見どころ・戦評
[J1リーグ17節]柏 1-2 札幌/5月29日/三協フロンテア柏スタジアム
【チーム採点・寸評】
柏 5
3-5-2でスタートしてミラーゲームに持ち込んだが、まったく機能せず防戦一方の展開となり前半途中から4-2-3-1にシステム変更。やや持ち直したとはいえチャンスを決め切れず、勝負どころの守備は緩かった。
【柏|採点・寸評】
GK
17 キム・スンギュ 5
1失点目は絶妙クロスに対して上手く反応できず、ゴールを許してしまった。2失点目は急にボールの軌道が変わったため、ノーチャンスだっただろう。
DF
25 大南拓磨 5
ハイボールをかぶるなど、不用意なミスが散見。好ディフェンスもあったとはいえ、ムラがあったのは気になった。
44 上島拓巳 5
最終ラインから積極的に声を出し味方に指示。だが球際やクロス対応でわずかに緩さがあったシーンもあり、結果的には失点してしまった。88分のセットプレーからの決定機も逃す。
4 古賀太陽 5
攻撃時は縦や斜めなど多様なパスを駆使した。2失点目は岡村のシュートに対してブロックに入るも、逆に軌道を変えてしまいゴールを許す。
MF
6 高橋峻希 5.5(78分OUT)
30分、右サイドを駆け上がり、ファールを誘って同点弾につながるPKを獲得。ただ、2失点目のシーンではやや対応が遅れて岡村にシュートを打たせてしまった。
26 椎橋慧也 5
立ち上がりのアンカーはやりづらそうな印象だったが、ダブルボランチになってからはやや復調。とはいえ前半アディショナルタイムのビッグチャンスは決めたかった……。
33 仲間隼斗 5(66分OUT)
序盤は左ウイングバック、前半途中からは左サイドハーフでプレー。チャンス演出もあったが、守備に忙殺されていた印象のほうが強い。
27 三原雅俊 5(HT OUT)
インサイドハーフ、アンカー、ダブルボランチなど何度もポジションを変えた。前半アディショナルタイムにはミドルシュートを放ったものの、ボールはバーを越えた。
22 ドッジ 5(69分OUT)
受けに回った立ち上がりのシステムではボールを持てず、1失点目のシーンは高嶺へのプレスが緩かったか。リズムを掴み切れなかったように見えた。
FW
9 クリスティアーノ 6
ハイボールを競り合い、プレッシングもこなした。スルーパスでPK獲得のきっかけを作り、35分にそのPKを自ら決めた。プレーからは強い気持ちも感じた。
29 アンジェロッティ 5(HT OUT)
縦パスをあまり収められなかったのはマイナス評価。攻守ともに味方と噛み合っていない様子で、コンビネーションに難がある印象だった。
交代出場
FW
35 細谷真大 5.5(HT IN)
前線で巧みに動き回り起点を作る。クロスやシュートなどに課題は残したが、積極的なプレーでゴールへの迫力は示した。
MF
10 江坂 任 5(HT IN)
トップ下でパスを呼び込んだが、厳しいマークに遭ってドリブルを止められたり、得意のスルーパスもカットされた。
MF
39 神谷優太 5(66分IN)
セットプレーのキッカーとして、ゴール前にボールを何度も供給。しかし、ゴールにはつながらなかった。
MF
8 ヒシャルジソン 5(69分IN)
中盤でセカンドボールを拾い、パスを捌きつつ、時折攻め上がった。87分のシュートは決め切れなかった。
DF
24 川口尚紀 ―(78分IN)
84分には右サイドでファールを犯し、危険な深いエリアでFKを与えてしまった。
監督
ネルシーニョ 4.5
すぐ修正したとはいえスタートシステムの采配ミスは明らかだろう。頻繁に変わるシステムや戦術が、選手のプレーに悪影響を及ぼしているようにも映る。
【チーム採点・寸評】
札幌 6.5
