボールに課題を残したが、44分にプレスバックからピンチを救ったクリアも忘れてはいけない。
FW
19 呉屋大翔 5(71分OUT)
14分には鋭いターンから右足を振り抜くも、ボールは相手GKにキャッチされた。結局、シュートはこの1本のみ。結果が出ない限り、低評価をせざるを得ない。
31 イッペイ・シノヅカ 5(62分OUT)
トップ下に落ちることもあったが、前半は足もとでボールを持てば相手に潰されるばかり。挽回した後半は果敢なドリブルやクロスを見せたが、決定機には絡めなかった。
交代出場
FW
9 クリスティアーノ 5.5(62分IN)
力感溢れるドリブル突破を見せたが、クロスやシュートの精度を欠いた。
MF
33 仲間隼斗 5.5(62分IN)
味方とのコンビネーションは良いが、単独の打開力に乏しいのが気になる。
FW
35 細谷真大 5.5(71分IN)
ゴールに絡めなかったものの、要所で面白いドリブルやポストプレーを披露していた。
監督
ネルシーニョ 5
スタート時に江坂をサイド、シノヅカを中央に置いた起用法が機能したとは言い難い。途中から修正したとはいえ、ポゼッションするならやや手遅れな感もあった。
【チーム採点・寸評】
名古屋 6.5
きっちり中央を締め、全員が球際に強く、かつ攻撃から守備に移った際の帰陣も早い。堅守たるゆえんが分かる戦いぶりだった。個の力を生かして1点をもぎ取るあたりにも底力が垣間見える。
【名古屋|採点・寸評】
GK
1 ランゲラック 6
フィールドプレーヤーの働きが素晴らしく、目立ったピンチはほとんどなかった(76分のセーブはそもそも相手がオフサイド)。相手のシュート7本も難なく防ぐ。
DF
6 宮原和也 6
1対1に強く、マッチアップした瀬川にドリブル突破をあまり許さなかった。58分にはハードマークで瀬川のミスを誘発し、決勝点につなげた。
4 中谷進之介 6.5
球際を激しく戦い、相手FWに起点を作らせなかった。カバーリングも冴えていて、気合のこもったディフェンスも光った。
3 丸山祐市 6.5
49分、シノヅカのドリブルコースを読み、クリーンに突破を防ぐ。中谷との関係性も素晴らしく、最終ラインの要として存在感を発揮した。
23 吉田 豊 6
11分、ピンチをかぎ分けクロスを撥ね返した対応は良かった。後方から相馬をサポートし、立ち上がりには右足でミドルシュートも。
MF
MAN OF THE MATCH
2 米本拓司 7(68分OUT)
58分にはセカンドボールを拾い、ダイレクトでマテウスへスルーパスを供給。決勝点の起点になった。また危機察知能力がすば抜けていて、相手のプレーを読み、中盤で何度もパスカット。そこからカウンターにつながったシーンもあり、かなり効果的な働きをしていた。
15 稲垣 祥 7
58分に柿谷のヘディングシュートに素早く反応し、こぼれ球をねじ込む。決勝点を奪うだけでなく、自陣ゴール前でも身体を張ったディフェンスで貢献。さすがの運動量だった。
MF
16 マテウス 6.5
58分、右サイドを抜け出し、切り返しから好クロスを送り込み決勝点に絡む。崩しの急先鋒としても素早いドリブルを披露していた。
7 阿部浩之 5.5(55分OUT)
相手のダブルボランチにパスコースを消され、徹底マークを受けていた。そのため存在感は薄かった。
11 相馬勇紀 6(84分OUT)
得意のドリブルは警戒されていたようで、相手DFを1枚剥がしてもカバーにきた次のDFに防がれたシーンが何度かあった。37分にゴール前へ飛び込んだ動き出しは良かった。
FW
8 柿谷曜一朗 6.5(68分OUT)
8分のシュートミスは残念だったが、58分には強烈なヘッドを放ち、それが決勝点につながった。相手のマークを外す動き出しは巧みで、柔らかいタッチも随所に見せつけた。
交代出場
MF
25 前田直輝 5.5(55分IN)
途中出場後は劣勢の時間帯が長く攻撃面の見せ場が少なかったが、前線からのプレッシングで献身性をアピールした。
FW
9 山﨑凌吾 5.5(68分IN)
最前線で身体を張り、ポストプレーで貢献。ただ、何度か競り負けるシーンがあったのは残念。
DF
14 木本恭生 5.5(68分IN)
押し込まれる時間が長かったが、途中出場後はボランチ、終盤はCBとふた役をこなした。
MF
5 長澤和輝 ―(84分IN)
途中出場後にいきなり警告はいただけないが、激しいプレーでクローザー役を全うした。
監督
マッシモ・フィッカデンティ 6.5
堅守を構築した手腕は称賛に値。木本と長澤を投入した終盤には5バックで逃げ切るなど、さすがの采配だった。
※MAN OF THE MATCH=取材記者が選定するこの試合の最優秀選手。
※採点は10点満点で「6」を平均点とし、「0.5」刻みで評価。
※出場時間が15分未満の選手は原則採点なし。
取材・文●志水麗鑑(サッカーダイジェスト編集部)
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