AFC女子アジアカップ
3月21日(土)
戦評
12人目の「マチルダス」に360度囲まれた環境は過酷で、オーストラリアがボールを持ち、前進するだけで大歓声がスタジアムを包み込む。「なでしこ」の成長に必要なのは、この環境での勝利だった。
相手の攻撃の軸である3トップはフィジカルとスピードを生かし、ラフなボールでも簡単に収めてしまう上に、味方のサポートを待たずして攻撃を完結させる。対抗する手段は日本らしい連係。カギを握ったのは両サイドバックだ。積極的な攻撃参加でパスコースを増やすだけでなく、北川ひかるは深い位置へ何度も持ち上がり、高橋はなは対人の強さを発揮して高い位置で相手の攻撃を未然に防ぐ。浜野まいかのゴラッソも、北川の攻め上がりがあってこそだった。
後半はオーストラリアがギアを上げる。サイドの深い位置へエリー・カーペンターが何度も駆け上がり、高さのあるターゲットに向けてクロスを供給。攻撃の手数を増やす相手に対し、日本はデュエルから逃げずに体を張り続ける。終盤は南萌華を投入して守備の人数を増やし、山下杏也加は最後のとりでとして立ちはだかる。最後まで集中は途切れず、ついに大観衆のため息を誘う瞬間を迎えた。
やはりオーストラリアは強かった。そして、上回った日本はもっと強かった。