まさか!?ペルー1部で主審が決勝ゴールをアシスト
ニッカンサッカー 2015年11月5日 10:00配信
ペルー1部の試合でまさかの出来事が起きた。
後期リーグ首位を走るスポルティング・クリスタルがフアン・アウリッチをホームに迎えた1戦。2-2の後半24分だった。
スポルティングがフアン・アウリッチのゴール前へ攻め込んだ。だがフアン・アウリッチGKガリェセはゴール前へ飛んできたクロスを軽快にジャンプしながらキャッチ。すぐさまカウンターを狙い、味方選手へ向けて低いゴロのキックを蹴った。
だが、エビア主審が同GKのゴールキックから目を離していたのが不運だった。ボールはバウンドしながら同主審のかかとに当たり、まだ相手陣内深くに残っていたスポルティング・クリスタルFWアビラのもとへコロコロと転がった。
同FWがこの主審からの「アシスト」をダイレクトで相手ゴールに蹴り込み、チーム3点目となるゴールを挙げた。かつてスポルティングを率いていたフアン・アウリッチのモスケラ監督もぼうぜん。だが主審はグラウンドの石と同じなわけだから当然、判定は覆らない。
試合はそのまま3-2でスポルティングの勝利。同クラブは後期リーグ6勝2分けとし、無敗での首位をキープした。
面白いのは、英メトロ紙(電子版)が「悪いのはGKか主審か」というアンケートを実施したところ、90%の読者が「GK」と回答したこと。
カウンターを狙うのはよいが、まだ攻め残っていた相手選手や主審が近くにいる中で、低いゴロのキックを蹴ったGKの判断ミスだとした読者がほとんどだった。
ただ、読者がGKのミスと判断するプレーだったとしても、エビア主審にとってばつの悪いものだったのは間違いない。ゴール直後には「悪い、悪い」と言わんばかりに両手を挙げて謝罪のポーズを見せていた。
W杯や欧州選手権を裁く主審が「オレが間違えるわけがない」といった態度なのとは対照的な、エビア主審のどこか憎めないコミカルさに、会場全体は「しゃーねぇな」という苦笑いに包まれていた。
【千葉修宏】