元喫煙者ベンゲル監督が禁煙指南すべき
ニッカンサッカー 2015年1月15日 10:00配信
先日、アーセナルのアーセン・ベンゲル監督(65)が、ロッカー室内で喫煙をしたGKボイチェフ・シュチェンスニ(24)に2万ポンド(約372万円)の罰金を科したというニュースが報じられた。
すると英メディアが、若き日のベンゲル監督がチームを指揮している最中に、ベンチの中でタバコを吸っている映像を発見。「自分だって、昔は喫煙していたのに」と、揚げ足を取って面白おかしく伝えた。
しかし、ベンゲル監督はかつて喫煙していただけではないらしい。英テレグラフ紙(電子版)によると、同監督はタバコを吸っていただけでなく、タバコを売って小遣いを稼いでいたことすらあるそうだ。
ベンゲル監督が育った環境は、スポーツマンにとってはあまり好ましい状況ではなかった。「私はパブで育った」。両親が所有するパブの2階で暮らし、窓は流れてくるタバコの煙で真っ黒。若い頃はタバコを売って歩き、小遣いを稼いだこともあったという。
さらに、徴兵されて軍隊にいた頃には、月の終わりに給料代わりのタバコが支給された。そのため喫煙することはベンゲル監督にとっては極めて自然なことだったという。
ただ、現在はタバコをやめ、選手には健康的な生活を勧めている。「何人かのトップアスリートが喫煙をしているのは知っている。だが、それは世界に悪いメッセージを送ることになる。どれだけの量を吸うのかによっても違ってくるが、吸わないのがベストなのは間違いない」。
ただ、サッカー界にも隠れ喫煙者は多い。アーセナルでは、ロッカー室で喫煙して「現行犯逮捕」となったシュチェンスニ以外にも、MFウィルシャーは複数回、タバコを吸っている写真を撮られているし、MFエジルもかつてRマドリード時代に喫煙している姿を激写されている。
あまりピッチ外のことには干渉しない姿勢を示し、「選手には人としての手本になって欲しいと思うが、それ以上にファンを喜ばせるのは、ピッチでの素晴らしいパスだ」というベンゲル監督だが、行き過ぎた喫煙には頭を悩ませる。
パブで育ち、若き日はストレスを解消するため、ベンチでもスパスパとタバコを吸っていたベンゲル監督。それでもタバコはやめられる。監督本人がどうやって禁煙したのか、選手にアドバイスすれば良いのにと思うのは筆者だけだろうか。
【千葉修宏】