女子代表国際親善試合
10月25日(土)
戦評
選手の適性を見極める時期から、チームを成熟させる「第2フェーズ」へと移行した日本。強豪とぶつかる欧州遠征の1戦目は、イタリアとドローに終わった。
この試合である程度の手応えを感じられたのは守備面だろう。ミドルゾーンでブロックを組みつつ、中央で長谷川唯や宮澤ひなたが献身的に動き、相手のアンカーへのパスコースを封じる。そこからサイドへ追いやり、前線での囲い込みや出足の鋭い最終ラインで奪い切る流れは、多くの時間帯で機能していたように見えた。
一方で、ひとたび自陣深くに押し込められると、屈強な相手FWにフィジカルバトルを挑まれ、そこで手を焼くシーンも少なくなかった。失点もゴール前で起点を作られた流れからであり、「弱点の補い方」はこれから鍛えなければならない。
攻撃面では反撃の1点こそ奪えたものの、速攻と遅攻のどちらにおいてもまだまだ発展途上であり、内容としては物足りない90分となった。特に、「司令塔」の長谷川が待望の復帰を果たしたにもかかわらず、攻撃がほとんど不発に終わった事実とは、しっかりと向き合う必要がありそうだ。
収穫よりも課題が多く見えた一戦となったが、相手も十分な実力者であったことは考慮するべきだろう。通用した部分は自信に変えながら、次のノルウェー戦に臨みたい。