見どころ・戦評
[J1リーグ6節] FC東京2-1仙台/3月21日(日)/味の素スタジアム
【チーム採点・寸評】
FC東京 6.5
規律違反による試合の2日前からの謹慎で、波多野と安部の主力ふたりを欠いたものの、かえってチーム全体が引き締まり全体としては素晴らしい試合。仕込んだ攻撃の戦術が機能し、児玉と三田が活躍して良い形で7連戦を締めくくった。
【FC東京|採点・寸評】
GK
1 児玉 剛 6.5
波多野が19日から謹慎となっていたこともあり、J1で2試合目の先発を飾った。終始安定したセービングでチームの危機を救った。
DF
4 渡辺 剛 6
セットプレーでの失点場面には絡んでしまったが、全体としてはU-24日本代表招集前に締まったゲームを見せた。この感触を携えていきたい。
6 小川諒也 6
VARが介入したシーンでは、結果的にPKにはならなかったがハンド疑惑の主として目立つ恰好に。試合を通しては堅実なプレーで勝利貢献し、日本代表活動へと向かった。
32 ジョアン・オマリ 6
ディエゴ・オリヴェイラが決めた逆転弾の起点となる働きのほか、渡辺剛とのCBコンビで相手の攻撃をがっちりとガードし、1点リードを守り抜いた。
37 中村帆高 6
前節の左足でのクロスのような美しい技は見せられなかった。しかし、積極的なプレーでリズムを作り出す一部となり、攻守に機能した。
MF
3 森重真人 6.5
いつもの縦横無尽なプレーというほどには暴れられなかったが、田川がゴールを決めるきっかけになった。中盤の一員としても満足するべきプレーを見せた。
7 三田啓貴 7(71分OUT)
オフ・ザ・ボールでの働きが秀逸で、攻撃でも自ら仕掛けるなど特色を見せた。前線への積極的な進出も良かった。
10 東 慶悟 6
ゴールシーンには関与しなかったものの、森重、三田とのトリオでバランスの取れた中盤を形成。フルタイム出場でチームを勝利に導いた。
FW
9 ディエゴ・オリヴェイラ 7
怪我明けとは思えない頑丈さでフル出場。勝ち越しゴールを挙げた際の個人技は、チームに勇気を与えた。
15 アダイウトン 6.5(71分OUT)
雨模様にも適応しそうなイメージ通り、元気良くプレー。シュートは決まらずともカウンターで長い距離を運び、戦局を有利に進めた。
MAN OF THE MATCH
27 田川亨介 7.5(64分OUT)
斜めに入っていく動きで多くのチャンスに絡み、ゴールにも繋げた。もはやU-24日本代表にも自信を持って臨める攻撃の主軸としての働きを示した。
交代出場
FW
23 渡邊凌磨 6(64分IN)(90+3分OUT)
田川との交代でピッチに入り、30分間プレー。リードを守る役割を果たしていただけに、最後の最後での負傷は実に気の毒だ。
MF
14 内田宅哉 6(71分IN)
今シーズンは後半の交代がうまくいっていない感のあるチーム状況のなか、ラスト20分で出場し、最後の時間帯を安定してまとめた。
FW
11 永井謙佑 6(71分IN)
激昂する若い対戦相手をいなしながら時間を有効に使い、チームを勝利に導いた。短めの出場時間でシュートを1本撃っているのもさすが。
MF
2 アルトゥール・シルバ ―(90+3分IN)
渡邊凌の負傷退場によって後半アディショナルタイムに急遽ピッチへ。最後をきっちり締めた。
監督
長谷川健太 6.5
試合の2日前から主力が規律違反によって謹慎処分。まさに監督不行き届きで申し訳ない気持ちもあっただろうが、現在いる選手を引き締めて会心の勝利を掴んだ。攻撃の戦術も機能し、今後が楽しみになる内容だった。
※MAN OF THE MATCH=取材記者が選定するこの試合の最優秀選手。
※採点は10点満点で「6」を及第点とし、「0.5」刻みで評価。
※出場時間が15分未満の選手は原則採点なし。
【チーム採点・寸評】
仙台 5
