【J1採点&寸評】名古屋0-0鳥栖|ともに攻撃の迫力を欠きドロー決着…ピンチで存在感を見せた名古屋守護神を最高評価
[J1リーグ32節]名古屋0-0鳥栖/11月23日/豊田スタジアム
【チーム採点・寸評】
名古屋 5
立ち上がりから運動量に乏しく、カウンターに鋭さを出せなかったのが不調の一因。後半には交代枠を使いきった後に吉田豊が負傷し、ドロー狙いにシフト。狙って無失点に抑えきれたのはポジティブな要素か。
【名古屋|採点・寸評】
MAN OF THE MATCH
GK
1 ランゲラック 6.5
14分のPKの場面にもしっかり反応し、61分の決定的な場面も身体を張ってセーブ。この試合最大の危機と言えるふたつのシーンで存在感を見せ、チームの勝点獲得に大きく貢献。
DF
6 宮原和也 5.5
豊田陽平に狙われる場面もあったが無難に対応し、難しいサイドのバランス取りにも懸命に対処した。
20 中谷進之介 6
自分たちが十分にスカウティングされた相手の攻撃に対し、粘り強い守備で対抗。時に逆サイドまでカバーに行く判断力は組織的な守備の中でも生きていた。
17 丸山祐市 6
豊田陽平とのマッチアップにも果敢に挑み、堅実なカバーリングで守備に穴を空けなかった。フィードでも数度のチャンスを演出し、後方からチームを盛り立てた。
23 吉田 豊 5.5
序盤から左サイドに蓋をし続けたが、75分を過ぎたあたりで右太ももを負傷。交代枠を使いきっていたことからテーピングをして前線に入り、根性でボールを追った。
MF
2 米本拓司 6
普段よりもサイドに広範囲な守備を見せた印象で、攻撃面でもバイタルエリアに飛び込む動きを何度も見せた。
21 エドゥアルド・ネット 5.5(65分OUT)
守備のカバーリングでも良い反応を見せ、速度の上がらない攻撃のリズムメイクにも腐心。ジョーの使い方としてはチーム一だったが、流れを変える交代策の中で65分にピッチを去った。
9 長谷川アーリアジャスール 5.5(62分OUT)
ジョーの相棒としてフォアチェックからボールキープと多岐にわたるタスクをこなすも、得点を奪いに行く交代策の中で赤崎にバトンを託した。
FW
25 前田直輝 5.5(68分OUT)
前節ほどのカウンターの鋭さを出せなかったのは残念なところ。緩いピッチにドリブルのキレも奪われ、効果的な仕事をそれほど多くできなかった。
7 ジョー 5.5
後ろに重たいチームに時間を与えたかったところだが、ハードマークの前に今節は沈黙。惜しい場面、決定機もあと一歩及ばず、存在感を示せなかった。
29 和泉竜司 5
立ち上がり10分でのPK献上はやはり大きなマイナスポイント。失点にはならなかったが、重要な一戦では軽率なプレーと言わざるを得なかった。
交代出場
FW
32 赤崎秀平 5(62分IN)
長谷川アーリアジャスールに代わって攻撃のジョーカーとして入るも、チームのチャンスメイク力が今日は足らなかった。
MF
8 ジョアン・シミッチ 5.5(65分IN)
ネットに疲れが見えたのか、早めの采配でピッチへ。空中戦含めたコンタクトプレーでは鳥栖への対抗手段となったが、持ち味のゲームコントロールはあまり振るわなかった。
MF
10 ガブリエル・シャビエル 5.5(68分IN)
矢継ぎ早の交代策の切り札として登場。終了間際には絶好の位置でのFKがあったが、これまでのような切れ味を見せられずに見せ場は逃した。
監督
マッシモ・フィッカデンティ 5.5
守備の安定感は高まってきたが、カウンターに鋭さを欠いて得点の目が見えなかった。後半の交代策は勢いを感じたが、その後に吉田が負傷するアクシデントを思えばスコアレスドローに持ち込んだのは及第点か。
※MAN OF THE MATCH=取材記者が選定するこの試合の最優秀選手。
※採点は10点満点で「6」を及第点とし、「0.5」刻みで評価。
※出場時間が15分未満の選手は原則採点なし。
【チーム採点・寸評】
鳥栖 5.5
主導権としては握れていたとは思うが、攻撃に迫力が上がらず不完全燃焼のゲームに。金崎夢生のPKが決まっていればという感覚もあるが、その後の決定機も仕留められずにドローに持ち込まれた。
【鳥栖|採点・寸評】
GK
18 高丘陽平 6
前半は展開的にも仕事はほとんどなし。後半も決定的なシュートは飛んでこず、無難に90分を締めくくった印象。
DF
3 高橋祐治 6
ジョーとの競り合いでは負けん気たっぷりに応戦。ロングフィードでも攻撃陣を支援し、勝点獲得のベース作りへの貢献度は高い。
36 高橋秀人 6
冷静にビルドアップを操り要所で身体を張った。中央をしっかり締めるディフェンスの中心として、無失点で試合を乗り切った。
2 三丸 拡 6
左サイドでフリーになることが多く、後半になって好機も演出。終始高い位置を取り続け、名古屋の守備陣を牽制し続けた。
MF
22 原 輝綺 -(14分OUT)
サイドチェンジを受け取っての1対1でPKを獲得するも、その際の接触で右足首を痛めて交代の憂き目に。
4 原川 力 5.5
パワーのある前線を生かしたゲームメイクは序盤こそ良かったが、徐々に変化に乏しいものに。FKやCKでも怖さを見せたが、得点には至らず。
41 松岡大起 6(89分OUT)
スペースとパスコースを消す動きがうまく、名古屋の攻撃に制限をかけ続けた。カバーリングの意識も高く、鳥栖の中盤に堅実さを提供。
7 イサック・クエンカ 5.5
サイドを起点にカットインから名古屋の守備陣を混乱させたが、仕掛けの場面はもっと欲しかった。
FW
44 金崎夢生 5
原が奪ったPKを枠外に外す痛恨のミス。その後も運動量豊富に攻撃の起点となったが、シュート2本と振るわなかった。
11 豊田陽平 6
空中戦はほぼ無敵。ロングボールは競り勝つことを前提にできていただけに、もっと彼の長所を生かしたかった。
40 小野裕二 6(70分OUT)
仕掛けの場面を演出する動きは際立ったが、周囲の反応が鈍く孤立する場面も。彼のフォローを増やせば攻撃はもっと回っていったはず。
交代出場
DF
13 小林祐三 5.5(14分IN)
急きょの出場にも冷静に対応。縦の連係で攻めてくる相手の左サイドに、激しいコンタクトで立ち向かった。
MF
25 アン・ヨンウ 5(70分IN)
小野に代わって右サイドに配置されたが、縦へのパワーは見せるも効果的な突破にはつなげられず。
FW
39 金森健志 -(89分IN)
最後の一押しにと投入されるも、時間が少なく攻撃に絡む機会も数えるほど。
監督
金 明輝 5.5
序盤の原のアクシデントは不運だったが、スカウティングの成果で名古屋の守備を後手に回らせ、主導権はほぼ手中にあった。得点にかかる部分で工夫が欲しかったが、アウェーで勝点1は悪くない結果か。
※MAN OF THE MATCH=取材記者が選定するこの試合の最優秀選手。
※採点は10点満点で「6」を及第点とし、「0.5」刻みで評価。
※出場時間が15分未満の選手は原則採点なし。
取材・文:今井雄一朗(フリーライター)