見どころ・戦評
[J1第10節]川崎1-1広島/4月18日/等々力陸上競技場
【チーム採点・寸評】
川崎 5.5
試合運び自体は悪くはなかった。さらに言うと、前半の内に試合を決められるだけの決定機があった。そんな試合運びをしながらも結果的に勝利を逃したことが悔やまれる。内容的には6.5の試合だが、勝点を2つ逃した点をマイナス要素と考えた。
【川崎|採点・寸評】
GK
1 チョン・ソンリョン 6
怪我からの復帰戦。プレー機会の少ない前半から打って変わり、同点に追いつかれ難しくなった後半もチームを落ち着かせた。試合終了間際の決定機を防ぐなど決定的な仕事をしてくれた。
DF
13 山根視来 7
先制点の場面は、全力疾走からのシュートはもちろん、その跳ね返りを拾ってからの冷静なパスがポイントに。攻撃面で“らしさ”を出しつつ、守備にも奮戦した。
DF
4 ジェジエウ 6
前半はJ・サントスを完璧に封じ込めたが、後半は同点ゴールの場面を筆頭にそのJ・サントスに何度かつけ込まれた。前方への精度の高いパスなどで攻撃にもアクセントをもたらしていただけに、後半何度かやられた場面が残念。
DF
5 谷口彰悟 6
強気なラインコントロールでチームの攻撃を下支えしただけに、寝かされてしまった失点シーンが悔やまれる。
DF
2 登里享平 6.5
11分に谷口からのスルーパスを引き出す動きを見せるなど広島を圧迫。VARの末に取り消されてしまったが、三笘の幻のゴールを演出したクロスなど随所に良さを見せた。
MAN OF THE MATCH
MF
25 田中 碧 7
試合開始時はアンカーで。後半途中からはインサイドハーフにポジションを代え攻撃では運動量と連動性を。また守備では対人の強さを示した。失点したが森島のシュートにも反応しており、100%以上の力を出したように見えた。
MF
8 脇坂泰斗 6(71分OUT)
広島を圧倒した前半からその能力の高さを発揮。38分の家長の得点は上手く相手を誘ってのパスで決まったもの。自らも得点チャンスがあっただけに悔やまれる引き分けとなった。
MF
19 遠野大弥 5.5(71分OUT)
狭いスペースで顔を出しボールを引き出して攻撃の組み立てに加わる場面はさすがだが、徐々にボールに絡めなくなってしまったのは反省材料。
FW
41 家長昭博 6(79分OUT)
先制点は簡単ではないコースに決めたもので見事の一言。またピッチを左右に大きく動いて広島の守備を揺さぶるなど試合を動かした。山根とのこなれた連係で何度かスタジアムを沸かせただけに試合を勝たせる働きが見たかった。
FW
18 三笘 薫 6.5(85分OUT)
序盤から武器であるドリブルで広島を揺さぶりチャンスメイク。ゴールシーンでは、針の穴を通すようなスルーパスを山根に通すなどさすがの活躍を見せた。VARで取り消された得点など攻撃面で“らしさ”は出せていた。
FW
9 レアンドロ・ダミアン 5.5(79分OUT)
序盤からボールを握る展開になったこともあり攻撃の起点として機能。その一方で後半に入り運動量がガタ落ちした印象がある。激しいバックチャージに何度かもんどり打って痛がる場面も見られており気になるところ。
途中出場
MF
17 小塚和季 6(71分IN)
川崎デビュー戦で、課題である守備で頑張りを見せた。また、攻撃面でも長短のパスで違いを見せている。何本か長谷川に決定的なスルーパスを通すなど今後に期待が持てる内容だった。
MF
3 塚川孝輝 5.5(71分IN)
アンカーに入ると、持ち味の激しい守備で相手の攻撃を潰せており一定の役割は果たす。セットプレーがあるチームなだけに高さ、強さを生かす場面に期待。
FW
20 知念 慶 -(79分 IN)
強さは示したが、結果を出すまでには至らず。L・ダミアンとの違いを示せるのかは課題。
FW
11 小林 悠 -(79分IN)
ウイングとして投入されるが、出場から9分ほどで太ももを痛めてしまう。状態が気になる。
MF
16 長谷川竜也 -(85分 IN)
決定的な場面に入り込んでいただけに、シュートでプレーを完結させてほしかった。
監督
鬼木 達 6