CKの流れから2ゴールを奪取。セットプレー以外でも、華麗なコンビネーションからゴールに迫っていたし、守備は連動して味方同士でサポートし合っていた。相手よりも一体感があった。
【札幌|採点・寸評】
GK
1 菅野孝憲 6
PKは止められなかったが、流れのなかのセービングは安定していた。もっとも、82分のイエローカードは不用意だった。
DF
50 岡村大八 6.5
40分、CKのこぼれ球にすかさず反応し、そのままシュートを放つ。ボールは相手DFに当たってコースが変わり、ゴールに吸い込まれた。
2 田中駿汰 6
ハイボールを撥ね返すだけでなく、クレバーのディフェンスも見せた。とりわけ1対1の守備は、飛び込み過ぎない間合いの取り方が絶妙だった。
5 福森晃斗 6(68分OUT)
高精度のフィードは見事で、CKのキッカーとして2ゴールにも関与した。51分のFKは枠を外したものの惜しい軌道だった。
MF
7 ルーカス・フェルナンデス 6(68分OUT)
ドリブルだけでなくワンタッチプレーも駆使。14分にはテンポを変えるアーリークロスでチャンスに絡む。
27 荒野拓馬 6(68分OUT)
最終ラインに落ちてビルドアップしたり、前線に残ったり、シャドーにいる駒井との関係性を意識しながら動き回る。神出鬼没な動きが好印象だった。
6 高嶺朋樹 6.5
CKのセカンドボールをすかさず拾い、左サイドを抜け出した青木へパスを送る。そこから先制ゴールにつながった。スタートポジションのボランチだけでなく、途中から移った3バックの左でも好パフォーマンスを披露した。
28 青木亮太 6(83分OUT)
PK献上のファールは残念だったが、19分、CKの流れで高嶺からパスを受け、相手GKとDFの間を通す絶妙クロスのアシストは素晴らしかった。
4 駒井善成 6
荒野と何度もポジションチェンジしながら自由に動き回る。66分にはジェイとのコンビネーションで左サイドを崩し、青木の決定機に絡んだ。
MAN OF THE MATCH
35 小柏 剛 7(90+4分OUT)
14分、ジェイのポストに抜け出して得たチャンスはシュートミスでフイに。しかし19分には青木のクロスに合わせ、貴重な先制ゴールを決めた。前線で巧みな動き出しを繰り返していた働きも評価し、MOMに選出した。
FW
48 ジェイ 6
長身を活かして攻撃の起点を作る。ポストプレーでチャンスも演出した。前線で身体を張っていた貢献は評価したい。守備の運動量も豊富だった。
交代出場
MF
9 金子拓郎 6(68分IN)
74分にはこぼれ球を拾って強烈なシュートを放つ。右ウイングバックで守備もそつなくこなした。
MF
8 深井一希 6(68分IN)
ハードタックルで中盤の守備を引き締める。前に強いディフェンスを披露し、ボランチの相方である宮澤とのバランスも良かった。
MF
10 宮澤裕樹 6(68分IN)
周囲に気を配りつつ、相手の攻撃を撥ね返した。特に最終ラインをよくサポートできていて、逃げ切りたい時間帯に守備の強度を上げた。
DF
3 柳 貴博 ―(83分IN)
85分にゴール前でシュートを打とうと試みたが、相手DFにブロックされた。
FW
4 菅 大輝 ―(90+4分IN)
前線で懸命に走ったが、プレー時間が短く、あまりボールに触れなかった。
監督
ペトロヴィッチ 6.5
68分の3枚替えが奏功。とりわけ深井と宮澤の働きが良く、おかげで逃げ切りに成功した。見事な采配だった。
※MAN OF THE MATCH=取材記者が選定するこの試合の最優秀選手。
※採点は10点満点で「6」を平均点とし、「0.5」刻みで評価。
※出場時間が15分未満の選手は原則採点なし。
取材・文●志水麗鑑(サッカーダイジェスト編集部)
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