チェルシー女医へのセクハラやじを許すな
ニッカンサッカー 2015年3月12日 10:00配信
先ごろパリの地下鉄で、欧州チャンピオンズリーグの試合を観戦に訪れたチェルシーファンによる黒人男性差別事件が起きた。
アウェーに乗り込んできたチェルシーのサポーターたちは「オレたちは差別主義者、それがオレたちのやり方さ」というとんでもないチャント(掛け声)を連呼。電車に乗り込もうとしてきた、この黒人男性を力ずくで車内から押し出した。
このような人種差別は言語道断だが、今度はサッカーのスタジアムに女性差別がはびこっているということが、英BBC放送によって明らかになった。
BBCはマンチェスターUとマンチェスターCが、それぞれチェルシーと対戦している時のスタンドの様子を放送。
そこには、チェルシーの美人チームドクターとして人気を博しているエバ・カルネイロさんが、両チームのファンからわいせつなやじを飛ばされる姿が映し出されていた。
「おっぱいを見せてくれよ」なんていうのはまだかわいい方で、彼らは子供にはとても聞かせられないような放送禁止用語を連発していた。
さすがにチェルシーはクラブとして対抗措置を講じることを表明した。クラブのスポークスマンは、英ガーディアン紙に対し「すべての人が平等であることは、クラブとして最も真剣に考えていることであり、女性差別を含むどんな形の差別も許されない。我々はサッカー界から差別が根絶されることを望む」という声明を出した。
昨年は日本でもサポーターの差別的な横断幕によって、浦和が無観客試合を強いられた。最近ではファンの暴力で、ギリシャでリーグそのものが行われない事態にまで発展している。
もちろんほとんどのサポーターは、チームの勝利を願って真剣に応援しているのだろうが、わずか数人のせいで、試合が台無しになることもある。
いま一度、スタジアムは楽しむ場所であって、不満を吐き出したり、人種差別をしたり、わいせつな言葉を叫ぶ場ではないことを肝に銘じる必要がある。フーリガンと呼ばれる欧州の過激なサポーターたちは、自分たちの行為を、子供たちに誇れるのだろうか。
【千葉修宏】