見どころ・戦評

[J1リーグ7節]名古屋0-0FC東京/4月3日(土)/豊田スタジアム
【チーム採点・寸評】
名古屋 6
連勝は6でストップしたが、無失点試合は6戦連続と堅守に磨きはかかるばかり。得点へのアプローチがやや曖昧で、FC東京の守備力を前にして次なる課題が出たか。試合の制御力は盤石の一言。
【名古屋|採点・寸評】
GK
1 ランゲラック 6
前半立ち上がりの連続ファインセーブは彼にとっては普通の範疇か。クロスに対する守備範囲の広さでも相手の攻撃を無効化し、盤石のクリーンシート6枚目。
DF
6 宮原和也 6
アダイウトンとのマッチアップは体格差をものともしないパワフルさ。対応の巧みさとビルドアップでの冷静さもあり、安定したパフォーマンスでチームを支えた。
4 中谷進之介 6.5
左右のスライドも頻繁な守備組織の中で、逆サイドもカバーするほどの守備範囲で相手の攻撃の芽を潰した。強力な相手3トップとのマッチアップも安定し、無失点に大きく貢献。
MAN OF THE MATCH
3 丸山祐市 6.5
指揮官も絶賛の隙のなさ。攻守ともに統率力を見せ、守備の対応にミスはなかった。ハイアベレージの守備力は、対応に難しさを感じさせなかった。
23 吉田 豊 6
副審にパスをする珍プレーはご愛嬌。対人の強さと流動的に動くサイドアタッカーのフォロー、攻撃参加のバリエーションなど良い意味で普段通りの質を見せつけた。
MF
15 稲垣 祥 6
ミドルレンジでボールを受けるとスタジアムがざわめいた。ボールを奪う、相手のチャンスを潰す、という持ち味を存分に発揮し、FC東京の攻撃から選択肢を奪った。
2 米本拓司 6(78分OUT)
文字通りの身体を張った守備で東京の圧力に対抗し、攻撃面ではドリブルに推進力を持ってチームを押し上げた。チームを引き締めるコーチングも多く、闘将の趣。
FW
8 柿谷曜一朗 6(78分OUT)
守備での貢献度も高く、中盤でボールをよく引っかけた。トリッキーなプレー、ゴール前への飛び込みも多く、攻撃に華を添えた。
10 ガブリエル・シャビエル 6(57分OUT)
左右に流れてボールの中継点になり、速攻の出し手としても力を見せた。強いコンタクトにも負けない力強さもあり、狭い局面でも質を落とさずプレー。
16 マテウス 5.5(86分OUT)
能力は見せたがチームがやや後ろに重たく単独攻撃が多かったのが難点。ドリブルも持たされている印象があり、上手く誘い込まれたところもあった。
25 前田直輝 5.5(57分OUT)
ボールタッチにはキレがあったが、マテウス同様に味方の援護が少なかった。それでも突破しシュートまで持ち込んだが、彼の持ち味が活かされ切ったとは言い難い。
交代出場
FW
11 相馬勇紀 6(57分IN)
縦への突破は常にふたりのマークをつけられたが、それを逆手にとってシンプルなプレーでチャンスメイク。同時出場の齋藤との連係も良く、試合の流れにアクセントを加えた。
FW
19 齋藤 学 6.5(57分IN)
ほとんど経験がないというトップ下起用にも高い順応性を見せ、攻撃の流れを変えてみせた。守備からのカウンター発動などコンディションの良さも感じさせ、存在感を見せた。
DF
14 木本恭生 ―(78分IN)
すっかり定番となったボランチでの起用にしっかり応える。FC東京の森重のごとく、最終ラインの援護と中盤での高さ、そしてシュアなパス捌きでゲームを安定させた。
FW
9 山﨑凌吾 ―(78分IN)
前線にパワーを求めた指揮官に起用され、ロングボールを中心にしっかり起点を作った。ゴール前での仕事は少なかったが、中盤の選手にプレーするスペースを与えた働きは大きい。
MF
5 長澤和輝 ―(86分IN)
終盤の守備を安定させるべく投入され、インサイドハーフとして攻守の強度をチームに加えた。
監督
マッシモ・フィッカデンティ 6
堅守は強敵を相手に少しも揺るがず、齋藤のトップ下起用など攻撃面ではまたバリエーションを増やした。得点だけが奪えなかったが、真っ向勝負の試合で得た勝点1に指揮官も納得の表情。
※MAN OF THE MATCH=取材記者が選定するこの試合の最優秀選手。
