見どころ・戦評
[J1リーグ22節]仙台1-1札幌/7月10日(土)/ユアスタ
【チーム採点・寸評】
仙台 5.5
立ち上がりは守備が全くはまらず相手に広大なスペースを与え失点。その後もボールを保持できなかったが、ワンチャンスを決めきり前半を同点で折り返す。後半は相手を引きつけて背後のスペースを突いたが、シュートを決めきれず、終盤は再び攻勢となった相手をはね返すのが精一杯だった。
【仙台|採点・寸評】
GK
27 ヤクブ・スウォビィク 6.5
失点はGKを責めるのは酷な状況。その後は特に後半ファインセーブ連発でピンチを凌ぎ、またも劣勢の試合で勝点1をもたらした。
DF
25 真瀬拓海 7
ここ最近高まっていたゴール前でシュートまで持ち込む意識が実り、赤﨑のクロスを見事ゴールに押し込んだ。後半にも惜しいシュートを放つなど、攻撃面で相手の脅威となった。守備でもよく走って身体を張り、勝点1奪取に大きく貢献した。
16 吉野恭平 6.5
早めにディフェンスラインの前に出て相手のシャドーや中盤の選手をうまく止めて、再三のピンチを凌いだ。危機察知の判断が非常に優れていた。
13 平岡康裕 6
立ち上がりは相手の揺さぶりについていくのが厳しかったが、チーム全体の守備の修正が図られると持ち味の競り合いの強さや身体を張った守りで、最少失点に留めることに貢献した。
14 石原崇兆 5.5
前半はL・フェルナンデスの突破を何度も許すなど守備対応に苦戦。後半は攻撃に顔を出す場面も増え、ドリブル突破から決定機をつくり出した。
MF
17 富田晋伍 5.5
前半はボール奪取へ行こうとするとかわされていたが、札幌の攻撃スタイルに慣れると徐々に持ち味を発揮し、粘り強い守備が見られるようになった。
8 松下佳貴 5
相手の速いプレッシャーを受け、ボールを失いピンチを招く場面が多かった。攻撃でも決定機につながるようなパスが少なかった。
MF
7 関口訓充 5.5(64分OUT)
守備では身体を張って球際に厳しく行く場面を再三見せた。攻撃でも前半終盤F・カルドーゾとのワンツーでゴールチャンスを演出したが、劣勢だったこともあり、あまり決定機はつくり出せなかった。
26 加藤千尋 5(80分OUT)
前半はプレスがうまくはまらず、相手のサイドチェンジを限定することができなかった。後半は前へ出る場面もあったが、決定機にはあまり絡めなかった。
FW
33 フェリペ・カルドーゾ 5.5(HT OUT)
31分マークについた宮澤を振り切り、赤﨑へとパスを送り、同点ゴールの起点となったプレーは圧巻だった。しかし前線からのプレスが全く機能せず、劣勢となる要因をつくったため、前半だけでピッチを退いた。
11 赤﨑秀平 6.5(80分OUT)
前半はF・カルドーゾ、後半は西村と2トップを組む相手FWによって立ち位置を変えて決定機によく絡み、真瀬のゴールをアシスト。途中交代まで質の高い動きを見せ続けた。
交代出場
FW
15 西村拓真 5.5(HT IN)
後半開始から投入され、実効性の高いプレスをかけ、相手のサイドチェンジやロングボールを制限することができた。攻撃面でも決定機にはよく絡んでいたが、59分のシュートチャンスは決めきりたかった。
MF
32 氣田亮真 6(64分IN)
相手のプレスをうまくかわしながらのドリブル突破で、後半途中出場ながら多くの決定機に絡み、シュートも2本放ったが、ゴールにはつながらず。
FW
29 エマヌエル・オッティ -(80分IN)
ドリブル突破で何度か決定機には絡んだが、周囲との連係が思うように取れず、自身もシュート0本に終わった。
MF
18 中原彰吾 -(80分IN)
出場時間は短かったが、古巣相手ということもあり、積極的に前へ行こうとする姿勢を見せ、決定機もいくつか演出することができた。
監督
手倉森誠 5.5
札幌がサイドチェンジなど大きい展開を仕掛けてくることを予想はしていたがそれを止められず、またしても早い時間帯に失点を喫した。前半途中で修正を図ってからは決定機もつくり出せて同点に追いつけたが、逆転に持っていけるだけの攻撃のパワーは出せなかった。
※MAN OF THE MATCH=取材記者が選定するこの試合の最優秀選手。
