見どころ・戦評

[J1リーグ8節]横浜FC 0-3 広島/4月7日/ニッパツ
【チーム採点・寸評】
横浜FC 3
攻撃時は4-3-3、守備時は4-4-2(4-2-3-1にも近い)という戦術上の着眼点はあるが、試合後には「戦術以前に個人としてやらなければならないことが足りていなかった」(韓)という声もある。また「前半は本当に腰が引けていた」(下平監督)という言葉もそのとおりで、後半に挽回したとしても、それは0-3で試合が決まったあとなので評価し難い。
【横浜FC|採点・寸評】
GK
18 南 雄太 3.5
2失点目は岩武に大きな原因があるとはいえ、GKのプレーも曖昧だったように映る。セーフティにクリアできたのではないか。
DF
22 岩武克弥 3(55分OUT)
35分、GKへ中途半端なバックパスを送り、2失点目に関与。イージーミスという点で痛恨で、ここからチームも負の流れに拍車がかかった印象もある。
5 田代真一 3.5
35分の岩武のバックパスミスはいただけないが、彼へのパスを狙われている状況下で、そのままボールを預けたDFにも責任の一端はあると見ることもできるか。
26 韓 浩康 3.5
簡単に左サイドを崩された1失点目の場面では、最後のカバーリングも遅れていた。味方への指示も含め、改善の余地はあるだろう。
3 袴田裕太郎 3.5
19分には対峙した野上に翻弄され、サイドで起点を作らせてしまう。そこから失点につながってしまった。
MF
15 安永玲央 4
1失点目のシーンでは、ゴールをアシストした川辺への寄せが甘い。先手を読むポジショニングができていないのもひとつの原因だろう。
30 手塚康平 4
20分、浅野にプレスをかけるもワンツーでいなされ、先制点を決められてしまう。40分にはファールを犯し、3点目につながるFKを献上した。
10 中村俊輔 4(70分OUT)
ボールを受ければ積極的にスルーパスを狙うも、ゴールにはつながらず。守備時は立ち位置を前線にシフトしていた。
FW
37 松尾佑介 4(77分OUT)
守備に忙殺されたため、持ち味のドリブルを披露できる場面は限られた。目立った見せ場もないまま途中交代に。
14 ジャーメイン良 4(55分OUT)
マッチアップした東に1対1で潰されるシーンもあり、パスミスも散見。少ない攻撃の時間でチャンスメイクをできていなかった。
39 渡邉千真 4(70分OUT)
40分、セカンドボールに反応して柴﨑にプレスをかけるも、わずかに遅れてシュートを決められてしまう。攻撃面でもチャンスに関与できていなかった。
交代出場
DF
23 前嶋洋太 4(55分IN)
57分にオーバーラップから鋭いクロスを打ち込む。ただ、飛び出した相手GKにキャッチされた。
FW
13 小川慶治朗 4.5(55分IN)
この試合でチーム唯一のシュートを放ったが、相手に外に追い込まれたため、無理ある体勢の一振りだった。
FW
16 伊藤 翔 4(70分IN)
ゴール前で構えてチャンスを伺った。しかし相手のディフェンスに弾かれてしまった。
FW
9 クレーベ 4(70分IN)
裏への抜け出しから前線で起点を作る。ただ、決定機には絡めなかった。
MF
7 松浦拓弥 ―(77分IN)
終盤には左サイドを駆け上がって積極的にクロスを上げたものの、ゴールにはつながらなかった。
監督
下平隆宏 3
手塚、中村と魅力あるパサーを中盤に置いたのに、守備の時間が長くなりがちなリトリートで戦った采配は疑問が残る。キャスティングと戦術がチグハグなので、チームとして何を強みにしているのか感じ取れなかった。
【チーム採点・寸評】
広島 7.5
コンビネーションから決めた1点目、ハイプレスから奪った2点目は、組織としての完成度の高さを感じさせるゴールだった。終盤は押し込まれたとはいえ、相手に打たせたシュートはわずか1本。攻守両面で敵を圧倒した素晴らしいゲームだった。
【広島|採点・寸評】
GK
