見どころ・戦評
[J1リーグ25節]柏1-3鳥栖/8月21日(土)/三協F柏
【チーム採点・寸評】
柏 5.5
序盤から守備が機能せず、鳥栖に主導権を握られる時間帯に2点を失い苦しい展開へ。その後は盛り返し、1点を返した後は守備から好機を作り出したものの決定力に欠けた。鳥栖との決定力と完成度の差を見せつけられ、1-3で敗れた。
【動画】小屋松が2ゴールと躍動! 柏vs鳥栖戦ハイライト
【柏|採点・寸評】
GK
17 キム・スンギュ 5.5
1失点目と3失点目はDFに当たってコースが変わり、2失点目は至近距離の決定機を防いだが、こぼれ球を小屋松に詰められてしまう。失点に関しては不運もあり、むしろ好セーブでチームを救った機会の方が多かった。
DF
6 高橋峻希 5.5(24分OUT)
序盤からチーム全体が後手に回る時間帯が長く、攻守に目立ったプレーができないまま、24分の接触で負傷交代となる。
15 染谷悠太 5.5(68分OUT)
山下への守備や、サイドの高い位置を取った中野嘉への対応、ライン間を取る小屋松を捕まえにいくなど良い守備もあったが、ケガ明け初戦ということもあり、まだ本調子とは言えない印象だった。
3 高橋祐治 5.5
前線からボールホルダーへのプレッシャーがかからず、最終ラインでは的を絞り切れない難しい状況が続いた。エアバトルでもマッチアップした山下のパワーに押し込まれた。
4 古賀太陽 5.5
2失点目はキム・スンギュが弾いたボールのカバーがわずかに遅れ、3失点目では対応した中野嘉にクロスを入れられてしまう。
20 三丸 拡 5.5
鳥栖の帰陣が早く、高いエリアまで攻め込むシーンは少なかった。最大の見せ場は前半アディショナルタイムのシュートだが、朴一圭のファインセーブに阻まれた。
MF
8 ヒシャルジソン 6
鳥栖のカウンターを遅らせるなど、チームの守備が噛み合わない中で存在感を見せた。供給源としてもカウンターの起点やペドロ・ハウルに打ち込む縦パスで攻撃に変化を与え、自らも積極的に高い位置へ侵入。74分のシュートは朴一圭のセーブに阻まれる。
28 戸嶋祥郎 5.5(80分OUT)
エドゥアルドのコントロールミスを見逃さず、クリスティアーノの得点をアシスト。ただし、全体的にはボールを受けた際に鳥栖の素早い囲い込みもあって良い循環をさせることができなかった。
MF
9 クリスティアーノ 6
鳥栖守備陣の対応に苦しんだものの、0−2から1点を返してチームを勢いづかせた。セットプレーのボールの精度も悪くはなかった。
18 瀬川祐輔 5.5
ライン間でボールを引き出す意識が高く、守備では果敢にプレッシャーを仕掛けていたが、序盤に先制点につながるファウルを与えてしまう。
FW
23 ペドロ・ハウル 5.5(80分OUT)
ボールが収まった時にはポストプレーでチャンスを作ったが、エドゥアルドやファン・ソッコのマークもあって局面を打開する回数は少なかった。好機で放ったシュートはGKに阻まれるか、枠を逸れた。
交代出場
DF
13 北爪健吾 5.5(24分IN)
高橋峻のアクシデントで早い時間帯での出場となる。だが前への推進力を発揮する場面は少なく、2失点目では中野嘉への寄せがあと一歩足りなかった。
MF
27 三原雅俊 5.5(68分IN)
投入を機に4バックへシステム変更。セカンドボールに反応するも、すでに1-3でリードした鳥栖のバランスが崩れなかったため、試合の流れを変えるには至らず。
MF
11 マテウス・サヴィオ -(80分IN)
積極的に攻撃に絡む意識は見えたが、ケガ明けで約3か月ぶりの出場ということもあり、最後の局面で連係が噛み合わず。
FW
35 細谷真大 -(80分IN)
後方からのロングフィードに対して、鳥栖守備陣の背後を取ろうと果敢なスプリントを見せた。
監督
ネルシーニョ 5.5
前半途中のシステム変更でわずかに盛り返したものの、事前に準備してきた戦い方が機能せず立ち上がりから鳥栖にペースを握られる時間が続き、修正も遅れた感あり。
【チーム採点・寸評】
鳥栖 6.5
序盤からテンポ良くボールを動かして柏の守備を翻弄。前半終了間際に1点差に詰め寄られた後はしばらく柏の攻勢を浴びるも、相手の隙を突いて3点目を挙げ、3−1で危なげなく勝ち切った。
【札幌|採点・寸評】
GK
