見どころ・戦評
[J1リーグ22節]柏 2-1 鹿島/7月11日/三協フロンテア柏スタジアム
【チーム採点・寸評】
柏 7
とりわけ前半は自陣ゴール前で身体を張って堅守を築き、そこから効果的なカウンターで何度もチャンスを作った。チームの中心核であるクリスティアーノが先制点を決めて勢いづいたのも好印象で、復調の足がかりになる可能性も感じた好ゲームだ。
【柏|採点・寸評】
GK
17 キム・スンギュ 6
ヒヤッとした飛び出しもあり、終盤に犬飼のシュートを止められなかったが、前半はセービングが安定していた。
DF
25 大南拓磨 6.5
終盤には得点者の犬飼に競り負けたが、それよりも、3バックの一角でも臆せず攻撃参加した積極姿勢を評価したい。57分には果敢なオーバーラップからP・ハウルのゴールをアシストした。
44 上島拓巳 6.5
44分にヘッドを外したのは残念だったが、エヴェラウドに自由を与えなかった守備は素晴らしかった。53分にはインターセプトから1ゴール目の起点となった。
4 古賀太陽 6
安定感あるビルドアップで左ウイングバックの三丸を活かす。ディフェンスでも落ち着いた対応をしていて、クリーンシート達成に貢献した。
MF
6 高橋峻希 6
守備時にはきっちり最終ラインに戻って5バックを形成し、攻撃時には機を見て右サイドを駆け上がる。24分にはクロスから戸嶋のチャンスに関与した。
20 三丸 拡 6
好クロスで何度もチャンスを演出。32分にはP・ハウルの、44分には上島の決定機に絡んだ。ディフェンスも安定していた。
8 ヒシャルジソン 6.5
セカンドボールをよく拾い、2次攻撃につなげた働きぶりは評価に値。ボール奪取後にはオフェンスの推進力をもたらし、49分にはクリスティアーノのチャンスに関わった。
22 ドッジ 6(77分OUT)
高いポジションを取り、相手にとって危険なエリアで攻撃によく絡んだ。ヒシャルジソンとのバランスも良かった。
28 戸嶋祥郎 6.5(77分OUT)
24分のシュートは相手DFにブロックされたが、効果的なランニングでチャンスに絡む。53分には正確なスルーパスでクリスティアーノのゴールをアシストした。
9 クリスティアーノ 7(90+5分OUT)
53分、右サイドを抜け出して相手GKとの1対1を迎えると、豪快に右足を振り抜いて先制点をゲット。57分には秀逸なヒールキックパスを大南に供給し、2ゴール目にも絡んだ。
FW
MAN OF THE MATCH
23 ペドロ・ハウル 7(80分OUT)
ポストプレーで大きく貢献。手も含めて身体を上手く使い、何度もボールを収める様はまさに“動く城”のようで、圧巻のキープ力だった。しかも57分には大南のクロスに合わせてネットを揺らす。内容も結果も充実のパフォーマンスだったため、MOMに選んだ。
交代出場
FW
18 瀬川祐輔 ―(77分IN)
後半アディショナルタイムには相手DFのパスをカットし、そこから速攻を展開した。試合終了間際のスライディングタックルでも気合を示した。
MF
26 椎橋慧也 ―(77分IN)
78分には最終ラインをサポートし、身体を張ったディフェンスからカウンターにつなげた。
FW
35 細谷真大 ―(80分IN)
81分にはタイミングの良い動き出しで高橋のクロスに合わせたが、シュートは決め切れなかった。
MF
31 イッペイ・シノヅカ ―(90+5分IN)
出場時間が短く、ほとんどボールに触れないまま終わった。
監督
ネルシーニョ 6.5
リトリートからのカウンターというゲームプランが奏功。2点をリードしたあとの終盤に交代カードを切って、きっちり逃げ切った。
【チーム採点・寸評】
鹿島 5
リトリートした相手の守備に手を焼き、攻め手を欠いて徐々に主導権を失う。失点もミス絡みのものであり、全体的にパッとしないパフォーマンスだった。
【鹿島|採点・寸評】
GK
31 沖 悠哉 5
クリスティアーノとの1対1では、もう少し早めに飛び出しても良かったのではないか。シューターに余裕を与えてしまったように映った。
DF
32 常本佳吾 5.5(90+4分OUT)
24分、戸嶋のシュートをブロックしたのは良かった。だが、32分にはマッチアップした三丸への寄せが甘く、容易にクロスを上げさせてしまうシーンも。
39 犬飼智也 6
打点の高いヘディングで終盤に決めたゴールは見事だった。ただし最終ラインの一角として2失点したため平均点止まりに。
23 林 尚輝 4.5
ノープレッシャーでのキックミスが散見された。対峙したP・ハウルに起点を作らせてしまい、そして失点シーンでもシュートブロックできていなかった。
14 永戸勝也 5.5
攻め上がったところで味方がボールを失い、自らが空けたスペースを相手によく使われたが、終盤はオーバーラップが奏功してアシストを決めた。
MF
4 レオ・シルバ 5(HT OUT)
23分には不用意なボールロストからピンチを招く。パスがズレる場面もあり、やや不調だったのか、ハーフタイムに退いた。
21 ディエゴ・ピトゥカ 5.5
ゴールにはつながらなかったが、37分に見せた土居へのヒールキックパスは秀逸。ただ、53分には縦パスをカットされて、そこから失点してしまった。
7 ファン・アラーノ 5.5(60分OUT)
クロスでチャンスに何度か絡んだものの、結果にはつながらず。44分のピンチでは、クロッサーである三丸へのプレスがやや甘かったか。
41 白崎凌兵 5(60分OUT)
縦横無尽に動いて攻撃を円滑にしていたものの、ゴールに絡むほどの目立ったプレーは少なかった。
FW
8 土居聖真 5(75分OUT)
神出鬼没な動き出しは良かったが、34分と37分のシュートは上手くミートできず。流れが良い時間帯に決め切れなかったのは痛かった。
9 エヴェラウド 5
効果的なポストプレーをできたのは34分に土居のチャンスを演出した時くらいか。この日は競り負けるシーンが多く、起点を作れなかったのはチームにとって痛恨だった。
交代出場
MF
20 三竿健斗 5(HT IN)
いきなりロングフィードを失敗と途中出場の入りは悪かった。1失点目の場面でもアシスト者の戸嶋を潰し切れなかった。
MF
17 アルトゥール・カイキ 5.5(60分IN)
70分にはゴール前でダイビングヘッドも、シュートは枠を外れた。攻撃への関わり方に迫力はあった。
MF
11 和泉竜司 5.5(60分IN)
果敢なドリブルでオフェンスに推進力をもたらしたものの、チャンスには上手くつなげられなかった。
MF
27 松村優太 ―(75分IN)
ポジショニングが悪かったせいか、良い位置でボールを呼び込めず、ゆえに存在感は薄かった。
MF
37 小泉 慶 ―(90+4分IN)
試合終了間際に途中出場したため、ほとんどボールに関われないままタイムアップした。
監督
相馬直樹 5
ハーフタイムでL・シルバに代えて三竿を投入も奏功せず、また2失点後の選手交代も劇的な変化をもたらせず。交代策が上手くハマらなかった。
※MAN OF THE MATCH=取材記者が選定するこの試合の最優秀選手。
※採点は10点満点で「6」を平均点とし、「0.5」刻みで評価。
※出場時間が15分未満の選手は原則採点なし。
取材・文●志水麗鑑(サッカーダイジェスト編集部)
Jリーグ各クラブの最新情報はアプリで!