※採点は10点満点で「6」を及第点とし、「0.5」刻みで評価。
※出場時間が15分未満の選手は原則採点なし。
【チーム採点・寸評】
札幌 5.5
試合の入りは素晴らしく、幅を使って仙台の陣形を揺さぶって先制。その後も優位に試合を進めたが、VARでのゴール取り消し直後に隙を突かれ失点。後半は相手の攻勢を許し、終盤選手交代で再度攻勢に転じたがゴールは奪えず。ボールの支配率は高かったが、勝利に結びつかなかった。
【札幌|採点・寸評】
GK
1 菅野孝憲 6.5
後半何度か立て続けにシュートを打たれる場面があったが、確実なシュートストップを見せチームを救った。足もとの技術の高さや、守備範囲の広さなど持ち味も見せた。
DF
2 田中駿汰 6
前半は積極的にゴール前まで顔を出す場面も多く、攻撃でも脅威となった。後半は仙台の攻勢に押され、守備で身体を張る場面が増えた。
10 宮澤裕樹 5
セットプレーから鮮やかにゴールを決めたかに見えたがVARでノーゴール判定。その直後F・カルドーゾにマークを振り切られ失点のきっかけをつくった。後半にも相手のプレッシャーを受け、ミスが散見された。
5 福森晃斗 6
前半は精度の高いサイドチェンジのパスで、相手を圧倒。プレースキックでも質の高さは見せることができた。後半はやや攻撃に顔を出す回数が減った。
MF
7 ルーカス・フェルナンデス 6.5(75分OUT)
開始早々鋭い攻め上がりを見せてゴールを決め、その後もゴールにはつながらなかったが、何度もクロスやシュートで仙台を脅かし続けた。
14 駒井善成 6
中盤でよくボールに触って、攻守によく関わり、得点時もチャナティップへ縦パスを出し起点となった。ゴール前に顔を出す場面がもっと多くても良かった。
6 高嶺朋樹 5.5(75分OUT)
ディフェンスラインに降りて、ビルドアップの起点となるプレーで多くの決定機を演出。ただ、中盤で不用意にボールロストしてピンチを招く場面もあった。
MF
28 青木亮太 5.5(80分OUT)
左サイドをよく上下動して、クロスやパスで攻撃に絡んでいったが、ボールを持てる展開だっただけに、もう少しゴールに迫る場面をつくりたかった。
9 金子拓郎 6(89分OUT)
シャドーの位置で相手選手の間でボールを受け、多くの決定機に絡んだ。ただ、後半3本のシュートを放ったが、いずれも決めきれなかった。
18 チャナティップ 6
立ち上がり早々にL・フェルナンデスのゴールにつながったパスは見事。その後も高い戦術眼で多くの決定機に絡み続けたが、ゴールは決められず。
FW
35 小柏 剛 6.5
自慢のスピードで仙台守備陣を苦しめ、L・フェルナンデスのゴールもアシストした。欲を言えば自身でシュートを決めきりたかった。
交代出場
FW
48 ジェイ 5.5(75分IN)
投入直後にセットプレーからヘディングシュートを放ち存在感を見せたが、その後は仙台守備陣にうまく抑え込まれ、ゴールはならず。
MF
27 荒野拓馬 5.5(75分IN)
ジェイとともに後半途中出場だったが、うまく試合に入れず、ボールロストして相手の攻撃を許してしまう場面もあった。
MF
4 菅 大輝 -(80分IN)
短い出場時間ながら、クロスボールから何度か決定機を演出することはできたが、ゴールにはつながらなかった。
DF
3 柳 貴博 -(89分IN)
昨季仙台に在籍しており、久々のユアスタでのプレー。右サイドで何度かボールには触ったが、出場時間が短く決定機はつくり出せず。
監督
ペトロヴィッチ 5.5
ボール支配率は圧倒的で前半主導権を握ることには成功したが、仙台が攻守で修正を図ってからは、やや攻撃が単調になり、ピンチをつくられる場面もあった。A・ロペス離脱後の決定力不足の課題を修正しきれていない。
※MAN OF THE MATCH=取材記者が選定するこの試合の最優秀選手。
※採点は10点満点で「6」を及第点とし、「0.5」刻みで評価。
※出場時間が15分未満の選手は原則採点なし。
取材・文●小林健志(フリーライター)
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