※採点は10点満点で「6」を及第点とし、「0.5」刻みで評価。
※出場時間が15分未満の選手は原則採点なし。
【チーム採点・寸評】
FC東京 6
立ち上がりから強度の高い試合を展開し、決定機もバリエーション多く生み出した。名古屋の堅守の前にフィニッシュが決まらなかったが、監督、選手ともに納得の内容でアウェーでの勝点1に手応え。
【FC東京|採点・寸評】
GK
1 児玉 剛 6
立ち上がりから冷静な指示でディフェンスを指揮。セービングも安定していた。後半には守備の安定感が増すなか、集中力高くゴール前を締めた。
DF
37 中村帆高 6(22分OUT)
上下動も豊富に前半の右サイドを盛り立てたが、20分で左脚に違和感。無念の負傷交代となった。
4 渡辺 剛 6.5
常に周囲へのコーチングを絶やさず、森重のバックアップを受けつつ中央を引き締めた。カバーリングだけでなく速攻への読みを利かせた対応でも無失点を演出。
29 岡崎 慎 6
渡辺よりも広範囲にボールにアプローチし、名古屋の攻撃に対してクサビを打ち込んだ。パワフルなフィードで後半は攻撃に変化も。
6 小川諒也 6
1対1の強さを出しつつ、相手のストロングポイントのひとつにしっかり蓋をした。そのうえで後半は攻撃面での貢献度を強め、左サイドの高い位置で常にプレー。
MF
3 森重真人 6.5
さすがのパスセンスをアンカーの位置で発揮。3人目のCBとしても最終ラインをバックアップ。名古屋の速攻にもきっちりと中盤のフィルターとなって立ちはだかった。
7 三田啓貴 6(63分OUT)
インサイドハーフとしては前目のポジショニングで攻撃に変化をつける役割に。後半も攻めの圧力をかけ続けたが、流れを変える交代策のなかでピッチを後に。
10 東 慶悟 6(82分OUT)
三田に比べてバランサーとしての役割を担うことが多かったが、着実に攻撃の土台を作った。後半はサイドに回り、ここでも攻撃のベースを担った。
FW
9 ディエゴ・オリヴェイラ 6
さすがの個人能力を随所に見せたが、前半は名古屋の堅守にボールはなかなか集まらず。相手陣にスペースがないなかで突破力は見せたが、シュートは最初の1本だけに。
15 アダイウトン 6(71分OUT)
左サイドで頑強なプレーを見せ、攻撃の起点となった。狭いスペースの中でも焦れずに攻撃の芽を探ったが、今日は相手の守備のほうが一枚上手だった。
27 田川亨介 5.5(63分OUT)
持ち前のスピードをシンプルに出す場面では相手に警戒された印象だが、それを逆手にとってインサイドでのプレーで得点を狙った。両チーム最多3本のシュートを放つ。
交代出場
FW
22 中村拓海 5.5(22分IN)
急きょの出番にも落ち着いて対応し、マテウスらとのマッチアップにも冷静に対処。後半になると攻撃でもリズムを掴んだが、決定的な仕事までには至らず。
MF
31 安部柊斗 6(63分IN)
ボランチの位置に入り、チームの攻守の隙を失くすべく運動量を出していった。局面の激しさも試合の流れを壊さず、落ち着きと激しさが感じられるプレーぶり。
FW
11 永井謙佑 6(63分IN)
ミドルレンジからでも隙あらばシュートを狙い、ボールホルダーへのフォローアップも頻繁に行なう。前線で全力疾走する姿は限られたが、攻撃に上手く変化をつけた。
MF
14 内田宅哉 ―(82分IN)
サイドの仕掛け役として最後の約10分間を担った。中央寄りのゾーンでも得点を狙ったが、分厚い守備の壁の前にやや手こずったか。
監督
長谷川健太 6
「内容のある勝点1」と言う通りの攻守に引き締まった試合展開を演出。得点こそ奪えなかったが、崩しの部分にバリエーションを出す狙いも奏功させ、次につながる勝点1をもぎとった。
※MAN OF THE MATCH=取材記者が選定するこの試合の最優秀選手。
※採点は10点満点で「6」を及第点とし、「0.5」刻みで評価。
※出場時間が15分未満の選手は原則採点なし。
取材・文●今井雄一朗(フリーライター)

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