前半は完成度の高い試合を見せていただけに勝ちきりたかった。内容が良かっただけに交代采配にも難しさが出てしまった形。結果的に勝てなかったとはいえ引き分けの結果、開幕から12戦連続無敗のチーム記録を更新。さらなる高みを目指してほしい。
[J1第10節]川崎1-1広島/4月18日/等々力陸上競技場
【チーム採点・寸評】
広島 7
主力選手が負傷で欠場を余儀なくされるなか、フォーメーションを代えて臨んだ試合。圧倒された前半を1失点でしのいだのが後半の同点ゴールに繋がる。内容では負け試合だっただけにこの勝点1は大きい。
【広島|採点・寸評】
GK
38 大迫敬介 6.5
同点ゴールは川崎を食いつかせたあとの自身のロングフィードで生まれている。怯えていてはあのパスは出せないだけに、チームを救うフィードとなった。
DF
2 野上結貴 5.5(85分OUT)
対応した三笘に手を焼く試合に。防戦一方の難しい対応を強いられるなか、何度かやられてしまっていたが失点を1に抑えたことが勝点1に繋がる。
DF
4 荒木隼人 6.5
1失点はしたが、最後まで我慢強く対応。チームに勝点1をもたらす原動力となった。
DF
33 今津佑太 5.5
L・ダミアンに果敢に挑み、ある程度良さを封じることに成功。ただしシンプルなパスをミスして決定的なピンチを招くなどパスの精度に課題も。
DF
24 東 俊希 6
守備に追われてなかなか攻撃に出ていけなかったが、1-1で迎えた試合終了間際の88分にシュート気味のクロスを放ち川崎を慌てさせた。よく戦った。
MF
27 ハイネル 5.5(73分OUT)
できないわけではないと言うが、チーム事情からボランチに入る。遠野と激しくマッチアップした。青山との連係で守備に追われた形。受け身の時間が続いたが、その働きのおかげで1失点で踏ん張れたとも言えそう。
MF
6 青山敏弘 6
ボールを握られる試合のなか、汚れ役を引き受けた。いざとなればチームのためにファールで相手を止めることもいとわず。課題があるとすれば、特に前半は攻撃への切り替えのパスでミスが連続していた点。プラスマイナスゼロという印象。
MF
18 柏 好文 5.5(66分OUT)
守備に回る時間が長く、攻撃面ではそれほど良さを出せず。そもそもボールにあまり関われていなかった印象。
MF
10 森島 司 7
乾坤一擲の同点ゴールは見事。ワンチャンスを確実にねじ込んだ。チームが守備に回る時間が長いときに、助ける働きを期待。
FW
29 浅野雄也 5.5(73分OUT)
周りとの連係もあるのだろうが前からのプレスがハマらず。川崎の守備陣に上手く逃げられてしまっていた。攻撃面でもミスが目立った印象。
FW
37 ジュニオール・サントス 6.5
身体を張って攻撃の起点になろうと試みたが、前半は全くいいところなし。期待はずれだと思っていた後半の同点ゴールは、それまで完璧に封じられていたジェジエウを振り切ったことから生まれたもの。その後もチャンスを作るなど存在感を示しただけに低調だった前半が悔やまれる。
途中出場
FW
14 エゼキエウ 5.5(66分IN)
前線からの守備で川崎の攻撃を遅らせるなど一定の働きを見せた。ただしチャンスでパスミスするなど、攻撃面では良さを出し切れず。
MF
30 柴崎晃誠 6(73分IN)
攻守の切り替えでリズムをもたらす。負けはしなかったが、チームを逆転に導くまでには至らず。
FW
23 鮎川 峻 5.5(73分IN)
疲労した川崎守備陣と対峙。88分の決定機を演出したが単発だった。
MF
25 茶島雄介 -(85分IN)
長谷川に何度か裏を取られるなどしていた印象。
監督
城福 浩 6.5
複数の主力選手が離脱していることもあり苦しい前半を過ごしたが、その難しい試合で勝点1をもぎ取った采配は称賛されるべき。
※MAN OF THE MATCH=取材記者が選定するこの試合の最優秀選手。
※採点は10点満点で「6」を及第点とし、「0.5」刻みで評価。
※出場時間が15分未満の選手は原則採点なし。
取材・文●江藤高志(川崎フットボールアディクト)
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