見どころ・戦評

[J1第32節]鹿島1-2川崎/9月22日/県立カシマサッカースタジアム
【チーム採点・寸評】
鹿島 5.5
首位の川崎に対して先制するまでの61分間は今季ベストと言ってもいいくらい気迫のこもった出来だった。ところが、同点に追いつかれて以降、徐々に出力低下。アディショナルタイムの逆転劇を招いてしまった。
【鹿島|採点・寸評】
GK
31 沖 悠哉 5
警戒していたはずのFKで果敢に飛び出しながらも同点ヘッドを許し、終了間際に相手をほめるしかない鮮やかな無回転弾を浴びた。
DF
22 広瀬陸斗 6
ボールの運びが大きくなったところを見逃さず、冷静にカットするなど、対峙したマルシーニョに食らいついた。
DF
33 関川郁万 5.5
FKから同点ヘッドを決められたシーンでは、マークすべき相手に一瞬早く前に入られてしまった。攻守にわたって好パフォーマンスを続けていただけに悔やまれる対応だった。
DF
28 町田浩樹 5.5
CBを組んだ若手の関川をフォローしつつ、タイトな守備を見せていた。が、時間の経過とともにラインの押し上げがままならず、最後の最後に足が止まってしまった。
DF
2 安西幸輝 6(83分OUT)
前半から縦に仕掛けていくドリブルを披露。ときにはボールを少しずらして内側に入り、素早くシュートを放つことも。その積極性が実を結ぶ。先制点につながる絶妙クロスを送った。
MF
20 三竿健斗 6
大一番に相応しく、立ち上がりから、つばぜり合いが続く。ボールホルダーに素早く詰め寄り、顔を下げさせることで、プレーの選択肢を奪った。
MF
21 ディエゴ・ピトゥカ 6.5
味方からパスを受けると、ロングドリブルで持ち上がり、カウンター攻撃を仕切った。74分には自らシュートを放ち、追加点の可能性を感じさせた。
MF
7 ファン・アラーノ 6.5(86分OUT)
2試合連続のヘディングでのゴール。ワンバウンドしたことで、かえって相手GKのセービングのタイミングがずれたようなシーンとなった。
MF
11 和泉竜司 6(65分OUT)
守備に追われる時間が多く、なかなか攻撃に関与できなかったものの、高い位置での献身的なボール奪取が先制点を生んだ。
FW
13 荒木遼太郎 6
得点へのはやる気持ちがプレーの精度を低下させていた。“ここ”というところでの技術的なミスが目立った。とはいえ、ミスしてもチャレンジし続ける意欲は評価に値する。
FW
18 上田綺世 5(86分OUT)
4日前の試合では質の高いランニングで大いに貢献したが、今節はボールが足につかず、精彩を欠く。相手の脅威になりきれなかった。
途中出場
MF
8 土居聖真 6(65分IN)
先制点が決まった直後にピッチに送り出された。リスク覚悟で前がかりになる相手の隙間を突いていくのが託された任務だった。
DF
14 永戸勝也 ―(83分IN)
振り出しに戻ったすぐあと、足をけいれんさせていた安西に代わって出場。終了間際、目の覚めるような一撃を間近で目撃し、天を仰いだ。
MF
17 アルトゥール・カイキ ―(86分IN)
ほとんどボールに触れず、試合終了のホイッスルを聞く。やや遅れ気味に競り合いにいったところで、相手を倒してしまい、警告を受けた。
FW
9 エヴェラウド ―(86分IN)
得点から遠ざかっているだけに表情がさえず、プレーそのものにも覇気が感じられない。チームを好転させるような“熱”が出てこなかった。
監督
相馬直樹 5
先制しながら、アディショナルタイムを含め、残り11分間を耐えきれなかった。試合の終わらせ方をはじめ、選手の起用法など、疑問点が浮かんでくる采配になっていなかっただろうか。
[J1第32節]鹿島1-2川崎/9月22日/県立カシマサッカースタジアム
【チーム採点・寸評】
川崎 6.5
鹿島の激しいプレスに手こずり、しかも61分に先行されたものの、慌てなかった。FKのチャンスから同点に追いつき、振り出しに。そして、試合終了間際に値千金の逆転ゴールをプロ2年目の宮城が叩き込んだ。Jリーグでの対鹿島戦はこれで6年間、負け知らずだ。
