見どころ・戦評
[J1リーグ7節] 浦和2-1鹿島/4月3日(土)/埼玉スタジアム2002
【チーム採点・寸評】
浦和 7
新たに導入した4-1-4-1は攻守に機能性が高く、これまでになかった相手DFの背後を狙う意識がゴールへ繋がる。鹿島の悪さを差し引いても、良い出来のゲームだった。
【浦和|採点・寸評】
GK
1 西川周作 6.5
失点場面はループシュートの軌道が絶妙すぎたがため致し方ない。後半立ち上がりにはエヴェラウドとの1対1を止め、低空パントキックも正確だった。
DF
8 西 大伍 6.5
ボールの収まりどころとしても安心感を与え、正確なパスで先制点をアシスト。今季獲得が間違っていないことをプレーで証明した。
4 岩波拓也 5.5
グラウンダーで出すべき縦パスが浮いてしまう場面が見られたほか、サイドチェンジがオーバーするなど、キックの精度を欠いた。
5 槙野智章 6.5
最終ラインに入ってきたクロスをうまく跳ね返し、決勝点となったPKも冷静にゴール。減点材料の少ない試合だった。
6 山中亮輔 6
関根に正確なクロスを供給したが、ゴールが取り消しとなったのは不運。一列前の明本を生かした一方、自身のプレーは普段より控えめだった。
MF
29 柴戸 海 6.5
1ボランチを務め、最終ラインの前でフィルターとなった。動き回り過ぎず、入ってくる相手をしっかりと捕まえて、奪ったマイボールは無難に繋いだ。
41 関根貴大 6(86分OUT)
ゴールは取り消しになったが、ダイナミックな飛び込みでダイビングヘッドを披露。調子の良いときのプレーを取り戻しつつある。
37 武田英寿 6(68分OUT)
守備時には2トップの位置に入ってセンターバックにプレスを掛け、その後ボランチまで戻るという要求に運動量で応えた。ただ失点時に落下点を見失ったのは残念。
MF
18 小泉佳穂 6.5(74分OUT)
上手にマイボールの逃げ場になりつつ、自分の動きだけで相手を引き付け、ボールホルダーを楽にする賢さも見せた。
MAN OF THE MATCH
15 明本考浩 7
背後に飛び出す意識の高さで相手の最終ラインを押し下げ、中盤にスペースを生んだ。さらにJ1初ゴールとなる先制点とPK奪取でチームの勝利を決定づけた。
FW
9 武藤雄樹 7(74分OUT)
ゼロトップ気味の位置取りで上手く相手のマークを外し、ボランチの背後のスペースを活用。相手CBを食いつかせ、背後を味方が使う連携もあった。
交代出場
MF
17 伊藤敦樹 6(68分IN)
リードしてダブルボランチにシステムを変える際、その一角に投入。必要以上に中央から動かずにプレーし、ゲームを安定させた。
FW
14 杉本健勇 5.5(74分IN)
決定的なGKとの1対1を決めていれば試合はその時点で決まったはず。あの場面がなければ平均以上のプレー内容だが、あまりにも減点材料として大きすぎた。
FW
30 興梠慎三 6(74分IN)
献身的なプレスで杉本のビッグチャンスを生んだ。少しずつだが、コンディション向上の兆しは見せている。
DF
3 宇賀神友弥 ―(86分IN)
関根の負傷でスクランブル投入。右サイドバックに入って無難にゲームをまとめた。
監督
リカルド・ロドリゲス 7
チームのコンセプトは変わらずも、システム変更に加えてトレーニングやエリートリーグで好プレーを見せた選手を抜擢する起用法も奏功。47歳の誕生日を勝利で飾った。
※MAN OF THE MATCH=取材記者が選定するこの試合の最優秀選手。
※採点は10点満点で「6」を及第点とし、「0.5」刻みで評価。
※出場時間が15分未満の選手は原則採点なし。
【チーム採点・寸評】
鹿島 5
全体的に強度が足りず、プレーのメリハリも欠いたうえ、勝負に徹した割り切りも感じられなかった。内容的にも敗戦が妥当だった。
【鹿島|採点・寸評】
GK
31 沖 悠哉 5.5
2失点したとはいえ、ボール周辺のプレーについてGKに責任を感じた場面はとくにない。焦点は、最終ラインに良い形での働きかけや的確なコーチングができていたかだ。
DF
32 常本佳吾 4.5
対面した明本が2点に絡んだことからも低評価は避けられない。交代出場した杉本に何度も自分の前でボールをキープされるなど、ハッキリと狙われた。
33 関川郁万 5
一時同点のゴールはあったが、それ以上に自身の背後で先制点を奪われ、武藤のポジショニングに振り回される場面などマイナス材料が目立った。
28 町田浩樹 5.5
中央での最終的な局面で強さを見せる場面はあったが、関川同様に武藤を捕まえられない場面が多かった。
14 永戸勝也 5.5
セットプレーのキッカーとして、得点の可能性を感じさせるボールを何本も蹴り込んだ。しかし守備時には関根と西のコンビに手を焼いた。
MF
20 三竿健斗 5(77分OUT)
自分たちの背後を使われたことで、前に詰める力強さも、スペースを埋めるクレバーさも発揮できず。中途半端な位置取りのままになってしまった。
4 レオ・シルバ 5(77分OUT)
三竿と同じくポジショニングがハッキリせず、得意の球際で良さを発揮する回数も少なかった。個人というよりも、ユニットとして中央での支配権争いに敗れた。
13 荒木遼太郎 5.5(77分OUT)
右足のセットプレーでは可能性を感じさせるボールを蹴り込み、逆サイドまで流れてシュートに繋げる場面もあったが実らなかった。
MF
41 白崎凌兵 5(62分OUT)
個人だけの問題ではないものの、逆サイドの荒木と比較しても存在感は希薄。早い時間の交代になるのもやむなしだった。
FW
9 エヴェラウド 6.5
鹿島で唯一と言えるほど強さと高さ、技術で浦和に脅威を与えた。もし割り切って彼に向かってロングボールを集めたなら、ここまでの浦和ペースにならなかったかもしれない。
18 上田綺世 5
後方からの運びが機能しなかったことで消えた面はあるが、あわや決定機阻止で退場処分の危険なファウルも。エヴェラウドをもう少しサポートしたかった。
交代出場
MF
27 松村優太 5(62分IN)
流れを変えることを求められたが、常本と2人で縦に並んだ右サイドは浦和に狙われ、むしろウイークポイントになった。
MF
25 遠藤 康 5.5(77分IN)
悪い流れのチームのなかで埋没。主導権を握る場面を作ることができずにそのまま試合が終わってしまった感があった。
MF
34 舩橋 佑 5.5(77分IN)
なんとかしたいという思いは空回り。結果的にイエローカードを受けた以外にゲームに与えた影響があまりなかった。
MF
7 ファン・アラーノ 6(77分IN)
チームがうまくいかないなかでも、逆襲の起点になりそうな場面は作った。もう少し長い時間を与えたらどうなっていたか。
監督
ザーゴ 4.5
全体の緩さ、メリハリのなさは試合へのモチベーションの持っていき方に疑問符がつく。試合中の采配も、前半の立ち上がりから問題点が変わらず、修正を図った気配はなかった。
※MAN OF THE MATCH=取材記者が選定するこの試合の最優秀選手。
※採点は10点満点で「6」を及第点とし、「0.5」刻みで評価。
※出場時間が15分未満の選手は原則採点なし。
構成●サッカーダイジェストWeb編集部
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