3月に入って失点が多い。3-4-2-1で守備的にスタートし、セットプレーで先制するところまでは良かった。しかし選手間のスペースやウラにパスを通してくる相手へのカバーがはっきりせず、出し手をフリーにさせてしまったことが致命傷になった。
【仙台|採点・寸評】
GK
27 ヤクブ・スウォビィク 5.5
30分や52分にCKをパンチングで弾くなど反応の良さを見せたが、1対1の場面では防ぎ切れず無念の2失点。
DF
25 真瀬拓海 6(84分OUT)
ボールを持てば質の高いクロスを送り、守備では右大外の防波堤となった。右サイドの責務を全うしていただけに敗戦は残念だ。
23 シマオ・マテ 4.5(71分OUT)
2失点目の場面でD・オリヴェイラにかわされてしまうなど、ほとんど良いところを見せられず。4バックへのシステム変更時に交代で退いた。
13 平岡康裕 5
18分にD・オリヴェイラをスライディングで止めたが、それ以外の場面では対人で簡単に抜かれてピンチを招いていた。
4 蜂須賀孝治 6(76分OUT)
右CKから、渡辺剛のマークを外して頭で合わせた先制点はお見事。真瀬と同様に、左サイドでよい動きを見せていた。4バックへの移行後も5分間プレーした。
MF
16 吉野恭平 6
3バックの右と4バックのCBを務め、90分間プレー。フォーメーション変更を支え、試合終了まで希望を繋いだひとり。
8 松下佳貴 5.5
ボランチでコンビを組んだ上原と、ゲームをコントロールしようと試みたが、2点目への流れを作ることは出来なかった。
20 マルティノス 4
イライラが表面に出やすく波のあるプレーに。相手DFの至近距離ブロックが容易に予測される場面で雑に蹴るなど、良くない面が目立った。
6 上原力也 6
先制点に繋がった右CKをはじめ、高い精度のキックでキッカーとしても攻撃に貢献。中盤でのディフェンスでも奮闘した。
MF
32 氣田亮真 5(84分OUT)
攻守両面に渡ってうまく絡めないまま、終盤まで時間が進んでしまった印象。とくに攻撃面ではもっとインパクトがほしかった。
FW
15 西村拓真 5(76分OUT)
ボールが入って来ず気の毒な面はあるが、3-4-2-1の1トップでほとんど仕事をこなせなかった。2トップの一角での先発を見てみたい。
交代出場
FW
11 赤﨑秀平 5.5(71分IN)
S・マテに代わって出場。4-4-2へとフォーメーションを変更するカギになっていた。欲を言えば短い時間でもシュートを撃ちたかった。
FW
19 皆川佑介 ―(76分IN)
4-2-3-1の1トップを務め、長身を活かして相手ゴール前に迫ったが成果はなし。先発で結果を残して欲しいところだが……。
MF
14 石原崇兆 ―(76分IN)
途中出場で左サイドバックを担当。短い時間ながら、最終ラインを破綻させないだけの働きは出来ていた。
DF
5 アピアタウィア久 ―(84分IN)
88分に永井をアフターで引っ掛け、イエローカードをもらってしまった。不要なファウルで警告はもったいない。ただやる気は感じられる。
MF
26 加藤千尋 ―(84分IN)
90+2分、D・オリヴェイラにゴールライン上で防がれてしまったが、惜しいヘディングシュートを放った。途中出場でヒーローになりかけた活躍は評価したい。
監督
手倉森誠 5
3-4-2-1、4-4-2、4-2-3-1を時間帯ごとに使い分けてゲームを進めていくプランニングは良かったが、守備の細部がやや煮詰められておらず2失点で敗戦。戦い方を構築するまであともう少しだ。
※MAN OF THE MATCH=取材記者が選定するこの試合の最優秀選手。
※採点は10点満点で「6」を及第点とし、「0.5」刻みで評価。
※出場時間が15分未満の選手は原則採点なし。
取材・文●後藤 勝(フリーライター)
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