監督を残留させた夫人にファンが感謝のプレゼント
ニッカンサッカー 2015年6月18日 10:00配信
日本だけでなく世界でも、何事も決定権があるのはダンナではなく、奥さんのようだ。
サンダーランドのオランダ人指揮官、ディック・アドフォカート監督(67)がクラブと来季の契約を結んだ。
同監督は今年3月に残留を争っていたサンダーランドの監督に就任。直近の7試合で3分け4敗だったチームを、最後の9試合で3勝3分け3敗と五分の戦績に立て直し、1部残留を勝ち取った。
強豪アーセナルとのアウェーでの1戦を0-0のドローで切り抜け、最終戦を残して残留を決めると、感極まって号泣。そんなおとこ気あふれる指揮官に、ファンは来季の続投を望んだ。
しかしリーグ戦終了後、同監督は指導者としての引退を表明していた。「サンダーランドでの指揮は私の監督生活のハイライトの1つ」と胸を張りつつ、「私はもうすぐ68歳だ」と年齢を理由に挙げた。引退後は夫人とともにオランダでのんびり過ごす予定だったという。
そのアドフォカート監督が翻意し、チームにとどまることを決めた。英複数メディアによると、続投を望むファンの声に押され、夫人も同監督がもう1年指揮を執ることを許可したのだという。
サンダーランドのサポーターは感謝の気持ちを表すために「ミセス・アドフォカートに花束を」というクラウドファンディングを立ち上げ、夫人への花束代150ポンド(約2万9300円)を集めようとした。すると、なんと2000ポンド(約39万1000円)ものお金が集まったという。
もともと150ポンドを超えた分はチャリティーに回されるという規約だったため、2000ポンドの超豪華花束とはならなかったが、同監督がいかにサポーターから支持を得ているか、そして続投を許可した夫人がいかに称賛を浴びたかを、よく表すエピソードだった。
我々の日々の生活にも夫人の意見は大きく関わってくる。何をするのも、何を買うのも夫人の承認が必要だという男性は多いのではないだろうか。
その一方で、ご機嫌を取るために夫人へ花束を買おうとすれば、自腹で購入するしかない。決してサポーターがクラウドファンディングを立ち上げたりはしてくれない。それがサラリーマンとプレミア指揮官の違いだろう。
【千葉修宏】