【J1採点&寸評】名古屋3-0神戸|フィッカデンティ采配ズバリ!MOMは2G1Aと八面六臂の活躍を見せたレフティ!!
[J1リーグ31節]名古屋3-0神戸/11月9日/豊田
【チーム採点・寸評】
名古屋 7
フィッカデンティ監督が用意した神戸対策が見事にはまり、シュート5本で3得点という効率の良さも手伝って試合展開にも堅実さがあった。残留に向けて大きな勝点3を手にしただけに評価は高い。
【名古屋|採点・寸評】
GK
1 ランゲラック 6.5
際どいセービングはそれほどなかったが、後半の大崎のヘッドに好反応を見せて無失点で切り抜けた。相手のクロスやフィードの処理も的確で、最後尾から勝利をお膳立て。
DF
6 宮原和也 6.5
前体制のごとき攻め上がりを披露しつつも、相手のサイド攻撃を潰しまくった。イニエスタらの嫌らしいドリブル突破にも冷静な対応を見せ、ピンチを未然に防ぐ出色のパフォーマンス。
20 中谷進之介 6.5
ビジャや古橋などシュート力のあるストライカーたちへの警戒心をプレーで表現し、丸山とともに鉄壁をゴール前に築いた。
17 丸山祐市 6.5
次々と上がってくるクロスを着実に跳ね返し、身体を張ったシュートブロックでピンチに立ちはだかった。守る時間の多い試合で、味方を鼓舞する精神的支柱としての役割も。
36 太田宏介 6
負傷明けでややプレーに精彩を欠く場面もあったが、攻守にハードワークを見せて勝利に貢献。セットプレーのキッカーとして先制点の起点となっただけでも価値は大きい。
MF
2 米本拓司 7
とにかく守備で突出した存在感を見せた。ボールへのプレッシャー、ディフェンスラインのカバーリングともに運動量がすさまじく、かつ90分間落ちることがなかった。
21 エドゥアルド・ネット 6.5(68分OUT)
縦に速すぎていたチームを落ち着かせ、少ないマイボールの時間を有効活用するゲームメイク。5本のシュートで3得点を奪えたのも、リズムよく攻撃ができていたからだ。
MF
29 和泉竜司 7
最終ラインでサイドのディフェンスを担当しながら、攻撃時にはサイドの起点として最前線へ。ボールキープの担い手としても重宝され、追加点まで奪えば大活躍としか言いようがない。
FW
7 ジョー 6.5
得点はまたも生まれなかったが、強靭なフィジカルを復活させて前線で巨大な存在感を放った。前田へのアシストだけでなく、チームを安心させるポストプレーは今後の大きなアドバンテージか。
25 前田直輝 7(63分OUT)
豪快に振り抜いた先制点、冷静にGKの股を抜いた2点目、そして和泉のゴールのアシストと八面六臂の活躍。足の不調で63分に交代したが、それでもMVPはこの男しかいない。
9 長谷川アーリアジャスール 6.5(90+2分OUT)
ジョーの補佐役として攻守に運動量豊富にプレー。そこにいてほしい、という場面に必ずいる気の利いたプレーで耐える展開を助け続けた。
交代出場
MF
8 ジョアン・シミッチ 6(63分IN)
足に不調を訴えた前田に代わって急きょ出場。堅実なつなぎとロングボールの競り合いなどで身体を張り、試合の流れを相手に決して渡さなかった。
FW
10 ガブリエル・シャビエル 6(68分IN)
玉突きの交代でトップ下に入ったネットに代わって出場。時間をうまく使ってプレーし、カウンターのチャンスにはさすがのパスを見せた。
FW
32 赤崎秀平 ー(90+2分IN)
最後の時間稼ぎも兼ねてピッチに入り、カウンターからあわや4得点目というチャンスを作るあたりは好調の表われか。
監督
マッシモ・フィッカデンティ 6.5
戦術の浸透度が上がり、相手への対策もしっかり決まるようになった印象。中谷が「用意していた通りの試合ができた」と唸った準備は今後にも期待でき、ジョーを体調面から復帰させた目論見の正しさも証明する試合となった。