40 朴 一圭 6
1失点こそ許したものの、前半終了間際の三丸のシュートや74分のヒシャルジソンのシュートなど危ない場面を食い止め、勝利に貢献した。ビルドアップでのキック精度の高さも光った。
DF
20 ファン・ソッコ 6.5(78分OUT)
守備ではペドロ・ハウルを封じただけでなく、エドゥアルド、樋口、仙頭との連係でボールを動かして柏のプレッシャーをかわし、フリーでボールを持ったときには効果的な縦パスを打ち込んだ。
3 エドゥアルド 6
コントロールミスで失点の原因となってしまったプレーを除けば、壁となってペドロ・ハウル、クリスティアーノとのバトルで上回り、背後を狙う柏のロングボールを跳ね返していた。
31 大畑歩夢 6
攻撃時には幅を取ってビルドアップのパスコースを作り、状況に応じて敵陣深くまで入って攻撃のポイントを作った。75分には三原のシュートに対し身体を張ってブロック。
MF
MAN OF THE MATCH
22 小屋松知哉 7.5(78分OUT)
31分にはこぼれ球に素早く反応して追加点を挙げ、55分には柏に押し込まれた時間帯に試合の流れを引き戻す3点目を決めた。76分のダイレクトボレーが決まっていればハットトリックだったが、得点以外でもライン間で攻撃にアクセントを与え、背後への抜け出しでチャンスを作っていた。
10 樋口雄太 7
13分の直接FKからの先制点が試合を優位に運ぶ大きな要因となった。中盤では最終ラインや仙頭と絡んで巧みにボールを動かして柏の寄せをいなし、ビルドアップの入り口を作る。
37 小泉 慶 6.5(72分OUT)
移籍後初スタメンも右のウイングバックに入り、ファン・ソッコ、白崎との連係でボールを循環させる。セカンドボールへの出足も早く、先制のFKにつながるファウルを獲得したほか、2点目は右サイドのスペースに流れた白崎への小泉のパスが起点となった。
44 仙頭啓矢 6.5
得点・アシストを記録したわけではないが、様々なエリアに顔を出し、ボールをスムーズに動かす潤滑油となる。2点目を生んだ中野嘉への柔らかいタッチのパスは見事だった。
MF
7 中野嘉大 6.5(88分OUT)
31分にはボックス内で放ったシュートはキム・スンギュに弾かれたが、小屋松が詰めて2点目が生まれた。55分には左サイドからのクロスで3点目をお膳立て。2得点に絡む活躍を見せた。
13 白崎凌兵 6
ライン間やボランチ脇でのプレーは攻撃にリズムをもたらし31分には右サイドのスペースに流れてからの中央への折り返しで得点に絡む。ただ、32分の決定機は決めたかった。
FW
9 山下敬大 6(72分OUT)
後方からのフィードに対しては柏守備陣のマークに力負けすることなく、相手の最終ラインを押し下げる役目を果たす。53分には絶好の得点チャンスもあったが、シュートはわずかにポスト左に逸れた。
交代出場
MF
15 酒井宣徳 6(72分IN)
前がかりになった柏守備陣の背後を幅広く動き、スペースを突いて効果的にカウンターを仕掛けていた。
24 飯野七聖 6(72分IN)
スペースへ流れた酒井へパスを送り、カウンターのチャンスを演出。守備でもバランスを崩さず、終盤は前に出ていく姿勢を見せる。
DF
30 田代雅也 −(78分IN)
終盤、ロングボールを多用してきた柏の攻撃を跳ね返し、守備のタスクをこなす。
FW
29 岩崎悠人 −(78分IN)
2点リードした状況での投入だったため、前線で時間を作りながら、相手が前がかりになると背後のスペースを取りにいった。
DF
47 中野伸哉 −(88分IN)
短い時間の出場だったが、クリスティアーノや北爪が狙うスペースを消し、柏のサイド攻撃を遮断。
監督
金 明輝 6.5
前節、天皇杯と公式戦連敗中で、しかも天皇杯から中2日という日程の中で内容的にも柏を上回って完勝を収めた。右サイドに置いた小泉の起用も当たり、交代枠も効果的に使っていた。
※MAN OF THE MATCH=取材記者が選定するこの試合の最優秀選手。
※採点は10点満点で「6」を及第点とし、「0.5」刻みで評価。
※出場時間が15分未満の選手は原則採点なし。
取材・文●鈴木 潤(フリージャーナリスト)
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