38 大迫敬介 6
数少ないピンチで冷静なキャッチングを見せる。80分にはヒヤッとするビルドアップもあったが、何はともあれ無失点は評価に値する。
DF
2 野上結貴 6
20分、右サイド深くで攻撃を組み立て、浅野へ斜めのパスを打ち込み、そこから先制点につながった。対人守備でも強さを見せつけていた。
4 荒木隼人 6
相手陣地に押し込むワンサイドゲームの時間が長かったため、攻撃の組み立てをそつなくこなす。押し込まれた終盤にはさすがのディフェンス能力を披露した。
33 今津佑太 6
60分に訪れた被カウンターのピンチでは、小川との1対1で的確に相手を外に追い込み、難なく防ぐ。その他のシーンでも冷静なディフェンスが光り、縦パスも上手かった。
24 東 俊希 6
52分のビッグチャンスでシュートミスは残念。ただ、守備時の1対1で戦いつつ、積極的に攻撃参加した点は称えたい。
MF
8 川辺 駿 7(66分OUT)
アンカーでコントロールタワーに徹する。ショートパスを捌いて攻撃にリズムをもたらし、機を見てロングパスで局面を変えた。20分にはシュートを打ちやすい思いやりのあるボールを浅野へ送り、先制点をアシスト。豊富な運動量を発揮し、守備でも出色のパフォーマンスだ。
30 柴﨑晃誠 7
40分、森島のFKで弾かれたこぼれ球を拾って右足を振り抜き、ダメ押しの3点目をゲット。フィニッシュまでの冷静さと、シュートの芸術性は、まさに熟練の技だった。
10 森島 司 6(53分OUT)
中盤で多くの攻撃にかかわり、攻撃から守備への切り替えも早かった。後半開始早々のシュートは相手GKに弾かれ、結果は残せなかったが悪くないパフォーマンスだった。
FW
MAN OF THE MATCH
29 浅野雄也 7.5(66分OUT)
20分、巧みなヒールキックで鮮やかに相手をいなし、川辺とのワンツーで右サイドを攻略。リターンパスをダイレクトで左足を振り抜き、正確なコントロールショットを決めた。攻めあぐんだ時間帯に貴重な先制点を奪い、35分には相手のミスを見逃さず追加点。勝負を決める2点を記録した働きはかなり大きかった。
14 エゼキエウ 7(79分OUT)
変幻自在のドリブルで崩しの急先鋒となり、攻撃にアクセントを加えた。35分には2点目につながる相手のミスをハイプレスで誘発。また40分には積極的な仕掛けでファールを誘い、3点目につながるFKを獲得した。
9 ドウグラス・ヴィエイラ 6.5(53分OUT)
献身的なハイプレスで浅野の2ゴール目を演出。FWとして得点はなくても、ポストプレーなどでも大いに貢献していた。
交代出場
FW
37 ジュニオール・サントス 6(53分IN)
53分でチャンスをフイにしたのは残念だったが、フィニッシュまでのタッチは巧みだった。
MF
25 茶島雄介 6(53分IN)
中盤で潤滑油となり、時折ドリブルで推進力をもたらす。65分のミドルシュートは枠の外に。
MF
18 柏 好文 6(66分IN)
74分にはクロスに合わせて左足ボレーを放つ。わずかに枠を外したが、惜しいシュートだった。
MF
41 長沼洋一 6(66分IN)
77分には味方と華麗なコンビネーションを披露。守備もそつなくこなした。
FW
23 鮎川 峻 ―(79分IN)
出場時間短かったものの、劣勢の時間帯に助かる前線からのプレッシングをかけた。
監督
城福 浩 7
アンカーに置いた川辺が攻守をコントロールし、先発に抜擢したエゼキエウが攻撃を活性化。前節から変えた采配が見事に当たった。
※MAN OF THE MATCH=取材記者が選定するこの試合の最優秀選手。
※採点は10点満点で「6」を及第点とし、「0.5」刻みで評価。
※出場時間が15分未満の選手は原則採点なし。
取材・文●志水麗鑑(サッカーダイジェスト編集部)

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