FIFAバロンドールでメッシに投票しなかった人
ニッカンサッカー 2016年1月21日 10:00配信
ハメス・ロドリゲス、クリスティアノ・ロナルド(ともにRマドリード)、バスティアン・シュバインシュタイガー(マンチェスターU)、ロベルト・レバンドフスキ(Bミュンヘン)、ディエゴ・ゴディン(Aマドリード)…これらの選手の共通点が分かる方はいるだろうか。
15年の「FIFAバロンドール(男子世界年間最優秀選手)」受賞者が11日(日本時間12日)発表され、バルセロナのアルゼンチン代表FWリオネル・メッシ(28)が3年ぶりの栄冠に輝いた。
この賞は、世界の各代表チームの監督と主将、記者が1~3位まで3人の名前を書いて投票(1位5点、2位3点、3位1点)し、その得点で決まる。メッシは総得点の41・33%もの支持を得て圧勝した。
メッシの受賞はフランス・フットボール誌が主催していた前身の「バロンドール」時代も含め、史上最多となる5度目。昨年はバルセロナの中心選手として欧州チャンピオンズリーグ、スペインリーグ、スペイン国王杯と3冠を達成しており、受賞は極めて順当といえる。
だが、メッシを1位はおろか、3位にも入れなかった投票者がいる。それが冒頭の選手たちだ。その他にもドイツのレーウ監督や、現在キュラソーを率いる元バルセロナのクライファート監督らがメッシを除外。人間関係が垣間見えて面白い。
まず、ハメスとロナルドのレアル勢が宿敵バルサのメッシに投票しなかったのは当然か。ハメスはチームメートである<1>ロナルド<2>ベンゼマ<3>ベールに投票し、ロナルドはその3人のうち自身の代わりにハメスを入れた。
シュバインシュタイガーは同じドイツ代表の<1>ノイアー<2>ミュラー(ともにBミュンヘン)に加え、<3>ネイマール(バルセロナ)を選び、レバンドフスキは<1>ノイアー<2>ビダル(Bミュンヘン)<3>ミュラー。ゴディンはウルグアイの同胞<1>スアレス(バルセロナ)と<2>ミュラー<3>レバンドフスキと記入した。
簡単に言うと、普段国内リーグでバルサにやられていたり、欧州CLで負けたことのある選手たちはメッシへの投票を避けている。
レーウ監督が選んだのは全員ドイツ人。クライファート監督は<1>ネイマール<2>スアレス<3>レバンドフスキと、バルサ最強「MSN」トリオから2人を選んでおきながら、メッシだけ選外。オランダ代表のコーチ時代、W杯ブラジル大会準決勝でアルゼンチンに負けた恨みは根深いようだ。
大金を稼ぐサッカー選手といえども人間。意外に小さいなと思えて笑えてくる「FIFAバロンドール」だった。
【千葉修宏】