※MAN OF THE MATCH=取材記者が選定するこの試合の最優秀選手。
※採点は10点満点で「6」を及第点とし、「0.5」刻みで評価。
※出場時間が15分未満の選手は原則採点なし。
【チーム採点・寸評】
神戸 5
ボールポゼッション率やシュート数で圧倒するも、フィニッシュの質を高められずに3失点。相手の対策にしてやられた感が強い敗戦で残留確定のチャンスを逃した。
【神戸|採点・寸評】
GK
18 飯倉大樹 5.5
前半の2失点はノーチャンス。行動範囲の広さで攻撃面での貢献も大きかったが、少ないチャンスをことごく決められてしまったのは何とも悔しいところ。
DF
33 ダンクレー 5.5
ボールキープ率の高い試合で前線での仕事もしばしば。積極的にシュートも放ち、セットプレーでもチャンスはあったが決めきれず。和泉とのマッチアップにも手を焼いた。
25 大﨑玲央 5.5
ジョーとのマッチアップは五分の戦いも、仕事はされた感が強い。ビルドアップで能力は見せたがなかなか攻撃が加速していかなかった。
44 ジョアン・オマリ 5
相手の前田の突破に手を焼き、3失点の起点をすべて自分のサイドで作られた。攻撃的な酒井のフォローは大変だったが、結果を見れば評価は低くなる。
MF
33 藤谷 壮 5
攻守に激しく上下動を見せたが1対2のマッチアップも多く苦戦した。特に相手の和泉との1対1は攻守ともにやり込められ、右からの攻撃は機能不全に。
5 山口 蛍 5.5
さすがのボールキープ力と展開力でチームを引っ張るも、前半での2失点を追いかける展開をひっくり返すには至らず。
8 アンドレス・イニエスタ 5.5(75分OUT)
緩急の利いたプレーでボールポゼッションの中枢を担ったが、決定的なパスは相手の警戒が強く通しきれなかった。後半には単独突破も見せたが、やはり決定機には至らず。
24 酒井高徳 5.5
攻守に気の利いたプレーぶりも、決定的な仕事は対面の相手にされた印象。後半になると高い位置でクロスを上げる回数を増やしたが、惜しくもゴールにはつながらなかった。
FW
13 小川慶次郎 5(66分OUT)
立ち上がりはよくボールを受けて攻撃に変化をつけたが、徐々に存在感が薄れていった。3失点目を受けて流れを変えるべく、最初の交代選手に。
7 ダビド・ビジャ 5.5(84分OUT)
バイタルエリアからペナルティエリアを幅広く動き回り、決定機を探ったが、ハードマークに遭って苛立ちを見せる場面も。後半はシュートも打てなかった。
16 古橋亨梧 5.5
持ち前のスピードが活きる場面は前半少なく、いくつかのチャンスも決めきれず。それでも後半に3本のシュートを放って気を吐いたが、最後までゴールが遠かった。
交代出場
FW
21 田中順也 5(66分IN)
追い上げへの最初のカードとしてピッチに入るも、ビルドアップに難ありの試合ではなかなかボールを受ける回数も増えていかなかった。
MF
6 セルジ・サンペール 5(75分IN)
イニエスタに代わってゲームメイクを担ったが、単純なパスミスもあってリズムを刻めず。ややオープンになっていく展開も落ち着かせられなかった。
FW
9 藤本憲明 ―(84分IN)
アディショナルタイム合わせて10分ほどの出番で惜しいシュートも見せたが、3失点を追う展開の中ではなかなかに難しいところもあった。
監督
トルステン・フィンク 5
相手のやり方にはまっていく展開はできるだけ早く修正をかけたかったところ。個の力で打開できそうな場面はあったが、かなり押し込んだ試合だっただけに、惜しさは募る。
※MAN OF THE MATCH=取材記者が選定するこの試合の最優秀選手。
※採点は10点満点で「6」を及第点とし、「0.5」刻みで評価。
※出場時間が15分未満の選手は原則採点なし。
取材・文:今井雄一朗(フリーライター)