【川崎|採点・寸評】
GK
1 チョン・ソンリョン 6
ハイラインの背後を幅広くカバーし、スルーパスに目を光らせた。失点シーンは完全にタイミングがずれてしまった。引きずることなく、気持ちを切り替えた。
DF
13 山根視来 6
前半早々は自身のサイドの主導権を握られ、我慢を強いられた。しかし、後半に入ると、リズムを取り戻し、逆転ゴールに絡み、溜飲を下げた。
DF
4 ジェジエウ 6
プレーの判断が早く、重量感のある守備で最終ラインを引き締めた。相手の勢いあるカウンターアタックにも慌てず騒がず的確に対処。
DF
5 谷口彰悟 6
怪我のために離脱していたキャプテンが戻ってきた。少々バタついた感はあったが、ややこしくなりそうな時はプレーを切ることで、危険を未然に回避。傷口を広げなかった。
DF
2 登里享平 6(67分OUT)
ボールが足もとに入ると、ほぼドリブルを開始する新助っ人マルシーニョの後方支援に回った。失点シーンのクロス対応は相手に分があったと見るべきだろう。
MF
6 ジョアン・シミッチ 5.5(67分OUT)
落ち着いたボールさばきからカウンター攻撃の第一歩につなげるなど、パスの展開力は相変わらず安定していたが、守備面で後手を踏まされた。
MF
22 橘田健人 6(82分OUT)
相手に厳しく身体を寄せられてもしっかりボールを動かした。ゴール前でのピンチを察知して素早くカバーに入った。攻守にわたってタフに戦った。
MF
47 旗手怜央 6.5
試合のスタートはトップ下だが、後半から右サイドの家長とポジションを入れ替わり、67分の一気の3枚替えのあとは左SBに。どこでプレーしても及第点以上のパフォーマンスを見せた。
FW
41 家長昭博 6
シュート0本の事実が物語るとおり、決定的なパンチは繰り出せなかった。が、のらりくらりと相手の嫌なところに現われ、ジャブを打ち続け、体力を奪った。
FW
23 マルシーニョ 5(67分OUT)
売り物のドリブルが途中でカットされることも少なくなく、果たして効果的だったかどうか、今日ばかりはクエスチョンマークがつく。
FW
9 レアンドロ・ダミアン 5(78分OUT)
入れ代わり立ち代わり、容赦なく、潰しにかかってくる両CBに苦慮。ボールがイメージどおりに収まらなかった。
途中出場
MF
8 脇坂泰斗 6.5(67分IN)
同点ゴールを引き出したFKのキッカーを務める。左サイドの位置からインスイングで、山村の頭にピタリと合わせた。
FW
11 小林 悠 6(67分IN)
逆転ゴールがこの男だったとしてもおかしくなかった。88分、切り返し一発で相手をかわし、シュートに持ち込み、あわやというシーンを作り出した。
MAN OF THE MATCH
FW
24 宮城 天 7(67分IN)
度肝を抜く無回転ミドル弾で、終了間際の劇的逆転ゴール。アカデミー育ちのプロ2年目の若武者がビッグゲームで、とんでもない大仕事をやってのけた。自身にとってJ1初得点という付加価値もついた。
FW
20 知念 慶 6(78分IN)
右サイドに流れ、ゴール前を通過するような鋭いクロスを供給。中とのタイミングが合わず、シュートに至らなかったが、鹿島陣営をヒヤリとさせたに違いない。
MF
28 山村和也 6.5(82分IN)
交代でピッチに足を踏み入れると、すぐに相手ゴール前に向かった。FKのチャンスから頭ひとつ抜け出し、貴重な同点弾をゲット。サッカー人生初のファーストタッチゴールを喜んだ。
監督
鬼木 達 6.5
指揮官の勝負勘が冴えた。先制点を奪われた直後、一気に3人を代える積極采配。そのなかに逆転弾を決めた宮城もいた。さらにFKのチャンスと見るや、長身186センチの山村を投入。自分たちから次々に変化を起こし、試合を見事にひっくり返した。
※MAN OF THE MATCH=取材記者が選定するこの試合の最優秀選手。
※採点は10点満点で「6」を及第点とし、「0.5」刻みで評価。
※出場時間が15分未満の選手は原則採点なし。
構成●サッカーダイジェストWeb編集部

Jリーグ各クラブの最新情報はアプリで!